《人違いで異世界に召喚されたが、その後ハーレム狀態になった件》第38話 オルオブ村出発の件

〜オルオブ村〜

「あ〜。もうこの家に帰ってくることは當分無いってことかぁ〜……」

「そうだね〜……」

俺たちは今、ルイの家の前で立ち止まっていた。

肩を落としながら呟く俺とシリアに、ルイが笑顔で言ってくる。

「だ、大丈夫ですよ!実際にこうして家を見ることは當分出來ませんが、アピアレンス球があれば、部屋にはれますよ!」

ルイが一生懸命勵ましてくれてるのはありがたいが……いやー……悲しいもんだよなあ……。

俺が更に落ち込みかけたその時。

「え、あたしのテレポート使えば良くない?」

「「あ…………」」

ああ、うん、確かに。言われてみればそうだな。

「……ていうか思ったんだが、お前の使ってるその……スペース…トラセイション…だっけ?とかいうテレポートの魔法。実際、アピアレンス球とあまり変わらなくね?」

「はあ!?」

リーナ様がお怒りになった。

「あんな玩おもちゃと一緒にしないでもらいたいわね!第一!この能力なら一つの空間だけじゃなくて、街から街への移だってできるのよ!!」

「……その、前々から思ってたんだが、アピアレンス球が繋げられる『一つの空間』ってどこからどこまでなんだ?街ひとつも一つの空間じゃないのか?」

俺の質問に、ルイが答える。

「一つの空間っていうのは、20㎡の広さをさすんです。この世界の家の部屋は、全て20㎡の大きさになっていて、アピアレンス球で繋げられる空間丁度なんです」

……なるほどなあ。ちゃんと考えてるんだな、この世界の人間も。

「って、え?ちょっと待てよ。そしたら、リーナのテレポートで一気に魔王國まで行けないのか?」

すると、リーナは腕を組みながら、嫌そうな顔で応答。

「そんな事も知らないでこの世界に……馬鹿なの?」

「誰のせいでこの世界にいるのかもう忘れたのか!!」

くっそ!最近まあまあ仲良くなったんじゃないかと思ってたが……。

勘違いだったよ、ちきしょう!!

リーナは再び嫌そうな顔をしたが、渋々俺の質問に答えた。

「あのねえ……テレポートは、一度でも見た事ある街や、景じゃないと使えないのよ」

「……なるほど」

まあ、それならしょうがないか。

「……じゃあ、どうする?最初はどの街を目指すべきなんだ?」

俺の質問に、ルイが答えた。

「そうですね……リーナさん達のお仲間も見つけなきゃですし……隣町の『ハイカラ』とかが良いかもしれませんね」

「オーケー。ハイカラな」

俺は了解すると、もう一度ルイの家を見た。

「……じゃ、そろそろ出発するか」

「そうね」

「はい」

「そうだね、お兄ちゃん!」

「早く行くのだ!!」

そして俺たちは歩き出す。

……治安が悪いことでとてつもなく有名な、『ハイカラ』へ……。

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