《ルームメイトが幽霊で、座敷。》【第一話】 ゲームと現実と常套手段
今日も今日とて幽霊さんはアイス片手に俺の部屋でファミコンのコントローラーをピコピコかしている。いい加減俺の置から古いゲームを穿繰り返して遊ぶのをやめてもらいたいんだが?
「年。ゲームとは最高の遊だ。今は子供だってゲームをプレイしているんだぞ。見ろ。この主人公を。この人ですらもう二十年もゲームの主人公なんだぞ。大変だとしは思わないのか」
「そんなもん微塵とも思わねーし俺は年と呼ばれるような年齢でもねえよ」
「ありゃー。なに? 思春期じゃないの? まだ思春期のおこちゃまでしょ?」
「おこちゃま言うな!! そんなこと言ったらお前だってそうじゃないのか?!」
「私はそうかもしれないけど幽霊になってるから年齢なんて概念存在しないのよん。お分かり?」
俺は幽霊さんの言葉を返すのをやめた。返したら必ず言い訳には見えない言い訳を返して俺を困らせる、常套手段を取るからな。
「とりあえずあんた緑でやってよ。あたし赤の方が好きだから」
「お前名前のくせして緑嫌いなんだな」
「あら? 燃えるような赤がいいじゃないか。赤はいいぞ? なんだってなんでも忘れさせてくれる。炎を見つめているだけでね……」
「お前それ放火魔の心理!! なんだよお前実は放火魔か?!」
「失敬な。私は生まれてこの方犯罪など犯したことはない」
「もう死んでいるのにか……?」
なんだかんだで俺は慣れてしまったんだと思う。幽霊と會話できたら普通驚くよな? 普通なら、だ。だけどさ、もうなれちゃってるんだよね。偶然に出會ったのが……えーと、一ヶ月位前かな? だからもうこの奇妙な生活をおよそ一ヶ月ほどしていることになるんだけど、それでもやっぱこいつの奇妙奇天烈な行為に慣れることはない。こいつ今は昔懐かしいポリゴンが出ているゲームを遊んでいる。あとそれの主人公は赤だ。碧ってが縦してるのに赤なんだ。まったく訳の分からないが、もう二十年以上前に主人公は赤い帽子をかぶっていることは決まっているので今更あーだこーだ言うこともない。決定事項なのだ。
「……んで、やるの? やらないの?」
「ああ、いいよやりゃいいんだろ」
しゃーないので2Pのコントローラーを持ち、端子に差し込んだ。
ぴんぽーん。
拍子抜けしたチャイムがこのお気楽段落カオスモードの部屋に響いた。
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