《ルームメイトが幽霊で、座敷。》の子孫は天涯孤獨

だけど、わたしはもう天涯孤獨のだったの。お兄ちゃんが二年前に行方不明になって……それから、ね。だから、わたしはどうでもよかった。だけどお兄ちゃんの知り合いの知り合いが出雲大社の巫――mめぐみさんだったの。それで私は出雲大社へ居候することとなった。巫さんとしての修行を積むために。

その間、めぐみさんはわたしに頻りに話をしてくれた。とても優しい人だったよ。でもね、ひとつだけ険しい顔をしたのさ。

タカノオノミコト。聞いたことは……ないだろうな。史上最悪のカミサマと呼ばれているよ。それはな……何千何萬ものカミサマが七日七晩かけてようやく封印したってくらいのものなんだが、彼にはそれが封印されていた。二年前の神迎祭でも、破壊はされずそのまま封印されることとなった。まあ、カミサマを破壊出來るんならどっかのカルト宗教がばんばんやってそうなものだけど。

……話を戻すと、彼はそのカミサマが暴走、霊力の放出によって死んだ。悲慘なものだ。なんてったって、が出ないからいつ死ぬかもわからん。止める方法は一般人には知られていないし、だからが出てないのに急に苦しみ出して死にそうな顔してるのに、助けることすらできない悪循環に陥ることだって多々ある。

「……もしかして、班長さんは見たんですか。その……瞬間を」

「祐希、確かにわたしはその場を目撃した。……とあるカミサマを封印するときのことだ。わたしが……ほんのしだけ油斷した隙に、だ。

辛かったよ。人というのは、こんなにあっけなく死んでいくものなのか、ってね。」

どういうことかと言えば。

まず、倒れた。彼はわかってたみたいで私に手で近寄るなと言った。しかしそういうわけにもいかない。私はタイガノミコトから言われていたからな。もし何かあったらめぐみさんを守れ、と。

だから私は走ってそこへ向かったよ。でももう彼は霊に包まれ、ることすらできなかったんだ。

ることもできず――消えていったんだ。

そうさ。カミサマの暴走などの霊による神の移・死亡となると、そのは消えてなくなってしまう。その消えたは冥界と呼ばれる場所で保管される。魂……神が帰ってくるまでな。

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