《俺の周りのは全員なんだが必ず何か重大な欠點がある!》33話 勇者は逃げだした!

 俺が玉座の間についてから十分後ぐらいに千鶴達は、 ってきたのだが……

 「えっとラピスさん。 三人の顔がものすごく悪いんだけど何かあったんですか?」

 「え、 ええと実はですね。 昨日チヅル様の部屋で子會をしたんですけど、 その時どうやらお酒を飲みすぎたようでして……」

 「あ、 頭が痛い……」

 「吐きそうです……」

 「気持ち悪い……」

 こいつら何やってるんだよ! 

 「いや~ごめんごめん。 皆もう集まってるかな?」

 王の口調は、 相変わらずふざけていて俺をさらに苛立たせた。

 

 「おやチヅルちゃんたちの顔が悪いようだけどどうかしたのかい?」

 「ち、 千鶴にちゃんづけ……」

 

 ダ、 ダメだ。 今笑ったら殺される。

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 「うっさいわね。 さっさとこいつ死んでくれないかしら……」

 「君は相変わらず口が悪いね!」

 「ああ、 もう! 黙れって言ってんでしょうが!」

 千鶴は、 そう苛立たし気に言うと王に向かって包丁を投げつけた。

 千鶴の投げた包丁は、 いつもなら確実に王の額を捕えるのだが、 今日は調が悪いということもありギリギリ外れた。

 「あ、 危ないな! 全くこれは一応國家反逆罪に値する行為なんだよ! でも僕は、 優しいから不問にしてあげる!」

 こいつ自分で優しいとか言って恥ずかしくないのか?

 「おい愚王。 いい加減俺達をここに呼んだ要件を話せ。 それとクリス三人に二日酔いに効く薬をくれないか?」

 「わかりました」

 

 クリスは、 そう言うと部屋の中にいたメイドに薬を持ってくるように命じていた。

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 「さてまず君たちをここに呼んだ要件だけどね。 実は、 勇者が逃げ出しちゃったんだ。 ごめんね?」

 「あぁ? もう一回言ってくれないかなゴミ蟲君?」

 「シュ、 シュン君口調が変わってるよ? それとなんで笑顔でこっちに向かってきてるの? ねぇ怖いから何か言ってよ! お願いだから!」

 「くたばれ愚王!」

 俺はそうびながら王の腹に思いっきり拳をめり込ませた。

 「グホッ!」

 ふう~スッとしたぜ。

 「シュ、 シュン君。 い、 いきなり毆るなんてひどいじゃないか……」

 「だってお前が悪いんだろ? 勇者を走させてしまったんだから」

 「反論の余地もございません……」

 

 それから俺は、 王が回復するまで數分待った。

 「ふう。 シュン君の拳の威力は、 本當にすさまじいね。 危うく死んでしまう所だったよ」

 「これでも手加減はしている」 

 「へ、 へぇそうなんだ……」

 「何なら本気の俺の一撃をくらいたいのか?」

 「謹んで遠慮するよ!」

 「それで話を戻すが勇者の奴は、 どうやって走したんだ?」

 「それは、 彼の仲間二人の犯行によるものだよ。 実は、 その二人のの一人が幻使いでね。 まんまと僕たちは、 騙されたわけだよ」

 「ふむ。 それなら仕方ないな」

 「でしょでしょ! いや~シュン君が理解ある人間でよかったよ!」

 「お前勘違いしていないか?」

 「ひょ?」

 「俺が仕方ないといったのは、 兵士たちが勇者たちを逃がしたことだ」

 「どういうこと?」

 「幻使いが仲間にいたとは知らない兵士達が奴ら逃してしまったことは仕方がない。 だがお前は違う。 なにせお前がもっとあいつらの事について調べていればこんなことにはならなかったんだからな」

 「面目次第もございません……」

 「あのシュン様。 とりあえずそこまでにしてくださいませんか? お父様も反省しているようですし……」

 クリスがそこまで言うなら仕方ない。

 「はあ~クリスに免じて今回のお前の失態は、 許してやる」

 「あ、 ありがとうシュン君!」

 「そう言えば勇者の仲間って三人いなかったか?」

 「そうだよ」

 「じゃあ殘りの一人は、 今何処にいるんだ?」

 「牢屋に繋がれているよ」

 

 まあそれも仕方ないことか。

 だがなぜ勇者の仲間は、 二人だけで勇者を走させようと企てたんだ?

 

 「なあ愚王。 一つお願いがあるんだがいいか?」

 「ま、 また愚王って......」

 「おい。 人の話を無視するな。 次無視したらお前の顔面に俺の拳がめり込むことになるぞ」

 「そ、 それだけは勘弁してよ!」

 「じゃあ俺のお願いきいてくれるよな?」

 「も、 もちろんだよ!」

 よし! 作戦功!

