《ルームメイトが幽霊で、座敷。》妖狐と因縁の貧巫(前編)
「遅かったわね、みずき」
不意に後ろから聲をかけられたので、俺はみずきさんでないにも関わらず振り返った。一応だ、一応。敵かもしれんし。その辺は是非解ってもらいたい。
「……マリナさん、早すぎ。まさかまた時間作しましたね?」
「だって、人がいっぱいいるの歩きたくないし」
「その人見知りさっさと直してくださいよ。副班長のくせに使えないんですから」
「いやぁ、いつもんときはいいんだけど、こーいうときはどうも知ってる人間以外に會いたくないんだわ」
「そーいう問題ですかほんと……」
相変わらず姉ちゃんは変わり者というか何というか。仕事の時とプライベートの時の相が逆ならいいんだが、姉ちゃんの場合プライベート頑張りすぎちゃって仕事あんまやる気ないらしいからな……。よく副班長とか勤まるよな……ってあれ?
「そーいえば班長はいないんですか?」
「……居るには居るけど、暫定では私が最高権力者。どうして?」
「普通に考えりゃ班長居ないほうがおかしいでしょうよ。……で、班長は調子でも悪くて休んでるとか?」
「うーん……なんと言えばいいんだろう。今班長は忙しいのよ」
「なにに?」
「十一月にある神迎祭の準備。みずきから出雲大社云々の話は聞いた?」
「まぁ、りだけ」
「それだけで十分。……つまりは、そういうことがあるから班長は忙しくて私に任せっきりなわけよ。お分かり?」
おいおい、なんだか壯大なことになってきたぞ? 班長が出雲大社でカミサマのお世話をしてる? 日本には八百萬の神っていうくらいカミサマが大勢いるっていうのに?
「訳が解らないと言いたげね」
「……だって、カミサマは妖怪や幽霊とは違って不可視で不可侵な存在だろ? そりゃ神憑きの人間には見えるかもしんねーけどよ」
「あの條例が生まれる前から、神迎祭は行われていて、出雲大社はカミサマの會議場として使われてきた。今までも、そして……恐らくこれからも。それはこちらの世界の人間から見れば一般常識なのよ」
……つまり何が言いたいのかはっきりと見えてこないのだが。
「いい、リト? あなたが持つ常識は今日をもって全て捨て去りなさい。あなたは神憑き出來なかったから、こちら側の世界では偉くもないわ。向こうの世界ならば舊家のお坊ちゃんとして多は見る目が違うだろうけどね。……向こうがお金や頭の良さで優劣を決めるなら、こっちでは“何が憑いているか”どうかで優劣が決まる。勿論、最高峰は神憑きよ。だけど、私はそうじゃないと思う。神憑きじゃなくとも、強い妖怪や幽霊はいるわ。それは碧さんもそうだと思う。ね?」
「……そ、そりゃそうよ。私だって頑張るんだから」
ゲームの攻略をか? そりゃ面白い。
「……だから、落ち込んじゃいけない。例え神憑き出來なかったとしても、カミサマに勝るとも劣らない妖怪はたくさんいる。……それを解ってしい」
姉ちゃん、なんかいいこと言うけどプライベート……より仕事の相の悪さがなぁ……。それさえなきゃさかさかと結婚出來たろうに。もしかして、したくないのか。はたまた……が好きだとか? いや、まさか姉ちゃんに限ってそんなこと……と俺はこの雰囲気には水と油みたく絶対に合わないことを考えていたのだった。
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