《《完結》勇者パーティーから追放されたオレは、最低パーティーでり上がる。いまさら戻って來いと言われても、もう遅い……と言いたい。》5-2.勇者パーティーは、困ってるんだろ?
逆落としに引っかかったデコポンを、助けに行きたいので、協力してください。
頭を下げるしかなかった。
さすがにデコポンを見捨ててまで、意地をつらぬき通すほどクズではない。っていうか、オレがクズだったことなど1度もない。
「戻る戻らないの話はさておき、人命もかかってるみたいだし、今回ばかりは無條件で協力してあげるわ」
と、勇者のほうも折れてくれた。
デコポンが連れて行かれたであろう上層に向かうことにした。
道中。
蔓のはびこる石造りの通路。
道幅は、通路と呼ぶにはあまりに広い。発するキノコが照明になっている。踏みつぶすと、グチュ、と心地の良いとともに、るをまきちらした。
「しかし、あんたみたいなのをけれてくれるの子がいるなんて、世の中広いもんね」
勇者は、オレの顔を覗きこむようにしてそう言った。
「はぁぁ? オレみたいなってのは、どういう意味だよ。オレはモテるんだからな」
と、オレは目をそらした。
目の前にいるのは、オレを追放した、憎き勇者である。が、まぁ、キレイなには違いない。あんまり顔を近づけられると照れ臭い。チョットなんか甘い良い匂いもする。
「モテるの?」
「えっと……そりゃ、まぁ。モテるさ。モテるに決まってるだろ」
「なんか、その……誰かと手をつないだりした?」
と、勇者はの前で、両手の人差し指を突き合わせる仕草をしながら尋ねてきた。その仕草の意味はなんだろうか? 隙あらば殺すぞとか、そういう意味だろうか。
「手をつなぐってなんだよ」
「だから、ディベートみたいなことよ」
「ディベートじゃなくて、デートな。なんでモテるからって討論ディベートするんだよ。意味も違えば、言葉もぜんぜん合ってないんだがッ」
「そうそう。デートよ」
「そりゃまぁ……デートぐらい、したかもな」
「ふーん」
と、訝るように勇者はオレの顔を見つめてくる。
青い水晶みたいな目を縁取る黒々としたマツゲが上下にしばたいていた。
「な、なんだよ」
顔が近い。
を引いた。
「怪しいわね」
「怪しいのはそっちだろうが。オレのことを探ってきやがって、オレのことを探るってことはつまり、勇者パーティが上手くいってないから、戻って來てしい――ってことだろ」
「違うって言ってるでしょうが」
「まぁ、せいぜい強がっていれば良いさ。いずれ君たち勇者パーティは、オレに泣きついてくることになるだろうがな」
「……」
勇者はふてくされたような顔をしていた。さすがに怒ったのかもしれない。
「な、なんだよ。怒りたいのは、こっちのほうだぜ。勇者パーティとして盡力していたのに、役立たずだからって追放しやがって」
「そりゃ仕方ないでしょうが。自分ではモンスターを倒さないし、荷を持とうともしない。仲間に行かせるくせに、自分はダンジョンに行こうとしないし、買い出しだって行ってくれない。そのうえ私が大切に保管していたプリンを、勝手に食べちゃったじゃない。さすがに馴染の私でも、浣腸袋の屁が切れたわ」
「堪忍袋の緒な」
「なんでも良いでしょ」
「良くねェッ。いったいどういう間違いかたしたら、そうなるんだよッ。ほかの男の前で、浣腸袋の屁とか言うなよな! ドンビキされるぞ!」
そうだ。
オレと勇者は馴染なのだ。
なのに追放するなんて、あんまりである。
「仕方ないだろ。味そうだったんだから。プリン」
「でもまぁ、謝るって言うのなら、パーティに戻してあげても良いわよ?」
と、勇者が流し目を送ってきた。
「いいや、けっこうだ。むしろそっちこそ、戻ってきてくださいって言うのなら、まぁ、考えてやらないこともないが?」
ひとたび戻って來てください、と頭を下げれば、そのときが、貴様の最期だ。
