《《完結》勇者パーティーから追放されたオレは、最低パーティーでり上がる。いまさら戻って來いと言われても、もう遅い……と言いたい。》1-2.怯えてる冒険者なら狙い目ですよね?
通稱「お荷くん」ことオレは、初心者の塔に來ていた。
は? 誰がお荷くんだー! ……くそぅ。
ダンジョンというのは、自然と生えてくる。まぁ、キノコみたいなもんだ。ニョキニョキってな合だ。
このオレの眼前にそそり立つ、灰の塔も例外ではない。基本的にはスケルトンとスライムしか出て來ないという、良心的な塔である。
Fランク冒険者――すなわち、「よぉーし、オレは今日から冒険者だぜ」とかイキリちらかしている、生意気な新米が最初に足を踏みれることが定番になっている塔だ。
勇者パーティなら、鼻息だけで踏破できるような塔である。
なぜ、オレがその初心者の塔に來てるか。
むろん、仲間を見つけるためである。
自分のために都合良く働いてくれる駒を、ギルドで見つけることが出來なかった。
人間、誰にも失敗はある。責めるべきじゃない。そこでオレは、知恵をしぼった。
新米冒険者なら仲間に出來るだろう、という算段である。新米ならオレが「お荷くん」と呼ばれていることも知らないはずだ。
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さすが元勇者パーティの冒険者。見事な戦略である。
初心者の塔に來る冒険者。
その多くが理想と現実の格差ギャップを前にして、泣きべそをかくことになる。「ふはは、オレさまは今日から冒険者だぜ」とイキがっている冒険者の多くは、帰りには「冒険者ってやべぇ。めっちゃ怖いじゃん」と泣き面になって戻ってくるのだ。
スケルトンやスライムは、一般的に弱小モンスターと呼ばれている。Fランク相當のモンスターである。
イザ対面してみると意外と怖いし、意外と強いのだ。
ナめてかかれば殺される。
小便をらすならまだ良い。を流し、最悪、命を落とす。
「ふふふっ。新米冒険者たちめ。モンスターの怖ろしさを実するが良い」
魔王さながらの心境となった。
おっと、忘れてはいけない。
泣きべそをかいている冒険者を見て、悅に浸るのが目的ではない。
仲間を探しに來たのである。
特に、モンスターの恐怖を前に、挫けそうになっている冒険者こそ狙い目である。
モンスターに襲われて窮地に陥った冒険者を救う――という場面を演出できれば、なおさら良い。
「オレとパーティ組めば、楽できるぜ」
と、オレを売りこめば良いのだ。
完璧な作戦である。
名付けて【怯えてる冒険者を仲間にする作戦】だ。
「さてさて、魔族を前にして怯えている冒険者はいないもんか」
手ぐすね、舌舐めずり、目はらんらん。
悪の親玉みたいな心持で、ダンジョンのなかに足を踏みれた。
ダンジョンは石造りだ。細長い石の通路がびている。しばらくすると広間に出る。その連続だ。蟻の巣のようなものだ。
最初の大部屋。
壁から青スライムがにじみ出るように出てきた。
新米冒険者たちが20人ほど。剣を振り回して戦っていた。太刀筋も微妙だし、立ち回りも危なかったけれど、どの冒険者もスライム相手に闘していた。
むむっ。
思っていたよりも勇敢である。
自分のときはスライム相手でも、ビビってたけどなぁ。自分の苦労がウソみたいで、なんだか悔しくなってしまう。
まぁ、しょせんスライムである。スライムぐらいなら新米でも、倒せないことはない。素直に先輩冒険者として、勇敢なるヒヨッコどもを賞賛してやろう。
細い通路を抜けると、また大部屋がある。
今度は壁からスケルトンが生み出されていた。ダンジョンというのは、多大な魔力を宿している。それが現化したものが、モンスターだ。
人間のカラダが異を排除する仕組みと同じく、塔も侵者を排除しようとモンスターを生み出すのだ。
「うおりゃぁぁ」
「どりゃぁぁッ」
と、冒険者たちは咆哮猛々しく、スケルトンも砕していた。
なんという手際か。近年は、新米冒険者も勇敢になっているのだろうか。それとも、冒険者になる前に、訓練でもけているのだろうか。
むむむッ。
オレは焦燥にうろたえる。
【怯えている冒険者を仲間にする作戦】が、これでは上手くいかない。
新米冒険者は20人ほどいたが、半分ぐらいはそこで引き返すことにしたようだ。
モンスターを倒せば、魔結晶、という質をドロップする。魔力の源だ。それは通貨にもなるし、火を起こしたり、明かりをつけたりするエネルギー源にもなる。
あるていど、魔結晶が手にれば、深りする必要はないのだ。
ど、どうする、オレ。
魔結晶を手に引き返していく冒険者たちから、仲間を勧するべきか。それならオレもこのあたりで引き返すべきだ。
あるいは、まだ先に進もうとしている果敢な者たちに勧をかけるべきか。そっちの場合は、オレも次の部屋に進むことになる。
考えている余裕はなかった。
すでに半分は引き返し、もう半分は奧地へと進んでいる。
これ以上の奧地は危険でもある。新米冒険者たちは、そんなに突き進んで大丈夫なのだろうか――という老婆心もあって、オレも奧地へ足を進めることにした。
オレは優しいのだ。
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