《異世界モンスターブリーダー ~ チートはあるけど、のんびり育しています ~》飛竜の山脈

目的地である『飛竜の山脈』に到著した。

セイントベルの街から『飛竜の山脈』まで徒歩だと半日ほど時間がかかるということだったので今回は馬の替わりにロックタートルというモンスターを利用した『亀車』という乗りを使用することにした。

時速は40キロくらい出ているだろうか。

思っていたよりも揺れはなく旅そのものは快適なものであった。

しかし、問題なのは乗車料金である。

値段は驚きの5萬コル。

往復で考えると10萬コルの費用が発生してしまっている。

俺たちが探索している間は、運転手さんを待たせてしまって1日拘束することになる。

目的地に到著するまでにモンスターに襲撃されたりするリスクを考えると、これくらい取らないと商売にならないんだろうな。

なんとしてもこれは……格好いいドラゴンをゲットして帰らないと割に合わない。

「おお。ここが飛竜の山脈か!」

が剝き出しになった山の頂上からは白煙が上がっている。

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ちなみにこの飛竜の山脈というエリアは、10年に1度くらいの頻度で噴火を繰り返す活火山らしい。

日本にいた頃はここまで元気な火山を見たことがなかったので慨深いものがある。

「うっふ~ん。『火妖』に著替えてみたのだけど……どうかしら?」

「……ああ。ま、まぁそれなりに似合っているんじゃないか?」

「ぷくくく。何々? その初々しい反応は? ソータにはアタシの魅のボディは刺激が強すぎたのかしら」

「…………」

畜生!

あながち間違いでないから余計に悔しい。

どうやら男を骨抜きにする悩殺ボディを持ったアフロディーテに『火妖』は鬼に金棒だったらしい。

どう考えても今から火山に行こうという格好ではない。

ただでさえ目のやり場に困る巨が余計に強調されてしまっている。

「新しい防を與えて頂きありがとうございます。大切に使わせてもらいますね」

「うぅぅ……。よく見るとこの格好……ソータさんに見せるのは恥ずかしいッスね」

ボールの中からキャロライナ・シエルを召喚すると、2人も同じように『火妖』を纏っていた。

それぞれジャケットやズボンをに付けたりして出度を減らしているが、やはり冒険者としてはセクシー過ぎる格好だと思う。

「ソータ! 早く行きましょう。考えてみたらアタシもドラゴンって見たことがなかったのよね。どんな奴らなのか楽しみだわ」

「ああ。今いくよ」

先行して歩くアフロディーテのプリプリのケツを追いながらも登山を開始する。

落ち著こう。

今日に限っては3人の姿に見惚れている時間はない。

なんといっても今回の遠征は、日沒までに山まで戻ってこれないと、亀車のキャンセル料が発生する上に徒歩で街まで帰る必要があるからな。

手段の都合上タイムリミットが存在しているのである。

~~~~~~~~~~~~

それから。

1時間ほど山を登っただろうか。

「ソータ! ドラゴンよ! ドラゴンがいるわ!」

暫くすると前を歩くアフロディーテが弾んだ聲を上げる。

マジでか!?

いよいよ夢にまで見たドラゴンと対面か!

西洋竜タイプかなー。東洋竜タイプかなー。

俺としては前者の方が好みなんだけど、を言うと、どっちもゲットしたいぜ!

リザードマン LV1/15 等級E

生命力 85

筋力値 60

魔力値 40

神力 30

スキル

火屬魔法(初級)

「どこがドラゴンだよ!?」

久しぶりに全力でツッコミをれてしまった。

ドラゴンに會えると思って小走りで確認しにきたのにガッカリが半端ない!

「えっ。どこからどう見てもドラゴンでしょ? 何か違うのかしら?」

「全然ちげーよ! どこにドラゴン要素があるのか逆に聞きたいんだが?」

「顔とか?」

「……た、たしかに顔だけ見るとドラゴンっぽいけどさ」

ぐぬぬぬっ。

どうして俺が論破されたみたいな空気になっているのだろう。

アフロディーテの言う通りリザードマンは首から上だけ見るとドラゴンに見えないことはないのだが……。

認めない!

斷じて俺はドラゴンとして認めないからな!

リザードマンの爬蟲類特有のクリクリとした円らな瞳がなんだか今は無に腹立たしい。

「「「クポォォォッ!」」」

俺たちの存在に気付いた3匹のリザードマンは奇聲を上げながらも駆け寄ってくる。

その長は1メートルと50センチくらいはあるだろうか。

2足歩行で武を持ったリザードマンは、遠目に見ると人間の近い容姿をしていた。

「それなら!」

リザードマンの等級はE!

こっらにも同じように等級Eの人型モンスターがいるんだよ!

「「「ゴブゥゥゥッ!」」」

そこで俺が召喚したのは3匹のゴブリンナイトであった。

シエルの作った特製アイアンメイスを裝備したゴブリンナイトたちは歴戦の猛者たる雰囲気を持っている。

「いけ! ゴブリンたち!」

俺が命令を飛ばした次の瞬間。

3匹のゴブリンナイトたちは、手にしたブロンズメイスを振りかざして呆気なくリザードマンたちの意識を奪う。

えっ。

これで終わり?

いやいや。

たしかにリザードマンの裝備は単なる木の枝だったから、ゴブリンナイトが有利な展開になることは予想していたけどさ。

いくら何でも簡単に倒し過ぎじゃないか?

気になった俺はゴブリンナイトのステータスを確認してみる。

ゴブリンナイト LV12/15 等級E

生命力 96

筋力値 131

魔力値 64

神力 45

な、なんかレベルが上がっている――!?

直後は1だったはずのゴブリンナイトのレベルは、知らない間に10を超えるまでに長していた。

「そこのお前。誰かそんな甘い打ち込みを教えましたか? ボールの中に戻ったら……覚えていて下さいね」

「ゴブッ!?」

キャロライナに睨まれた1匹のゴブリンナイトはブルブルと肩を震わせていた。

そうか!

ゴブリンナイトのレベルが飛躍的にアップしていたはキャロライナのトレーニングの果か。

以前に俺は作のスキルでボールの中の様子を見に行った時、キャロライナがゴブリンたちと鍛えている景を目の當たりにした。

ぐぬぬぬっ。

キャロライナからお仕置きしてもらえるとは羨ましいやつである。

●使役魔データ

リザードマン

図鑑NO 51

種族 竜人族

等級 E

レベル 1

生命力 85

筋力値 60

魔力値 40

神力 30

スキル

火屬魔法(初級)

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竜人族の基本種族となるモンスター。

個々の戦闘能力は低いが、高い知能を持っている。

育て方次第で、多様な進化の可能めている。

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