 

 「じゃあ俺は、 今から牢屋に行ってくるからエルザとクリスとラピスさんは、 そこの三馬鹿の看病を頼む」

 「お任せください!」

 「お三方のことは、 クリスにお任せください!」

 「行ってらっしゃいなのだ!」

 「あ、 そう言えばルビー」

 「なんですか俊さん」

 「お前の唾しもらうぞ。 だから口を開け」

 俺は、 そう言うとルビーの口の中に手を突っ込み唾を手にしつけると、 さっきエルザに吸われた場所へと塗った。

 「シュン様あの一何を……」

 「見てればわかる」

 ~數秒後~

 「き、 傷口が一瞬で治ってしまいました!」

 「もう俊さんったら無理やり私の口に突っ込むなんて。 でもそんな俊さんも素敵です!」

 「うるさい変態。 それじゃあ案頼むぞ愚王」

 「僕の名前は、 もう愚王で固定されたのね……まあそんなこと気にしても仕方ないよね!」

 こいつ結構ポジティブな格しているな。

 「それじゃあシュン君。 今から牢屋に案するからついてきてね!」

 「わかった」

 俺は、 王に引き連れられて勇者の仲間のいる牢屋へと向かった。

 牢屋は、 この城の地下にあるようだ。

 牢屋の中は、 薄暗くてジメジメしていてこんなところに長時間れられていたら誰でも気が狂いそうな場所だった。

 

 「さてここが勇者の仲間の一人。 魔法使いのアオイちゃんが収監されている牢屋だよ!」

 アオイ? もしかして俺と同じ日本人か?

 「あ、 あの。 み、 水をくださいませんか?」

 牢屋の中にいるは、 髪のがぼさぼさで前髪で目を隠してた。

 だがそんな事よりも俺は、 彼が鎖で四肢をつながれており、 首に変な紋様がついていることが気になった。

 「おい愚王。 牢屋の中にるってことは可能なのか?」

 「え? さすがにそれは……」

 「か・の・う・だ・よ・な?」

 「うん! 可能だよ! だからその不気味な笑顔を止めてくれないかな!」

 不気味とは、 失禮な。

 「それと水を一杯くれ」

 「わかったよ」

 俺は水をコップ一杯もらうと牢屋の中にっていった。

 「おい生きてるか?」

 「あ、 貴方は……」

 「俺の事を知っているのか?」

 「は、 はい。 あ、貴方は確か昨日犬君と戦っていた人ですよね?」

 「覚えてくれていたのか?」

 「は、 はい。 き、 昨日は、 犬君がごめんなさい......」

何この子! 超いい子じゃん! なんでこんな子があいつの仲間だったんだ?

 「あ、  忘れてたけどこれ水な」

 「み、 みず!」

 「そんなに焦らずともくれてやるから落ち著けよ」

 「ご、 ごめんなさい.....」

 

 は、 俺から水をけ取ると一気にそれを飲みほした。

 「ご馳走様でした……」

 「さてそれじゃあ俺の質問にし答えてくれないか?」

 「は、はい……」

 「それじゃあまず名前と年齢から教えてくれないか?」

 「名前は、 日向葵です……年齢は十六です……」

 ふむ。 やはり俺と同じでこちら側に呼ばれた存在のようだな。

 そう考えると他の勇者の仲間二人も多分同じだろう。

 「じゃあ次の質問。 お前と勇者の関係はなんなんだ?」

 「わ、 私とけ、 犬君はお、 馴染と言うやつです……」

 こんないい子が馴染なんてあの勇者まじで死ねばいいのに!

 

 「それじゃあ最後の質問だ。 なぜお前は勇者の走を手伝わなかったんだ?」

 「そ、それはけ、 犬君が悪いことをしたわけだし、  悪いことをしたら罰をけなくちゃいけないのは、 と、 當然のことだから……」

 

 どうやら噓をついている様子はないな。

 「質問に々答えてくれてありがとう。 それじゃあ俺はこれで...…」

 「あ、 あの! す、 し待ってください!」

 さっきまでおどおど話していたが急にはっきりと大きな聲で俺を呼び止めたことに、 俺はなからず驚いた。

 「どうかしたのか?」

 「ひ、 一つだけお願いがあるんです! 自分が投獄されるのも當然の存在であることは理解しています! それでも一つだけお願いがあるんです!」

 「言ってみろ」

 「け、 犬君のことを許してあげてください!」

 「へぇ。 俺は一応奴に一度殺されているんだけどな。 それを許すっていうのは、 し無理が有るんじゃないか?」

 俺は、 日向さんのことを睨みつけながらそう言った。

 「そ、 それでもお願いします! け、 犬君は本當はとってもいい人なんです! ただこの世界にきて強力な力を手にれて調子にのっていただけなんです!」

 

 俺は、 それを聞き目を細めた。

 「調子にのっていたとしても奴は、 俺の事を殺したんだぞ? そんな人間を俺は、 生かしておくつもりはない」

 「お、 お願いします! どうか犬君だけは殺さないで! 私のことを代わりにどう扱ってもいいからどうか犬君だけは……」

 「お前は、 あの勇者の事が好きなのか?」

 「ち、 違います!」

 「じゃあなぜそこまでするんだ?」

 「わ、 私が犬君の馴染だからです!」

 葵がそう言ったときに前髪で隠れた目が見えたのだが、  その時の葵の目、 覚悟を決めた人間がする顔だった。

 

