《異世界モンスターブリーダー ~ チートはあるけど、のんびり育しています ~》意外な突破口
王都の監獄塔からの出を果たしてから3日の月日が流れた。
魔王城に潛するチャンスは――俺が想像していたよりも、ずっと早くに訪れることになった。
「はーい。それでは名前を呼ばれた方から順番に部屋の中にってきて下さいね~」
えっ? 俺が何をしているのかって?
何を隠そう俺は……新生魔王軍の面接をけに來ているのである。
変 等級A アクティブ
(一定時間、使役した魔に外見を変化させるスキル。ただしステータスの値は変わらない)
変スキルによってロストのを借りた俺は、傍から見ると魔族にしか見えないだろう。
待合室の中で視線を落とすと、タイトなスカートからびる黒ストッキングが目にる。
むぅ。ロストのやつ……。
相変わらずにエロいをしていやがる。
ピカピカのリクルートスーツにを包んだロストのは、メイド服を著ている時とは異なる種類のエロさがあった。
「え~。1番、ケロベロスのケロスさん。中にどうぞ」
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黒服の男が名前を呼ぶと隣に座っていた大柄の男が面接室の中に吸い込まれるようにしてっていく。
ドキドキ。
ドキドキ。ドキドキ。
大丈夫。
俺の考えた作戦は絶対に上手くいく。
そもそも何故? 一どうして俺は新生魔王軍の面接をけに來ているのか?
事の発端は遡ること2日前の出來事に起因する。
~~~~~~~~~~~~
『むにゃむにゃ。ソータ~。ご飯ー。ご飯まだー?』
その日、ベッドから眼を覚ました俺は、寢ぼけたアフロディーテに抱き著かれながらも頭の中では真剣に今後のことを考えていた。
どうする?
一どうすれば魔王城で捕らえられているキャロライナを救うことが出來る?
突破口となるアイデアは意外なタイミングで降りてくることになる。
『ソータさま! 見て下さい! 今朝のことなのですが、使い魔のインプさんが面白いものを屆けてくれましたよ~』
朝食の準備に取り掛かっている最中。
買い出しから戻ってきたレミスさんが見せてくれたチラシには驚愕の文章が躍っていた。
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今日からキミも魔王軍!? 伝説の魔王、イブリーズの元で働こう!
福利厚生も充実! アットホームな職場です!
どうやらこのチラシはバイトのインプたちが、魔族の魔力に知して、不特定多數の魔族に撒いているものらしい。
チラシの容を目の當たりにした俺はピンときた。
復活したばかりの新生魔王軍は深刻な人手不足に悩まされているのだろう。
このチャンスを無駄にしない手はない!
目には目を! 歯には歯を!
魔王軍の力は強大で正面から打ち崩すのは不可能に近い。
だから俺は、ヒュンケルのやり方に倣い、敵を側から攪する道を選んだのである。
~~~~~~~~~~~~
「えー。それではロスト・トリザルティさん。我々、新生魔王軍に志した機の方を教えて頂けますか?」
ヴィシャス・マックゴーン
別 :男
年齢 :521
面接室に足を踏みれると、そこにいたのは初老差しかかった1人の男であった。
人間の姿に化けてはいるが、この部屋にいるということはこの人も何らかの魔族なのだろう。
カイゼル髭を生やしたダンディな雰囲気のオジサンだった。
「はい! 私が新生魔王軍の団を希した理由……それは復活したイブリーズ様の『魔族ファースト』の理念に共を覚えたからです!」
「ほほう。と言うと?」
「この世界は間違っています! 脆弱な人間どもが我が顔でのさばり、本來強者であるはずの我ら魔族が肩の狹い思いを強いられている! 私が新生魔王軍に加した暁には、是非とも世界を正しい方向に導いて行きたいと考えています!」
「素晴らしい。ロストさん。キミはまだ若いのに隨分と立派な考えをお持ちのようだね」
ケケケケッ。
とりあえず『自分たちが第一』の発言をしていれば、評価されるんだから魔族の連中はチョロいぜ。
此処に來るまでに面接の対策はバッチリとロスト本人に指導してもらった。
ゴマすりの達人であるロストの『相手に取りるテクニック』は、目からウロコが落ちるものばかりだったぜ。
「どれどれ。へぇ。こりゃ、凄い! かの、舊魔王軍の師団長を務められた、竜王クルル様の元で5年も働いていたのか!」
機の上の履歴書に目を通したヴィシャスさんは嘆の聲をらす。
「はい。クルル様は時に厳しく、時に優しく、未者である私に『魔族のなんたるか』を説いてくれました。クルル様の元で學んだ経験は、必ずや、新生魔王軍の中でも役立つものだと考えています!」
「ふむふむ。クルル様は特に部下に対して厳しい方だと聞いている。1つの失態が即打ち首の厳しい環境の中で5年も働いていたキミは、さぞかし優秀な魔族なのだろうな」
うげっ。ロストはそんなに厳しい環境で働いていたのかよ。
どんなに厳しい環境の中でも生き殘っていける。
ロストの処世に関しては々と見習っていけるところが多いぜ。
「ところでキミ、ビアンカのことを知っているのか?」
「えっ。ビ、ビアンカさんですか!?」
「そうだよ。ビアンカは私の舊友でね。クルル様の側近として仕えていたんだ。もう100年近く會っていないのだが、どうしているのかなぁ、と思っていてね」
「…………」
ヤバイッ!
