《異世界モンスターブリーダー ~ チートはあるけど、のんびり育しています ~》魔の配合をしてみよう
今晩の宿を見つけるため、宿を探し歩くこと1時間。
ついに俺は手頃な宿屋を見つけることに功する。
値段は一日二食付きで4000コル。
フワフワのベッドにシャワールーム付き……というわけにはいかなかったが、他の宿屋と比較をするとリーズナブルな価格であることは間違いないだろう。
何よりも個室に泊まることが出來るのが大きい。
他の冒険者と相部屋にされるのは、可能な限り避けたかったのでこの宿屋には非常に満足している。
「ゴブッ! ゴブッ!」
今現在。
俺は宿屋の將さんから買い取った食事と水をゴブリン&ウルフたちに與えている最中であった。
「ちょっと。ソータ。何なのよ。このボロっちい部屋は……他にもっとマシな宿屋はなかったわけ?」
ハムスターのように黒パンを齧りながらもアフロディーテが不満をらす。
「仕方がないだろ。金銭的な余裕がないんだから」
とはいえアフロディーテの気持ちは分からないでもない。
俺が借りたこの部屋は現代日本でいうところの六畳間くらいの広さであった。
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アフロディーテをカプセルボールの中から召喚すると、それだけでギュウギュウになってしまう。
「まあ、どちらにせよアタシはカプセルボールの中で寢ることになるから関係ないんだけどね!」
自由にボールの中に出りすることが出來るアフロディーテが羨ましい。
まあ、俺としてもアフロディーテがボールの中で寢泊まりしてくれるのは何かと都合がいいんだけどな。
余計な気を遣わないで済むし……。
何よりカプセルボールの中で寢泊まりさせれば1人分の宿代が浮く。
~~~~~~~~~~~~
さてさて。
寢床の確保に功したところ、気になっていた《魔配合》のスキルの検証作業を行うことにしますか。
システムメッセージ
(ベースとなる魔を選んで下さい)
→ ゴブリン
ウルフ
アフロディーテ
俺が《魔配合》という言葉を念じた次の瞬間。
ウィンドウ畫面にそんな文字が表示された。
おいおい。
アフロデイーテまで魔配合スキルの対象に含まれているのかよ……。
……試す気はないが、アフロディーテとゴブリンを配合すると、もの凄くブサイクな神さまが誕生したりするのだろうか?
誤って手をらせでもしたら大慘事になるな。
システムメッセージを読んだ俺は、選択肢を誤らないように細心の注意を払いながらもゴブリンの名前を選択することにした。
システムメッセージ
(素材となる魔を選んで下さい)
→ ゴブリン
ウルフ
アフロディーテ
お次は素材を選ぶ必要があるらしい。
ベースにはゴブリンを選択していたので、素材となる魔にはウルフを選択してみる。
システムメッセージ
(その組み合わせは進化先が存在しません)
ありゃりゃ。
どうやらゴブリンとウルフは、配合することが出來ないらしい。
殘念ながら、素材となる魔から選び直しのようである。
となると殘された選択肢は1つしかない。
ゴブリン+ゴブリンという組み合わせならどうだろう?
システムメッセージ
(下記の魔に進化が可能です。合しますか?)
→ はい
いいえ
ゴブリンエリート
図鑑NO 302
種族 鬼族
等級 F
レベル 1
生命力 30
筋力値 35
魔力値 20
神力 10
スキル
なし
進化條件
ゴブリン×ゴブリン
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鬼族の下位種族となるモンスター。
ゴブリンと比較をすると一回りが大きくなっている。
育て方次第で、多様な進化の可能をめている。
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おお!
どうやらゴブリンとゴブリンを配合すると、ゴブリンエリートに進化が可能なようである。
通常のゴブリンと比較すると、ステータスが全的に大幅に向上している。
どうする?
ここは進化させるべきなのか?
暫く考えた後、俺はゴブリンを進化させることを決意した。
今回の冒険では、ゴブリンが他の魔に倒されてしまうことがあった。
俺として配下となる魔の強化は、可能な限り早い段階でクリアしておきたかった課題の1つなのだ。
最大で56匹までしか使役することができない枠の問題もある。
今後のことを考えると配合を繰り返して枠を開けていくのが、賢い選択というものだろう。
それから20分後。
総勢42匹のゴブリンは10匹のゴブリンナイトと1匹のゴブリンエリートに生まれ変わることになる。
ゴブリンナイト
図鑑NO 302
種族 鬼族
等級 E
レベル 1
生命力 60
筋力値 85
魔力値 40
神力 30
スキル
なし
進化條件
ゴブリンエリート×ゴブリンエリート
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
鬼族の下位種族となるモンスター。
様々な種類の裝備をに付けることを可能にしている。
育て方次第で、多様な進化の可能をめている。
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
ゴブリンナイトというのは、ゴブリンエリート×ゴブリンエリートの組み合わせで生み出すことが出來るモンスターであった。
ちなみにゴブリンナイト×ゴブリンナイトというパターンも検証してみたのだが――。
この組み合わせでは、進化先の魔を見つけることができなかった。
ゴブリンナイトの進化方法に関しては追々、探っていくことにしよう。
ふふふ。
明日からは宜しく頼むぜ! 俺の相棒!
魔の強化を無事に終わらせた俺は、ゴロンと床に橫になり心地の良い微睡の中に落ちていくのであった。
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