《異世界モンスターブリーダー ~ チートはあるけど、のんびり育しています ~》4人目の仲間

それから。

裏切りものの勇者――ガルド・ウェストバーグを懲らしめた俺は改めて今後のことについて考えていた。

「ククク。久しぶりに面白いものが見れたのう」

一連の様子を目の當たりにしていたユウコは上機嫌に口を開く。

「カゼハヤ・ソータと言ったか。人間にしてはなかなか見事な手際だったぞ。褒めて遣わそうではないか」

「ああ。そりゃどうも」

相変わらずの上から目線が気になるが……。

ここは彼なりに俺のことを認めてくれたのだと考えて素直に喜ぶことにしよう。

「……ユウコ。我が主に向かってなんという無禮な口の訊き方をするのですか」

「んぎゃぁぁぁぁ! ごめんのじゃ! ごめんなさいのじゃ!」

キャロライナに耳を引っ張られたユウコは涙目になりながらも絶していた。

さて。

これからどうしたものか。

俺が不安に思っているのはズバリ……他ならないユウコのことである。

このまま彼のことを放置しておくのは非常にまずい。

今回の敵はなんとなったが……いつか本當に強い『魔族狩り』が現れるかもしれないからな。

街の人たちにとっても魔族が近くに住んでいるのは、々と不安な面があるだろう。

「なあ。ユウコ。お前……この屋敷の外に出てみる気はないか?」

「どうしたのじゃ。急に」

「もう冒険者たちの間でお前の存在は有名になっているみたいだし……この屋敷の中にいるのも危険だろ? そろそろ引っ越しとかを考えた方がいいんじゃないか?」

「……愚問じゃな。仮にこの屋敷の中から出ても同じことよ。妾たち魔族は常に人間たちに命を狙われる立場にあるからのう」

ユウコの言うことは尤もである。

住んでいる場所を変えたところでガルドたちのような連中がいる限り、ユウコに平穏が訪れることはない。

普通に考えればそうだろう。

「実は俺……ユウコが生活するのにうってつけのスポットを知っているんだよ。そこにいれば絶対に安全だし、この屋敷よりも広くて快適な場所があるんだ」

「ほう……。それは興味深いのう」

食いついてきた。

やはりユウコとしても安全な場所があるのならば生活拠點を移すのは吝かではないようである。

「そんな理想的な場所があるのであれば是非とも見せてしいものじゃ。

もっとも500年の時を生きてきた妾に言わせてみれば……そんな場所は存在しないと斷言できるがのう」

「大丈夫。俺の言うことを信じてくれ。ユウコ。ちょっと、そこで背を向けて立ってくれるか? 直ぐに安住の地を見せてやるからさ」

「ふむふむ。こんなじかのう?」

「ああ。そうそう。良いじだ。んじゃ、遠慮なく」

俺はカプセルボールをユウコの無防備な背中に向けて投げる。

以前に投げた時は命中しなかったが、人間モードのなったユウコからはキチンと接判定を得られるようであった。

「なっ!? これは一……なんなんなのじゃっ!?」

カプセルボールは突如として眩いばかりに発して、ユウコのを吸い込んでい行く。

結果。

何時の間にやらユウコのは、すっかりと小さなカプセルボールの中にることになった。

「「「…………」」」

途中からこうなることを予想していたのか、アフロディーテ&キャロライナ&シエルの3人は俺たちのやり取りを生暖かい目で見つめていた。

これにて一件落著。

街の住人たちは魔族の存在に怯えなくて済むし、ユウコは新しい家を手にれることが出來た。

俺としても新しいハーレム候補をメンバーに加えることが出來て文句なしである。

これこそが……みんながハッピーになれるWIN-WINな結末ってやつだろう。

「出せ! 出すのじゃ! お、おのれ人間め! 妾のことを謀ったな!」

ボールの中のユウコがドンドンと壁を叩いて抗議しているような気がしたが、俺は聞こえないフリをした。

レイスの……ゲットだぜ!

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