《ルームメイトが幽霊で、座敷。》幽霊と人間の平等條約

「宮庁神霊班は々とあって頼みづらいとか言ってなかったっけ、年?」

「俺はそんなこと……ってあんたはとうとう心の聲をも読めるようになったのか?! なんと末恐ろしい……ってか年じゃねーし」

「心の聲をも読めるって……実は昔から読めたりしたのよ?」

「……なんだと?」

「あなたの恥ずかしい妄想とか消した人幽霊を想像して一人遊びに転じているとことか……」

「ストップストォーップ!! あなたはいったい何を言ってるんでございませう?!」

「なにもかも真実じゃない」

碧さんは平気で笑ってるけど、俺のプライドってもんはもう崩壊の一途を辿っちまってることには誰か気付いてくれないだろうか。うん、誰も気付いてないな! もう部屋でニートするしかないや!

「依頼はどうした依頼は」

「よくお分かりで」

「私をこき使っているくせにあんたは依頼をサボってニート? ほんっと、いいご分だよね。人間そんなもんで生きてけるんだもん」

「さらっと人間全を否定するんじゃないよ! 俺が変な生き方してるのは俺の自由だし!」

「さぁ、どうだか。私が幽霊になってから世界は案外変わったんじゃない? 政府が幽霊や妖怪に人権を認めたんだろ?」

……そう言われて俺は頭を抱えた。そうなんだ。俺がこう“何でも屋”として幽霊や妖怪退治をしているのは意味がある。

數年前、カミサマの力を悪用して世界を滅ぼそうとした人類は反省し、ある法案を可決した。

その名も“無八百萬神権法むていやおよろずのじんけんほう”。名前の通り、実を持たない無な生き(と呼んでいいのかは解らないがとりあえずそういうで扱うことにした方が楽そうだ)と八百萬の神に人となりの権利を與えようって法律だ。単純かつシンプルではあるが、こいつがちょっと厄介なもんになっている。

例えばだが、幽霊が悪さをしたとしよう。なんだっていい。見えないを利用して盜みを働いたり、呪い殺したり、そりゃ自由だが、人間同様に扱うならば権利と義務が生じる。――そう、『罪を犯したら、裁かれる』ことだ。法律で決まってるんだから、裁くのは當たり前。問題は――その方法。だって相手は一度死んでる幽霊だ。多のことは乗り越えてんだから、懲役とかそんなの通用しないわけ。死刑なんてもってのほか。だって一回死んでるんだからな。

そういうわけでその幽霊やら妖怪やらを裁くための組織が宮庁に結された。宮庁神霊班って名前だが彼等は神殺しロンギヌスだとか吸引ドレインだとか能力的にも人格的にも変わり者ばかりが揃っている。まぁ、カミサマとやらと戦うんだから多の人格異常は興味ないんだろ。能力主義のれの果てってやつだ。

しかしだ、それでも人手は足らなすぎた。當たり前だな。もともとカミサマと対等な力をもつ人間がいっぱいいたらこの世界とやらはものの數秒で滅ぶだろう。ようは宮庁神霊班そいつらだけじゃ手に負えない、またはわざわざそいつらの手をわずらわせる程の低俗幽霊や妖怪が裁かれることになり、宮庁はやむなく私営の神霊班を用意した。ちょうど俺のような人間を、な。

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