《異世界モンスターブリーダー ~ チートはあるけど、のんびり育しています ~》VS 黒の剣士
「レミス。忠告をしておきます。今直ぐ城を捨てて、どこかに逃げなさい」
異変の中で最初に口を開いたのはキャロライナであった。
「この城は人魚族にとっての最後の砦。魔族狩りに明け渡すようなことはできません」
「戦うというのですか?」
「當然です。わたくしたち人魚族は、今までも、そしてこれからも……ずっとそうしてきましたから」
レミスさんの気持ちは分かる。
この人魚城は1000年以上の歴史ある建築。
いわば人魚族がこれまで生きてきた軌跡とも呼べるものなのだろう。
「ハッキリ言います。殘念ですが、貴方たちの力ではどう足掻いたところでクロウに太刀打ちすることはできません」
「なぁ。もしかしてキャロはそのクロウっていうやつに関して何か知っているのか?」
キャロライナがここまで他人を警戒するのは珍しい。
もしかしてクロウは魔族の間でも有名なやつなのだろうか。
「ええ。私は以前に1度、彼と戦い敗北していますから」
「――――ッ!?」
噓……だろ……?
キャロライナが過去にクロウと戦った経験があるという報にも驚いたが、それ以上に驚いたのは敗北を喫していたということである。
今更言うまでもなく、キャロライナの戦闘能力は魔族の中でもトップクラスである。
いくらチート職業の勇者を與えられたかと言って人間如きに後れを取るとは思えない。
「それは何時のことなんだ……?」
「つい最近……ご主人さまと出會う前のことですよ。それまで私は魔族の集落で細々と暮らしていたのですが、たった1人の魔族狩り――クロウの襲撃によってその集落は崩壊しました」
「もしかして……キャロが奴隷商人に売り飛ばされそうになっていたのって……?」
「お察しの通り。クロウに敗北したことが原因です」
知らなかった。
たしかに前々から疑問に思っていたことではあったんだよな。
キャロライナほどの魔族がどうして奴隷商人に捕らえられていたのかって。
けれども、これでハッキリした。
クロウと戦うのは非常にヤバい。
たった1人の力で、キャロライナを含めた複數の魔族を打ち破ったクロウの実力は底が知れない。
「相手が悪過ぎます。ここは引きましょう」
「いいえ。どんなに相手が強くても、わたくしの気持ちは変わりません。どちらにせよ人魚城を失うことになれば、わたくしも、その眷屬たちも行き場を失うことになるのですから」
「…………」
レミスさんの意思は固そうであった。
どうする。
どうすればいい?
このまま普通に戦っても敗北は濃厚だろう。
いくら海の中で地の利があると言っても、相手はキャロライナすら圧倒するチート勇者である。
いや、違うな。
クロウに勝てるかもしれない要素が1つだけあった。
――俺がいる!
正面から戦っても勝ち目はないかもしれないが、こちらには一撃必殺の神スキル《カプセルボール》がある。
チート合ではクロウの戦闘能力にだって勝らずとも劣らないだろう。
「分かりました。なら俺がクロウを倒しますよ」
そこで俺はスキルレンタルにより、筋力値上昇(大)のスキルを選択。
手足を拘束している鎖を々に破壊すると、ゆっくりベッドが起き上がった。
「信じられません! その鎖は特別製で上級魔族ですら壊すのが難しいのですよ……!?」
期待通りのリアクションをありがとう!
こうまで模範的な持ち上げ方をされると逆に照れ臭くなってくるぜ。
「……ご主人さま。自力で壊せるのであれば、どうしてレミスの仕掛けから逃げなかったのですか?」
ふふふ。
勘の良いメイドは嫌いだよ。
ジド目でツッコミをれるキャロライナのせいで、せっかくの格好いい見せ場が臺無しである。
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