《異世界モンスターブリーダー ~ チートはあるけど、のんびり育しています ~》意外な使い道

鬼の、キャロライナ・バートンと契約してから更に3時間の時が過ぎた。

結論から言うと醫薬草の採取は昨日以上の果を上げている。

ハッキリと計算したわけではないのだが、個數にすると100個以上の數が集まっているのではないだろうか?

しかし、ここに來て新しい課題が発生している。

それは時間の経過と共に、醫薬草の採取のペースが明らかに落ちているということであった。

最初は働いている魔たちが疲れているだけなのかと思ったのだが、今回の収穫ペースの減はそれだけでは説明できない。

ここから導き出される結論は1つ。

どうやら俺は、前回の採取と合わせて森に生えている《醫薬草》の大部分を取り盡してしまったらしい。

「これ以上は作業していても無駄だな。今日のところは引き上げて明日からは新しい金策手段を探さないと」

ちなみに満を持して投されたウルフたちであったが、どうやら彼らに関しては醫薬草の採取に向かない魔であるらしい。

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ゴブリンと比較をして知能が低いことが災いしたのだろう。

どうやらウルフたちに植の判別能力はないらしく持ってくるのは何の変哲もないただの雑草ばかりであった。

「ふふふ! どうやらアタシの出番がきたようね!」

さて。

ここから一どうやって山積みになっている醫薬草を街まで運ぼうか? と、考えている俺に向けてアフロディーテが聲を上げる。

「まったくもう……。ソータはアタシがいないと何も出來ないんだから。ソータがどうしてもって頭を下げるなら……今日もアタシが荷持ちを手伝ってあげないこともないわよ?」

「…………」

ウ、ウゼェ……。

たしかに今回採取した醫薬草を俺1人で運んでいては日が暮れてしまう。

俺&アフロディーテ&ゴブリンナイト2匹でギリギリ運び切れるか?

というじの量である。

2匹を超える魔を引き連れて街を歩くのは、人目に付いてしまうので避けたいところであった。

「ほらほら! どうしたの? 『お願いします。アフロディーテ様! プリプリプリチーなアフロディーテ様! 超絶ゴッド人のアフロディーテ様!』と、地面に頭をり付けながら咽び泣くなら、特別に考えてあげないこともないわよ?」

頭を下げるくらいなら安いものだが、アフロディーテを更に調子に乗らせてしまうような気がして腹立たしい。

何か策はないだろうか?

頭の中で様々な策を巡らせていると、俺の頭の中に1つのアイデアが浮かぶ。

「……いや。待てよ?」

絶対支配 等級 詳細不明

(森羅萬象を支配する資格を持った者に與えられる加護)

そこで俺が思い出したのは《絶対支配》の加護である。

説明によれば全ての対象を支配することが出來ると書いてある。

ならば魔だけではなく、アイテムもボールの中に収納することが出來るのではないだろうか?

現にアフロディーテが持っていた枕、雑貨店で購した布などはボールの中にれることができた。

大切なのはイメージである。

俺は地面に山積みになっている醫薬草に向かって、現化したカプセルボールを押し當ててみる。

すると、どうだろう。

カプセルボールは眩いを発して、高能の掃除機のような勢いでアイテムを吸い込んで行く。

どうやら醫薬草のようなアイテムは、枠の制限には引っ掛からないらしい。

100個以上あった醫薬草は、結果として全てカプセルボールの中に納められることになった。

「ふぎゃぁぁぁ!?!? なんで! どうして!?」

まさか荷持ちという數ない仕事を奪われるとは思わなかったのだろう。

先程までの上から目線の態度から一転。

アフロディーテはかなり揺しているようであった。

「……ね、ねえソータ。ちなみにさっきのアタシの言葉は全て冗談だからね?」

「分かっているよ。ディーのような優しいの子が人の弱みに付け込んで調子に乗ったりするはずないもんな」

冗談めかして皮を言うと、アフロディーテは涙目になる。

「う、うん。分かっているならいいのよ。し見ない間にソータも長したみたいで心したわ」

「ハハッ。この調子で長していけば、ディーの仕事がますます無くなっていくかもしれないな」

更に皮を言うと、アフロディーテはヘナヘナに腰を下ろして俺の著する。

「ご、ごめんなしゃい。調子に乗りましたぁ……」

「……そうか。分かったよ」

「だからソータ。お願いだからアタシのことを捨てないでぇ……。今度からは真剣に仕事を手伝うことにするからぁ……」

「分かったから……そんなに引っ付くな!」

俺が思っている以上にアフロディーテのショックは大きかったのかもしれない。

その後。

アフロディーテが泣き止むまで暫く時間がかかった。

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