《《完結》勇者パーティーから追放されたオレは、最低パーティーでり上がる。いまさら戻って來いと言われても、もう遅い……と言いたい。》13-2.悪黨は難なく捕まえました!キリッ!

あきらかに不審者がり込んでいる。足音がするのだ。おそらく5人以上。

パンツを盜んだ極悪非道なヤツらをボッコボコにしてやる意気込みだったのだが、イザ不審者を相手にするとなると、気持ちが怯む。

とにかくブルベのの安全が第一ということで、オレたちはブルベのいる隣室で待機することにした。

ブルベはベッドに腰かけていた。

「あれ? ネニは?」

「ネニさまなら、こちらですよ」

と、ブルベがベッドを指差した。

天蓋つきのベッドで、睡していらした。

「ははぁ。ネニさまは眠っておられますか……じゃねェよッ。なんでお前が寢てるんだよ! ふつうは逆だろ! ブルベが寢てるならわかるが、お前が寢てどうするんだよ!」

「んあ。悪りぃ。寢てたわ」

と、悪びれる様子なんて微塵もなく、それどころか口の端からヨダレを垂らして、ネニは気だるそうにベッドから抜け出てきた。

不審者が來るかもしれないってのに、睡できる神経がすごい。人狼って、そういうものなんだろうか。

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「そこまでだ!」

バンッと荒々しくトビラが開けられて、覆面の男たちがなだれ込んできた。

5人いた。

マグロとデコポンが前衛。オレとネニが後衛。ダンジョンで戦うさいの配置フォーメーションにすぐさま移した。

腐っても冒険者であるから、戦闘への気持ちの切り替えは慣れたもんだ。

ブルベがオレにしがみついてくる。ブルベは寢る前ということで、純白のネグリジェをまとっていた。

そんな薄い服で抱き著いてくるものだから、おっぱいのがもう直である。ふわっふわっ、である。

あぁ、生きてて良かった。

もうここで死んでも悔いはない。ヒモになりたい。

「いつまでアホみたいな顔しているんですか。気持ちを切り替えてください」

と、マグロに指摘された。

はい。すみません。

「王さましかいないと思ったんだがな。てめェらは何者だ?」

覆面の男のなかのひとりが前に出てきて言った。

「オレたちは冒険者だ」

「なんだ、冒険者か。辺警護に冒険者を雇うとは、相変わらず知恵のたりないお姫さまだぜ」

「おっと、ブルベの悪口はやめてもらおうか。一國の王の悪口を言う不遜な輩は、このオレが敗してやろう」

カッコウのつけどころである。

ここで鮮やかな悪人どもを退治してしまえば、ブルベはもはやオレにゾッコン。そしてめでたく結婚。

「やれ」

覆面男はそう言った。

それを合図に5人の男たちはいっせいにナイフを構えた。跳びかかってくる。

「びえぇぇっ」

と、怪鳥もビックリな悲鳴をあげて、デコポンが盾をかぶった。

このロリババア。盾役タンクになろうという気が、マッタク見けられない。ただ自分のを守るために、盾をかぶっているだけである。

いつも、これなのだ。

しかしまぁ、そのけのない怪音波と、盾をかぶるという奇行は、ゼッタイに人の目を引く。モンスターだってたいていギョッとした顔で、デコポンを見るのだ。

案の定、覆面男たちはデコポンを前に狼狽えている様子だった。覆面なのでよくわからないけど、ビックリしているじだ。

その不意を突いて、マグロが大剣で切り込む。しかしマグロが剣を振れるのは、1日1度か2度が限界だ。

最近は、力がついてきたのか、2度振れる日も増えてきている。なににせよオレの強化が必須である。

「悪魔の心臓。獰猛なる神。破壊の筋力」

強化を付與していくことによって、マグロの大剣は真価を発揮する。

いちおう相手は人間だ。殺すのはマズイ。あとで殺人の容疑でつかまりたくないし、人が死んでいるところは、あんまり見たくない。

まぁ、斬り殺してしまうという心配はない。マグロの大剣は切れ味がおそろしく悪い。もはや扱いは鈍である。マグロに限らず、大剣とはそういう傾向が強い。

「ふははっ。このまま叩き潰されたくなかったら、大人しく観念することだな。悪黨どもめ」

と、オレは挑発してやった。

オレはみんなの後ろにいるだけだから、気持ちは強く保っていられる。

マグロが大剣を振り下ろした。

悪黨のひとりが、手の甲でマグロの大剣をけ止めていた。

け切れるはずがない。骨がやられちゃったんじゃないかな。しかし悪黨の手甲には傷ひとつ、ついていないようだった。

マグロが後ろに跳びずさった。

「ナナシィ。強化の手を抜かないでください」

「いや。手加減はしてないよ」

「しかし、あの手甲。傷ひとつつけることが出來ませんが」

「マグロのほうこそ、手を抜いてるんじゃないのか?」

「いえ。ブチ殺してやる勢いでしたが」

怖いことを言う。

そうは言っても、相手は人間である。チョットは手加減しているだろう……と思う。

だが、それにしても、オレの強化はダンジョンの壁面にを開けることすら出來るのだ。その強化をもってしても、傷ひとつつけられないというのはオカシな話である。

大剣の振り下ろしをけ止めておいて、平然としているのも妙だ。

「あの手甲、チョット特殊なじのヤツなのかもな」

「どうしますか?」

理ダメージが通らないのならば、魔法の出番だ。

「ネニ!」

大賢者の午睡。ドラゴンの息吹。

魔力強化に関係する強化を施した。

「はいよ」

ネニは魔法を展開した。足元に草花が生い茂って、覆面男たちをとらえた。

ネニに関しては、オレの助力なしでも、それなりの魔法を使える。四六時中眠っているという欠點さえなければ、優秀な魔師なのだ。

魔法相手には、手甲の頑丈さも意味をなさなかったようだ。ネニの発生させた草花によって、覆面男たちは完全にからめとられていた。

これにて終幕。

覆面男たちを、捕えることに見事功したのだった。――さすがオレである。

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