《異世界モンスターブリーダー ~ チートはあるけど、のんびり育しています ~》キャロライナとデート(後編)
キャロライナと一緒にセイントベルの街の本屋にやってきた。
冒険者ギルドを挾んで、以前に訪れた魔法道店とは反対の位置に建てられたこの店はセイントベルの中では1番大きな書店らしい。
イセリカ・ヒューネック
別 :男
年齢 :28
「いらっしゃいませ。ギルド公認魔道書店にようこそ」
店の中に足を踏みれると、1人の男店員が俺たちのことを出迎える。
口からはみだした大きな前歯が特徴的な人であった。
うおっ。
この人たしか……何処かで會ったような……。
「すいません……。つかぬことを聞きますが……もしかして魔法道店の店員さんとはお知り合いで?」
「おお! 兄と知り合いの方でしたか。はい。スネリカは私の兄にございます。私共は兄弟揃って商人をやっているのです」
嫌な予がする。
魔道道店の店員であったスネリカさんは……言っちゃ悪いが全く信用できない人であった。
あの日は詐欺まがいの値段で高額の商品を押し付けられて散々な目に遭わされたからな。
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「あの。この店には珍しい魔道書が置かれていると聞いて來たんですが……」
「ほう……。魔道書をお求めで……」
俺が『魔道書』という単語を口にすると、イセリカさんは俺の外見を値踏みするかのように眺め回す。
「お客さまは冒険者のお方で? 申し訳ありませんが、當店の魔道書はどれも非常に高価な品ですので……庶民の方には見せることすら出來ないのですよ」
「そ、そうだったのですか」
言い方にはし思うところがあるが、そういう事があるのであれば仕方あるまい。
珍しい魔道書があれば、キャロライナも満足してくれるのではないかと期待していたんだけどな。
「……人間。誰に対して口を聞いている。あまり図にのるなよ」
「ヒィッ!?」
がヒリヒリとするような凄まじい殺気がしたかと思うと、いつの間にかキャロライナがイセリカさんの首筋に向かってナイフを突きつけていた。
「キャロ!? お前は一何をしているんだ!?」
「これは失禮しました。この人間がご主人さまに対してあまりに無禮なことを言うので舌を切り落とそうと考えていました」
「…………」
キャロライナはさもそれが當然といったじで言ってのける。
こ、これはギャグで言っているのだろうか?
本気で言っているのだとしたらキャロライナの忠誠心は病的なレベルである。
「キャロ。下がっていてくれ」
「了解しました。ご主人さまがまれるのであれば……」
意外!
やっていることは滅茶苦茶だけど俺の言うことは素直に聞いてくれるのな。
しかし、まずいことになった。
命を助けられたことによりキャロライナが俺に過剰な忠誠心を抱いていることは知ってのことであったが……他人にそれを説明したところで理解を得ることができるとは思えない。
「す、すいません。ウチのメイドはこのところ……中二病気味でして……」
「…………」
う~ん。
我ながら言い訳に無理があったかな?
最初は唖然としていたイセリカさんだったが、徐々に顔を赤くしていくのが分かった。
「ウグッ。な、なんという無禮な客だ!」
で、ですよねー。
今回に限って言うと完全にこちらが悪い。
誰だって初対面の人間にナイフを突きつけられたら怯えるか、怒るかの二択だろう。
「本來であればお前たちの柄を王國の騎士団に引き渡していやりたいところだが……暴力事件が落ちたと分かれば店の評判も落ちてしまうからな。失せろ。二度と店の敷居をがないと誓うのであれば見逃してやる」
それだけ言い殘すと、イセリカさんは店の奧に引っ込んでいく。
俺たちはただ本を買いにきただけなのに……。
どうしてこんな生臭い展開になってしまったのだろうか。
~~~~~~~~~~~~
イセリカさんに店を追い出された俺たちは、セイントベルの中で2番目に大きな書店にやってきた。
「う~ん。流石に2番手ともなると置かれている本の種類は格段に減っていそうだな」
新しく訪れた店は、イセリカさんが働いている魔導書店とは比べものにならないほどこじんまりとしていた。
「問題ありません。書は量ではなく質ですから。あのようなご主人さまを愚弄する無禮者が働いている店に足を運ぶことはありません」
「そうか。なら良かったんだけど。何か良い本があったら言ってくれ。お金がった時にまとめて買うからさ」
「了解しました」
「…………」
短く返事を返すとキャロライナは一心不に店の本に目を通していた。
その容は薬草學・醫學書などの俺には分からない難しいものばかりである。
「はぁ……」
手にした本を棚に戻すとキャロライナは小さく溜息を吐く。
(所詮、人間が書く書の容などこの程度なのですね……。元からあまり期待していなかったのですが……ここ百年の間に人間の書く書のレベルも落ちたものです)
よっぽど不満が溜まっているのか心の聲がれている。
コンタクトのスキルを取得してからというもの時々こうして、契約した人間の心の聲を聞き取ることが出來るようになっていた。
「この店に置かれている本では満足できないのか?」
「あ! いえ! そういうわけでは!?」
聲をかけるとキャロライナはしどろもどろになる。
「正直に言ってくれよ」
「……まいりました。ご主人さまには何でもお見通しなのですね。たしかにこの店に置かれている書のレベルが低いと思ってしまったのは事実です。
私たち魔族は長壽の種族ですから……もうし専門的な部分に踏み込んだ容のものでないと満足できないのです」
「分かった。本についてはまた別の機會に探すことにするよ。近いに他の街にまで足を運んでみよう」
「……いえ!? しかし!? 私ごときの趣味のためにそこまでして頂くわけには」
「いやいや。何を言っているんだよ? キャロライナには何時もお世話になっているし。これくらいの手間は問題ないよ」
「…………はうッ」
「おい! 大丈夫か!?」
キャロライナがフラリと地面に倒れそうになったので素早く抱きかかえる。
「申し訳ありません。ご主人さまの言葉が嬉し過ぎて立ち眩みを……。私にとってはその言葉だけで……十分にございます」
俺にを支えられたキャロライナは、どういうわけか幸せそうな表を浮かべるのであった。
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