俺たちを出迎えたのは、十二単じゅうにひとえにを包んだ、中學生くらいの小柄なの子だった。

「えと……どちら様ですか？」

若干怯えているのかもしれない。彼はしだけ開いたドアから、ひょこりとの半分だけを出している。

俺はできるだけ恐がらせないよう、優しい口調で返答する。

「俺たちは、隣町から來たんだ。この街のことを知りたいんだけど、教えてくれないかな？」

はしばらく無言で、じっと俺たちのことを見ていたが、笑顔でこう返してくれた。

「ちょっと待っててください。おもてなしの準備をしてきますので」

〜宅〜

「あ、どうぞ皆さん。こちらに座っていただいて」

そう言ってが指さした座布団に、俺達は揃って正座をした。

俺は正座をしながら、一通り周りを見渡す。

.......にしても、外見からなんとなく想像はついていたが、裝まで和風建築とはな。

俺達が今いる部屋は、障子で仕切られている、和室だ。

庭に繋がる障子だけは開いており、そこから綺麗に手れされている庭が見える。

なんというか、江戸時代にタイムスリップした様な気分になる、そんな景だ。