《俺の周りのは全員なんだが必ず何か重大な欠點がある!》31話 友達っていいものね……

 千鶴side

 コンコン!

 「チヅル様。 今しよろしいでしょうか?」

 聲を聴く限り、 扉をノックしたのはラピスのようだ。

 

 「いいわよ」

 「それでは、 お邪魔しますね」

 「それでいったい何の用よ?」

 「実は、 チヅル様に一つ尋ねたいことがありまして」

 「何が知りたいの?

 「あの時なぜチヅル様は、 シュン様に本當のことを言わなかったのですか?」

 「……」

 なるほどね。 ラピスは、 それが気になって私の部屋に直接聞きに來たのか。

 「なんでラピスは、 そんなことを知りたいの?」

 「そうですね。  やっぱり一番の理由としては、 シュン様に噓をつきたくないという理由ですね」

 「そう……」

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 私だってなるべくは、 俊に対して噓をつきたくはない。

 だからラピスが私が噓をついた理由が気になるという點が気になるというのは、 理解できる。

 「でも私が気になった理由は、 それだけじゃないんです」

 「じゃあどんな理由なの?」

 「それは、 あの時のチヅル様がどこか怯えた様子だとじたからです」

 「あんたよく人を見てるわね。 確かにあの時私は、 怯えていたわ」

 「なぜチヅル様は、 何に怯えていたんですか?」

 「それは、 俊の記憶が戻ることよ」

 「チヅル様は、 シュン様の記憶が戻ってほしくないんですか?」

 「半分はそう思っているし、 半分は思っていないわ」

 「それは、 なぜですか?」

 「だって俊の記憶が戻った場合って、 人格が“俊君”のものになるってことよね? そうなった場合って今の俊の人格ってどうなってしまうの?」

 「それは……」

 「多分私の考えでは、 完全に消滅する。 確かに私は、 初めは“俊君”の人格の俊を好きになったわけだけど、 今の俊の事も同じくらいしているわ。 だからこそ片方の人格が消えてしまうのは嫌なの」

 「でもそれは……」

 「ええ、 その場合“俊君”の人格は、 どうなるのかって言いたいんでしょう? だから私は、 半分は戻ってしいとも思っているの。 そしてあの時のお禮をきちんと言いたいとも思っているわ」

 「でもそれだけじゃないですよね? それだけだったら結局は、 どっちの人格でもよくなるわけですから、 噓をつく必要まではないじゃないですか」

 ルビーは、 そう言いながら私の部屋にってきた。

 「もしかして盜み聞きをしていたの? 趣味が悪いわよ?」

 「すみません。 でも盜み聞きをしていたのは、 私だけじゃないようですよ?」

 ルビーが指を指した先には、 ハクがいた。

 「す、 すまんチヅル。 私もお前がシュンについた噓の事が気になって質問に來ようとしたのだが、 そこにはすでにお前とラピスが話し合いをしていてだな……」

 「それならさっさとってくればよかったじゃない」

 「そう言われてもなかなかりづらかったんですから仕方ないじゃないですか! そんな事よりも……」

 「あんたの質問に答えればいいんでしょう」

 全く今日は、 質問ばっかりされて嫌になるわ。

 こんな時は、 俊の部屋にでも侵して俊の匂いでも嗅いで落ち著くとしましょうかね。

 「チヅルどうかしたのか? 顔がにやけているぞ?」

 

