《ルームメイトが幽霊で、座敷。》幽霊と人間の世界事

だけど人が足りないのはこの際しょうがない。だって宮庁神霊班にゃ年に數人そっちの道で食ってける人間がってくる。引退とかも含めりゃプラマイゼロにはなるだろうが、それでも永続的に幽霊を裁く人間はその數を確保出來るわけだ。簡単かもしれないが、そう簡単にうまくいけば今頃國は萬々歳だろうな。

「さぁ……結婚してもらえますね?」

「まだ言ってたのかしつこいぞそろそろ」

「……あ、私を怒らせちゃいます? どーせこのメンヘラ貧が、とか思ってます?」

「自分で自分のことメンヘラとか言うのもどうかと思うかな!」

「…………解りました。あなたは私が幽霊にしてあげます」

「待て待て! とてつもなく意味が解らないんだが?!」

「まずわたしの力をもってして強制的にから神をひっぺがします。そしてそれをひなぐ紐を切ってしまえば……」

「ストップストォーップ!! 俺死んじゃいますから!! あんたそんなことして何が楽しいの?!」

「あなたが結婚さえしてくれればこれ以上事が大きくはならないんですよ。……たぶん」

「おい! 今たぶんって言ったよな?!」

「ごちゃごちゃうるさいですね。そんなんじゃモテませんよ?」

「俺の貞をお前は奪おうとしてるんじゃないのか……?」

あぁ、なんだか頭が痛い。なんで俺はこう長い間幽霊もとい妖怪(ただし外形は完全に)と話してるんだろう。こういう質、こういう仕事ってのは解ってるがやっぱりめんどくさいのは目に見えている。なんで俺これやろうとしたのかなぁ。

「それはあなたのに聞けばいいことよ。ともかくさっさと退卻願ったら?」

「それは俺が言いたかったセリフなんだけど!!」

「あなたがずーっと言わなかったから私が代わりに言ってあげたのよ?」

うーん、嬉しいような悲しいような。碧さんのお節介な格は別に構わないんだがこれがたまぁに変な方向に働いちゃうんだよなぁ。……まさかこんな面倒な時に働いたりしないだろうな。

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