《異世界モンスターブリーダー ~ チートはあるけど、のんびり育しています ~》作業分擔

「……悪いな。キャロライナに渡す予定だった食糧は奪われちまったみたいだ」

「いえ。お気になさらずに。それよりご主人さま。何処かお怪我はございませんか?」

「ああ。なんとかな」

強いて言うなら最初の炎を避けたとき、掠り傷が出來たがこれくらいの傷ならば放っておいても治るだろう。

「いいえ。ご主人さまの腕からは、まだ新しいの臭いがします。おそらく左腕の辺りをりむいたのではないでしょうか? よろしければ傷の手當をさせて頂けませんか?」

「……參ったな。キャロには何でもお見通しだな」

俺が服の袖を捲って傷口を見せると、キャロライナは包帯代わりにハンカチを破って応急手當を施してくれた。

「大したことではありませんよ。吸鬼は代々、の臭いに敏なのです」

キャロライナの言葉を聞いた俺は、そこで一つのアイデアを閃くことになる。

「なあ。キャロ。の臭いに敏ならさっきコカトリスに取られたウルフの臭いを辿ることも出來ないのか?」

「……そうですね。臭いは完全に覚えていますし、不可能ではないと思いますよ。新鮮なの臭いなら、200メートル離れたところからでも嗅ぎ分けることが出來ると思います」

今回の依頼で俺が最も懸念していたのは、どうやってターゲットとなるコカトリスを発見するかということであった。

ターゲットの位置報についての手掛かりを得ることが出來れば、コカトリス討伐にグッと近づいたのは間違いないだろう。

「ありがとう。やっぱりキャロを仲間にしたのは正解だったなぁ」

この時點で俺は、コカトリスを倒す作戦について大まかなビジョンを描くことに功していた。

けれども。

今回の作戦を功させるにはもう1人、どうしても協力を仰がなければならない人がいた。

「あ~あ。どっかの神さまもキャロくらい役に立ってくれれば良かったのに」

俺は溜息を吐きながらも、アフロディーテを挑発するような言葉を口にする。

「はぁ!? ちょっとソータ! 今の言葉は聞き捨てならないわよ!」

バカにするような言い方が癪に障ったのだろう。

アフロディーテは、たわわに実った二つのを揺らしながらも反論する。

「アタシに仕事を振りなさいよぉ! アタシだって、ソータの役に立てるってところを見せてあげるんだからねっ!」

「うーん。やってしい仕事はあるんだけど……。でもなぁ、こんな危険な仕事……とてもじゃないけどの子には任せられないよ」

「フフン。見くびらないで貰えるかしら? 地上に降りて力を失ったとは言ってもアタシは神なのよ? ソータのためならアタシ、何だってやってあげるわよ!」

「よし、本當に何でもやってくれるんだな。言質は取ったぞ?」

「……はい?」

さてと。

アフロディーテの了解も得たことだし、これで必要なカードの1枚は確保することができた。

後はコカトリスの居場所を突き止めれば、奴を倒す準備は完了する。

「なあ。シエル。ちょっと作ってしいものがあるんだけど、頼まれてくれるか?」

「あ、はい。自分に出來ることがあるなら何なりと」

頭の中でコカトリスを倒す算段を練りながらも俺は、憎き鳥竜にリベンジを誓うのであった。

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