 おっとどうやら俊の匂いを思い出していたら、 顔がにやけてしまっていたようね。

 「別に何でもないわよ。 それで質問に対する答えだけど、 私は怖かったのよ」

 「何がですか?」

 「俊に拒絶されてしまうよ」

 「そんなことありえません!」

 「ラピスの言う通りだ。 あのシュンが誰かを拒絶するはずなど……」

 「私だってそう思っているわよ。 でもね俊がいじめられていたのって結局は、 私のせいなのよ。 それに私があの時死にたくないと願わなければ、 俊は……」

 「それは違うと思います。 あの時チヅル様が願わなくてもきっとシュン様は、 チヅル様の事を助けていたと思います」

 「そうかもしれない。 でも私には、 そう思うことはできないし、 俊には私を恨む権利がある。 そしてもし俊から恨み言を言われたら私には耐えられないのよ」

 「チヅル様……」

 「千鶴さん……」

 「チヅル……」

 「私は、 あの時弱い自分とはお別れをしようと決めたけど結局は変われなかったのよ。 今も昔も臆病なままなのよ……」

 「チヅル様が臆病なことは、 すでに知っています」

 「え……」

 「だってチヅル様がシュン様に対して暴力を働くのは、 シュン様が他のと結婚してしまったら自分が捨てられてしまうかもしれないと不安に思っているからですよね?」

 「そうよ……」

 ラピスの言う通り私は、 俊から捨てられるのが怖い。

 だって私には、 シュンしか味方がいなかったから……

 「千鶴さんは、 もっと私達に甘えてもいいと思います」

 「ルビーの言う通りだ。 私達とお前は友達なんだからな」

 「チヅル様が抱えている不安は、 私達が解消して見せます。 ですからもっと気を楽にして、 困ったり不安に思ったりすることがあったら私達に相談してください」

 全く私は、 本當に愚かね。

 「そうね。 今の私にはあなたたちと言う友達がいるものね」

 「はい!」

 「じゃんじゃん頼ってください!」

 「困ったらいつでも相談してくれ!」

 「そうさせてもらうわね。 でも俊をあなたたちにくれてやる気は、 一切ないからそこだけは覚悟しておきなさい!」

 「むところです!」

 「私だって絶対に負けません!」

 「私だって絶対に負けはしない!」

 本當に私は、 幸せ者ね。

 こんな素敵な友達達に恵まれる日が來るなんて。

 こんな人達と出會えたのは、 全部俊のおかげね。

 「それでチヅル様は、 いつ真実をシュン様に話すのですか?」

 「そのことについては、 もうし時間を頂戴」

 「構いませんよ。 チヅル様の不安が解消されるまでいくらでも私たちは、 待ちますから」

 「そう言ってもらえると助かるわ」

 「それじゃあ話もついたことですし、 今から子會をしませんか?」

 「「「子會?」」」

 「ええ! 子會です! そこで私たちのの上話の事について々話し合いましょうよ!」

 「素晴らしい考えだルビー!」

 「さすがですルビー様!」

 「ふふふ、 褒めても何も出ませんよ!」

 

 ルビーったらすぐ調子にのるんだから。

 「それで千鶴さんはどうなんですか!」

 「ぜひやりましょうよ!」

 「そうだぞ!」

 本當なら俊の部屋に行くつもりだったけど、 でも友達は大切にしなくちゃいけないものね。

 「そこまで言うなら仕方ないわね! やりましょうか!」

 「子會をやるならお酒がしいですね」

 「ちょっと待ちなさい。 私は未年だからお酒飲めないわよ?」

 「チヅル様。 この世界では、 十五歳で人扱いされるのでお酒を飲んでも問題ないんですよ」

 「で、 でも……」

 「もしかしてお酒苦手なのか? それなら無理強いはしないが……」

 ああもう。 見るからに殘念そうな顔してるじゃない。

 そんな顔されたら斷れるわけないじゃない。

 「わかったわよ。 ちょっとだけよ」

 「さすが千鶴さんです! それじゃあ私今から城の廚房言っておつまみとお酒をもらってきますね!」

 「あんた場所わかるの?」

 「問題ありません! 地図なら先ほど書いてもらいましたから!」

 「そう。 それなら行ってらっしゃい」

 

 ~三十分後~

 「た、 ただいま戻りました!」

 「やけに遅かったわね」

 「どうかしたんですか?」

 「え、 ええと……」

 「クンクン。 おいルビー。 なぜお前からシュンの匂いがするんだ? もしや……」

 「な、 なにもありませんよ。 ええ、 俊さんのを見てきたなんて絶対にありませんよ!」

 「ねぇルビー。 私としお話しましょうか?」

 「ち、 千鶴さん顔が怖いですよ?」

 「ふふふ、 ルビーが本當のことを言えば別に何もしないわよ……」

 「も、 もし言わなかったら?」

 「お前を殺す!」

 「ひ、 ひい! 申し訳ありません! 実は俊さんのお風呂を覗いていました!」

 「全くお前と言うやつは……」

 「ルビー様。 そう言うことはいけないと思います」

 「仰る通りです……」

 全くこいつは、 本當に懲りないんだから。

 「仕方ないわね。 今回だけは許してあげるわよ」

 「あ、 ありがとうございますぅぅぅぅぅぅ!」

 

 ルビーは泣きながら私に抱き著いてきた。

 「ちょ、 ちょっと離れなさいよ!」

 「うえ~ん!」

 「ふふふ、 微笑ましいですね」

 「ああ、 そうだな」

 「そんな暢気なこと言ってないでこの狀況何とかしなさいよぉぉぉ!」

 私のそう悲鳴あげたのを合図に子會は、 始まった。

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