け答え方によっては一気にボロが出てしまう質問が飛んできた。
ロストがクルルの職場で働いていたことは事実であるが、変スキルでロストにり代わった俺はその時の記憶を引き継いでいるわけではないのである。
「ええと。はい。彼なら元気でやっていると思いますよ」
この話題は危険だ。
早急に切り上げて別の話に切り替えていかないと命取りになる。
そう考えた俺はこれと言って発展のないけ答えで乗り切ることにした。
「む。彼、とは一どういう意味だ?」
「はい。ビアンカさんには私も々と良くしてもらいました。職場に同の方が働いているというのは々と心強い面もありました」
「キミ、さっきから何を言っているんだ? ビアンカは男だぞ?」
「えっ。あっ。はいっ!?」
ふざけんなよおおおおおぉぉぉ!
クソ野郎! 紛らわしい名前をしやがって!
ビアンカという名前を聞いたら普通はを想像するじゃんかよおおおぉぉぉ!
「怪しいな。キミ、本當にクルル様の元で働いていたのか?」
萬事休すか。
一度でも疑われてしまった時點で、俺にとっては々と厳しい狀況になってしまった。
そもそもクルルの元で働いていた時のロストは別♂だったわけで……詳しく調べられてしまうとボロが出てしまうこと確実である。
「困るんだよねぇ。経歴詐稱っていうの? そういうことされるとさぁ!」
こちらの揺からウソを見破ったのだろう。
先程までは紳士的な雰囲気だった面接は一転。
片足を機に乗せて高圧的な態度になっていた。
どうする?
どうすればいい?
流石にここから挽回して合格を勝ち取るのは不可能か?
いや。1つだけある。
この窮地を切り抜けるカギは意外なところに存在していた!
「ふふふ。あ~あ。バレちゃいましたか❤」
こうなったからには背に腹は変えられない。
上目遣いをして、男にびたかのような口調で俺は言う。
「オジさまぁ。お願い。私を魔王軍にれて下さい❤ 私、お金がたくさん必要なんです❤」
両脇を締めて武であるおっぱいを強調。
更に追い打ちと言わんばかりにストッキングに包まれたムチムチの足を組めば、準備は完了である。
「し、正を現したな! 狐めっ! だ、誰が貴様のような不屆きものを譽ある魔王軍にれるものか!」
悲しいかな。
男という生きはかくも脆いものなのだろうか。
口では格好いい臺詞を吐きながらも面接の視線は完全に俺のに釘付けにされていた。
「オジさまぁ……❤ 私のスカートの中、見たくないですか?」
席を立った俺はを舐めながらもスカートを捲り上げる。
あくまで一瞬だけ……。
長く見せすぎないのがポイントである。
我ながら黒ストッキング越しに見える純白のパンティがエロ過ぎる!
こんなん見せられたら男なら誰でも骨抜きにされてしまうだろう。
「魔王軍にれてくれたら私の、もうしだけ見せてあげても良いんだけどなぁ……❤」
「ぐっ。ぐぬぬぬっ」
勝負の行く末が決著した瞬間であった。
この世界にロストのムチムチボディの魅力に抗える男はいない。
かくして俺はものの見事に面接をクリアするのだった。
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