一度は言ってみたいランキングの頂點に輝く、あのセリフ。「今さら戻って來いと言われても、もう遅い」と言い放ってやるのだ。
「このバカ」
と、小さく罵倒された。
言い返してやりたいところだが、ここは我慢である。
あまり勇者を怒らせては、デコポン救出に協力してくれなくなるかもしれない。
【書籍化】左遷された無能王子は実力を隠したい~二度転生した最強賢者、今世では楽したいので手を抜いてたら、王家を追放された。今更帰ってこいと言われても遅い、領民に実力がバレて、実家に帰してくれないから…
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8 180【WEB版】王都の外れの錬金術師 ~ハズレ職業だったので、のんびりお店経営します~【書籍化、コミカライズ】
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8 119クリフエッジシリーズ第四部:「激闘! ラスール軍港」
第1回HJネット小説大賞1次通過、第2回モーニングスター大賞 1次社長賞受賞作品の続編‼️ 宇宙暦四五一八年九月。 自由星系國家連合のヤシマに対して行われたゾンファ共和國の軍事行動は、アルビオン王國により失敗に終わった。クリフォードは砲艦の畫期的な運用方法を提案し、更に自らも戦場で活躍する。 しかし、彼が指揮する砲艦レディバードは會戦の最終盤、敵駆逐艦との激しい戦闘で大きな損傷を受け沈んだ。彼と乗組員たちは喪失感を味わいながらも、大きな達成感を胸にキャメロット星系に帰還する。 レディバードでの奮闘に対し、再び殊勲十字勲章を受勲したクリフォードは中佐に昇進し、新たな指揮艦を與えられた。 それは軽巡航艦デューク・オブ・エジンバラ5號(DOE5)だった。しかし、DOE5はただの軽巡航艦ではなかった。彼女はアルビオン王室専用艦であり、次期國王、エドワード王太子が乗る特別な艦だったのだ。 エドワードは王國軍の慰問のため飛び回る。その行き先は國內に留まらず、自由星系國家連合の國々も含まれていた。 しかし、そこには第三の大國スヴァローグ帝國の手が伸びていた……。 王太子専用艦の艦長になったクリフォードの活躍をお楽しみください。 クリフォード・C・コリングウッド:中佐、DOE5艦長、25歳 ハーバート・リーコック:少佐、同航法長、34歳 クリスティーナ・オハラ:大尉、同情報士、27歳 アルバート・パターソン:宙兵隊大尉、同宙兵隊隊長、26歳 ヒューイ・モリス:兵長、同艦長室従卒、38歳 サミュエル・ラングフォード:大尉、後に少佐、26歳 エドワード:王太子、37歳 レオナルド・マクレーン:元宙兵隊大佐、侍従武官、45歳 セオドール・パレンバーグ:王太子秘書官、37歳 カルロス・リックマン:中佐、強襲揚陸艦ロセスベイ艦長、37歳 シャーリーン・コベット:少佐、駆逐艦シレイピス艦長、36歳 イライザ・ラブレース:少佐、駆逐艦シャーク艦長、34歳 ヘレン・カルペッパー:少佐、駆逐艦スウィフト艦長、34歳 スヴァローグ帝國: アレクサンドル二十二世:スヴァローグ帝國皇帝、45歳 セルゲイ・アルダーノフ:少將、帝國外交団代表、34歳 ニカ・ドゥルノヴォ:大佐、軽巡航艦シポーラ艦長、39歳 シャーリア法國: サイード・スライマーン:少佐、ラスール軍港管制擔當官、35歳 ハキーム・ウスマーン:導師、52歳 アフマド・イルハーム:大將、ハディス要塞司令官、53歳
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8 134VRMMO生活は思ってたよりもおもしろい
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