《異世界モンスターブリーダー ~ チートはあるけど、のんびり育しています ~》復活!? 魔王城
異世界に召喚されてからどれくらいの月日が流れただろうか。
俺ことカゼハヤ・ソータは相も変わらず異世界で、まったり&ゆっくりした生活を過ごしていた。
「ほわ~。本當に今日はお月様が綺麗ッスね~」
俺たちが何をやっているのかというと『お月見』である。
耳を澄ませば秋蟲たちの演奏が聞こえてきて、空には見事な満月が浮かんでいた。
本日は異世界アーテルハイドにおいて年に1度の月見日和ということらしい。
「月が近くに見えるッス! このままジャンプすれば手が屆きそうッスね!」
足のまま庭に出て無邪気に走り回るの名前はシエル・オーテルロッド。
長150センチほどの小柄な軀のシエルは、マスコット的な可さを有している。
「ご主人さま。お茶がりました」
「おう。サンキューな。キャロ」
気を利かせて溫かいお茶を出してくれたの名前はキャロライナ・バートン。
銀髪赤眼でスラリとしたスタイルのキャロライナからは妖艶な気が漂っている。
Advertisement
吸鬼という特殊な種族に生まれたキャロライナは、この外見で年齢が既に300歳を超えているというのだから驚きである。
「月が綺麗ですね」
「本當だなー」
キャロライナと2人でお茶を飲みながらも月を見上げる。
異世界から見える月は地球の月と比べると、しだけ赤が強く、サイズも大きめである。
可いの子たちと見る月っていうのも風があって良いよなぁ。
「ちょっと! ソータ! 最近、たるみ過ぎよ!」
縁側でくつろいでいる俺とキャロライナを目の當たりにしてプリプリと怒り出すの名前はアフロディーテ。
もともとは地球と異世界を繋ぐナビケーターの仕事をしていた神さまである。
金髪碧眼でスタイル抜群のアフロディーテは、の神を自稱するだけのことはあって非の打ちどころのない容姿をしている。
羽の隙間からチラチラと覗く2つのは零れ落ちんばかりに大きく、どうしても視線が導されてしまう。
「モシャ……こんなことでは……モシャ……魔王を討伐して元の世界に帰るなんて夢のまた夢よ……!」
呑気に団子を食べている奴にだけは言われたくないが、アフロディーテの言葉にも一理ある。
俺たちが異世界に送り込まれた理由は、『この世界にいずれ復活するであろう魔王を倒すため』だった。
けれども、待てども待てども肝心の『魔王』とやらが復活する様子はない。
何時しか俺は自分が異世界に召喚された理由も忘れて、すっかりとこの世界での生活を満喫するようになっていた。
「なんか最近、俺、このままこっちの世界で暮らすのも悪くないんじゃないかって思い始めてきたんだよなぁ」
今となっては黒歴史となりつつあるのだが、異世界に召喚された頃の俺の目標は、『たちをゲットして地球にお持ち帰りしてやる!』だった。
こんなジャンクフードも、エアコンもない世界に長期滯在するつもりはない! と意気込んでいた。
けれども、TS屬の萬能メイドのロストの加によって食料事の大幅改善――。
天候を自在にる能力を持ったレミスさんの加によって部屋の中は、クーラーいらずとなった
この世界での生活がかになるごとに、俺の中の元の世界に帰る理由が減の一途をたどっていたのである。
「大その、魔王っていうのは何時になったら復活するんだよ?」
「うぐ。それはその……」
俺が追及するとアフロディーテはしどろもどろになる。
そらみたことか。
アフロディーテだって肝心の魔王が何時復活するのか分かっていないんじゃないか。
好き勝手に地球人を異世界に送り込んでおきながら……無責任な神である。
「俺、魔王が出てきたら本気出すから。魔王が復活したら起こしてくれ」
ゴロンと縁側に寢転がった俺は、床の冷たさを全にけながらもうつ伏せになる。
ふふふ。
これで當面の間は口煩い神さまを黙らせてやることが出來るに違いない。
ラスボス不在の世界なんだから好き勝手に生きても罰は當たらないだろう。
「アフロディーテさん~。ロストさんが追加のお団子を作ってくれたみたいですよ~」
屋敷の奧から、のんびりとした癒し系ボイスが聞こえてくる。
大皿に乗せた月見団子を運んでいるの名前は、レミス・リトルフォールド。
外見的には中學生子に見えないレミスさんだが、神年齢が異様に高く、一緒に生活するようになってからは、すっかり俺たちの『お母さん役』としてのポジションを確立していた。
「えっ! ほんと!? 今行くわ~!」
「ふふふ。そんなに急がなくても~。お団子は逃げませんよ~」
果たして俺たちの中で一番『たるんでいる』のは一誰なんだろうな。
食い意地を張ったアフロディーテはレミスさんのところに走っていく。
「ご主人さま。ご主人さまは食べに行かれないのですか?」
「ん。ああ。のんびりしていたら気持ち良くなっていたから暫くゴロゴロしているよ」
「……了解しました。何かあれば気軽に呼びつけて下さい」
「キャロは食べに行かないのか?」
「はい。こうしてご主人さまの傍にいられることが私にとっての何よりの幸せですから」
「…………」
キャロライナは時々こういう恥ずかしいことを真顔で言ってくるから困る。
まったく……こういう風に甘やかされちまうから『魔王を倒して元の世界に帰る』なんていう気が日に日に薄れていくのだろう。
日常の中の何気ない幸せを噛み締めた俺の意識は、やがて心地の良い微睡の中に落ちていく。
~~~~~~~~~~~~
ゆらゆら。
ゆらゆら。ゆらゆら。
誰だろう。
誰かが俺のを揺すっている。
「ちょっ。ソータさん起きて! 起きて下さい!」
目を開けると、そこにいたのは見慣れた作業著にを包んだシエルの姿であった。
どういうわけかシエルの表は蒼白で、一目で揺していることが分かった。
「……ご主人さま。どうやら大変なことになったみたいです」
揺していたのはシエルだけではない。
隣にいたキャロライナまでもが不安そうな聲を零していた。
「何が大変なんだ? どっかの神さまが団子を食べ過ぎてお腹を壊したのか?」
「寢ぼけているんスか!? 冗談言っている場合じゃないッスよ!」
違うのか。
月見の最中に起こるトラブルとしては、それくらいしか想像できなかったんだよな。
「魔王がっ! 魔王が! 復活したみたいなんス~!」
ハハハン。俺は嬉しいぞ。
冗談を言っているのはどっちだよ!
