《ルームメイトが幽霊で、座敷。》と兄貴の記憶違い(後編)

たまに祐希はちくりとくることを言う。ほんとお前毒舌だな。それだけは昔から変わっちゃいねえ。お前がゴスロリコスチュームでもそれだけは変わらねえってことに、なんとなく嬉しくなった。

「……で、記憶違いってことですよね? それって別人とか考えられないんですか?」

「考えたこともあるけど、ほとんどの記憶が一致してるし。なにしろ整形したような跡も見當たらないんだよねえ」

「……不思議なこともあるんですね。もしかして雙子とか?」

「可能ないこと知ってて言ってる?」

おいなんかちょっと班長さん怒ってるぞ、いいのか祐希。むしろそこまで仲がいいのか? ならそれはそれでいいんだが。

「……まあ、気になることはそれだけですし。何かが憑いてるとも思えませんしね。……夜の帳もすっかり落ちてしまいましたね」

まじで、と思ってふと空を見ると本當に空が真っ暗だった。どうしよう。宿もとってないぞ。

「おい野宿か。野宿はやめろよ。野良幽霊がうろついてるからさ~」

「幽霊のくせに夜が怖いのか。そもそも野良幽霊ってなんだよ!! そっちの方が怖いわ!!」

「……別に、私の家で泊まることも大丈夫ですけど……?」

へ?

「……いやなら別にここで雑魚寢でも構いませんけど……」

「いいです大丈夫ですマジ完璧っす!!」

「そ、そうですか? ……そう言ってもらえると嬉しいです……」

なんだか班長さん顔を赤くしているんだが、こういうことをあまりしない人なのだろうか? と思っているとタイガノミコトってカミサマが俺に手招きした。なんだろうか。ひとまずなにか伝えたいことがあるんだろうと俺はそっちの方に向かって耳を當てた。

『……年よ。今の巫は、大だ』

「おいタイガノミコト今なんつった!?」

『何も言ってませーん(年今のはオフレコで頼むよ)』

「タイガノミコトが今の巫は処だって」

『おいこいつ無視しやがった?! 神の言葉無視しやがった!! ちくしょう、お前の家系代々難にしてやるーっ!!』

「おいカミサマのくせに雑魚な復讐だな!!」

……まあ、そんなカミサマはほっておくとして。

俺と祐希は泣いているカミサマを無視して、近くにあるという班長さんの家へと向かった。

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