 「ふ、 ふふふ……はははは!」

 俺は、 その答えを聞き睨みつけるのをやめ、 大きく笑った。

 「あ、 あの……」

 「ああ、 悪い悪い。  日向さんの答えがあまりにも面白かったものでね」

 「お、 面白いですか?」

 「ああ、 普通ただの馴染程度で命を懸けられるわけないだろ。 だが俺は、 そんな日向さんの答えを素敵だと思っただけだよ」

 「す、 素敵……」

 「ああ、 君はとっても魅力的な人だ。 それなのにあの勇者は、 気づかない。 ああ、 実に彼は、 愚かで、 稽だ」

 「あ、 あのそれで私のお願いですが……」

 「日向さんのお願いだけど俺は、 聞く気はないよ」

 「え、 そんな……」

 「だってそもそも俺は、 あいつのことを別になんとも思ってないんだよ。 だから許すとかそう言った概念がないんだから」

 「へ? でもさっきは……」

 「ああ、 あれは全部演技だよ。  日向さんが一どういう人間なのか知りたかっただけだ。 さっきは、 怖がらせて悪かったな。 そのお詫びに日向さんをここからだしてやるよ」

 「で、 でもどうやって……」

 「おい愚王!」

 「呼んだかいシュン君?」

 「一つ俺のお願いを聞いてくれないか?」

 「ま、 まさか……」

 「そうそのまさかだ。 日向さんをここから出してやれ」

 「さすがにそれは……」

 「へぇ。 俺はお前のせいで一度死んでんだけどな~それに対してお詫びの一つもないのかな~」

 「わ、 わかったよ! でも彼をだす時一つだけ條件がある!」

 「言ってみろ」

 「彼を君の奴隷にすることだよ!」

 日向さんを俺の奴隷にするだって?

 「へぇ。 いい度してるじゃないか」

 「お、 落ち著いてシュン君! 僕の話を最後まで聞いてから判斷してよ!」

 「わかった」

 「ふう。 それじゃあ理由を話すね。 まずなぜ彼を奴隷にしなくちゃいけないかと言うと彼には、 今奴隷紋っていうものが刻まれているんだよ」

 「奴隷紋?」

 「これはね。 犯罪を犯したものや借金を返済出來なかった人とかにつくんだけどこれを刻まれた人は、 一生奴隷の分から上がれないんだ。 そして奴隷には、 當然主がいる。 もし仮に主がいない奴隷なんていたら男の場合は殺され、 の場合は、 死ぬまで一生玩にされちゃうんだよ」

 この世界こういうところは、 シビアだな。

 「お前の言う話は、 分かった。 だが……」

 「あ、 あの私はその條件呑もうと思います......」

 「本當にいいのか? 俺なんかの奴隷になっても?」

 「は、 はい……貴方は、 け、 犬君のことを許してくれたから」

 「いやそれはさっきも言ったが......」

  「貴方は、 犬君の事を最初から許しているのは、 わかっています......それでも私は貴方に、 償いたいです......そして、 貴方の奴隷になることが私なりの償いの仕方なんです...…」

 「さてアオイちゃんは、 こういっているけどシュン君はどうするの?」

 「にここまで言わせて斷れるわけないだろ……」

 「了解。 それじゃあシュン君。 この首を一滴たらしてくれない?」

 「わかった」

 

 俺は自分の歯を使って指をし切り、 を指の上に垂らした。

 この切り方ってナ◯トが口寄◯のを使う時に使ってたからちょっとやってみたかったんだよね。

 まあやってみた想は、 痛かっただけだけど。

 「それじゃ、 今度はこの首をアオイちゃんに著けてあげて」

 「わかった」

 

 俺は、 首を持ったまま日向さんの前に立った。

 「それじゃあつけるな」

 「は、 はひ……」

 「張しすぎだろ......」

 「す、 すみません……」

 カチャリ

 「よしこれで終わりだ」

 「ご苦労様シュン君」

 「こ、 これからよろしくお願いしますご主人様……」

 「お願いだからご主人様だけはやめて!」

 「じ、 じゃあなんと呼べば……」

 「普通に俊でいいよ」

 「わ、 わかりました……そ、 それなら私の事も葵と呼んでください……」

 「わかった。 これからよろしくな葵」

 「こ、 こちらこそよろしくお願いします」

 「なあ愚王。 ついでにもう一つお願いあるんだけど……」

 「ま、 まだあるのかい...…」

 「なに今度は簡単な奴だよ。 ただ葵の髪を切ってほしいだけだよ」

 「なんだそんなことか! それぐらいなら構わないよ!」

 「え、 わ、 私は今のままでも……」

 「まあまあまあまあ」

 「ふ ふぇぇぇぇぇ……」

 葵はそんな可らしい悲鳴を上げたまま、 メイドたちに連れていかれた。

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