たしかに俺は『魔王が復活したら起こしてくれ』とアフロディーテにお願いしたわけだが、まさか生真面目なシエルの口からそんな冗談が飛び出してくるとは思わなかったぜ。
「あ……れ……」
何か様子がおかしいな。
そんなに長く寢ていたつもりはないんだけど……何時の間にか周囲がやけに暗くなっている気がするぞ。
「な、なんじゃこりゃ――!?」
不思議に思って、空を見上げる。
瞬間、俺の視界に飛び込んできたのは、『城』としか形容できないものだった。
「間違いありません。あそこに浮かんでいるのは、かつて魔王が使用していた『魔王城』と呼ばれるものですね」
マジかよ……。
こういうイベントってもっと丁寧に伏線を張った上で起きるものだと思っていたぜ……。
一俺はどこでフラグを立てたというのだろうか?
秋の満月を覆い隠すかのように出現したそれは、呑気に月見をしている俺たちを嘲笑うかのようにプカプカと空を漂っていた。
【書籍版・講談社ラノベ文庫様より8/2発売】いつも馬鹿にしてくるモデルの元カノも後輩も推しのメイドも全部絶縁して好き放題生きる事にしたら、何故かみんな俺のことが好きだったようだ。
【書籍化・コミカライズが決定しました!】 「優太君って奴隷みたい」 その罵倒で、俺は自分を見つめ直す事ができた。 モデルの元カノも後輩も推しのメイドも、俺を罵倒してくる。そんな奴らは、俺の人生に必要ない。 無理してみんなに優しくする必要はない。 これからは、自分の思った事を素直に言って、やりたい事だけをやろう。 そう決意した俺の人生は、綺麗に色付いていく。 でも、彼女達の行動には理由があってーー? これは、許す事からはじまる物語。 ※日間ランキング1位(総合、現実世界戀愛) ありがとうございます!拙い部分も多いですが、今後もよろしくお願い致します。
8 92努力を極めた最強はボッチだから転生して一から人生をやり直す
過去に強くなろうと必死に努力し、遂に強くなる事に成功した彼は気が付いたーー友がいない事に。 友達。それは、仲間である。共に心を分かち合い、助け合う存在。どんな苦難をも乗り越えさせてくれる存在。しかし、今まで強さを求め続け、変わり果てた姿へ変貌を遂げてしまった彼には遠すぎた存在。 だからこそ、彼は求めた。 友達を…。 ーーー ぼちぼち更新中…。が、頑張ります…?
8 1712度目の転移はクラスみんなで(凍結中)
主人公、黒崎仁は元勇者だった しかし今はいじめられっ子 そんなある日突然、教室に魔法陣が現れた そして黒崎仁はまたもや勇者になって世界を救うことになってしまった やっと移動してきました!
8 56勇者のパーティーから追い出されましたが、最強になってスローライフ送れそうなので別にいいです
ある日、精霊大陸に『星魔王』と呼ばれる存在が出現した。 その日から世界には魔物が溢れ、混迷が訪れる。そんな最中、國々は星魔王を倒す為精鋭を集めた勇者パーティーを結成する。 そのパーティーの一員として參加していた焔使いのバグス・ラナー。だが、スキルの炎しか扱えない彼の能力は、次第に足手纏いとなり、そして遂に、パーティーメンバーから役立たずの宣告を受ける。 失意の內に彷徨った彼は、知り合った獣人をお供にやがて精霊大陸の奧地へと足を踏み入れていく。 精霊大陸がなぜそう呼ばれているのか、その理由も深く考えずにーー。
8 81ステータス、SSSじゃなきゃダメですか?
最強にして至高。冷酷にして無比。従順にして高潔。人間の間でそう伝わるのは、天魔將軍が一人《瞬刻のヴィルヘルム》。これまでにステータスオールSSSの勇者達を一瞬で敗北へと追い込み、魔王の領土に一切近付けさせなかった男である。 (……え? 俺その話全然聞いてないんだけど) ……しかしその実態は、ステータスオールE−というあり得ないほど低レベルな、平凡な一市民であった。 スキルと勘違い、あと少々の見栄によって気付けばとんでもないところまでのし上がっていたヴィルヘルム。人間なのに魔王軍に入れられた、哀れな彼の明日はどっちだ。 表紙は藤原都斗さんから頂きました! ありがとうございます!
8 157異世界転移した俺がやることは?
突如教室に現れた魔法陣に慌てるクラスメイト達。そんな中1人、落ち著いている奴がいたそいつは、「あ、これもしかして異世界転移じゃね?」とのんき にそんなこと考えていた。強い光があたりを照らし、その光が収まって周りを見渡すとそこは、學校の教室ではなく全く知らない場所だった... ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ この作品は自分がなんとなく書きたいなぁと思って始めたものです。拙い文章で読みにくいかも知れませんが見てくださるととても嬉しいです。 6月21日 タイトルを変更しました。 6月23日 サブタイトルを若干変更しました。
8 67