《ルームメイトが幽霊で、座敷。》巫の憑の除霊作業(前編)
「アルテミスの矢の発までかかる時間は確か二分間かかる。それの間……そうだな。祐希から合図があるまであいつを押さえ付ける必要がある」
俺は班長さんを指差し言った。既に班長さんからは霊反応が人間のそれと変わりつつある。これはまずい。急いで除霊をしなくては……“死ぬ”だろう。
死ぬといっても的に死ぬのではない。人間の神がその霊に乗っ取られ、元の神が消えてしまう。つまりは神的に死んでしまうことだ。
「……でもあんた策あるの?」
「一瞬だけカミを俺に降ろす。やり方は解る。かごめのうただ」
「かごめかごめのこと? ありゃ徳川埋蔵金の在処を示してるってお偉いさんが言ってるあれのことかしら?」
「とんでもねぇでたらめだがな。確かに松尾芭蕉の奧の細道とかを通った全國の旅はそういうものを全國に流行らせるため……だが如何せん証拠が見當たらねぇ。タイムマシンでも研究されりゃいいんだがな」
「そんなもん一萬年かけても作れないでしょ。それくらい私だって解るわ」
「……話を戻すが、かごめかごめは神降ろしの為の歌って節がある。それを用いて……異界へのゲートを開き、カミを俺に降ろす」
「それが出來てもそのあとは?」
「あとは碧さんの出番でしょ。ま、頼むよ」
そう言って、俺は別れを告げた。
こんな俺だが、やることはやらねばならねぇ。あれは……
俺が神憑きの能力を失った、十二年前に話を戻さねばならないだろう。
◇◇◇
十二年前。
東京の山深い村に一番大きい屋敷がある。
そこが瀬谷家の本家で、神憑きの元祖が住んでいた場所でもあった。
神憑きの中で一番強い家系は河上家ってのは決まってしまっているが、神憑きが生まれたのは恐らく瀬谷家だとされている。
何しろ瀬谷家はイタコとしていたらしい。青森県の恐山が有名な霊峰で神降ろしを行い、助言を説いた。
そこである日、ほぼ偶然だったのだが神降ろしをした後からカミサマが異界(カミサマがいる世界、なんでも次元が違うらしい)に帰らなくなったらしく、これが神憑きの元祖となった。その後、そのをけ継いだ四大家により神憑きの風習は今もけ継がれている。
十二年前、瀬谷家は愚か四大家を二分させた事件がここで発生した。
の神降ろし。
後の人間はそれをこう語った。
神憑きをするために神降ろしをすることは構わない(むしろそれが當たり前だ)のだが、その神降ろしは既にカミが憑いていた。
神降ろしはカミが既に憑いているとほぼ百パーセント失敗する。
その人間、瀬谷孝法もその一人だった。
そしてそれは……俺の父さんだった。
12ハロンのチクショー道【書籍化】
【オーバーラップ様より12/25日書籍発売します】 12/12 立ち読みも公開されているのでよかったらご覧になってみてください。 ついでに予約もして僕に馬券代恵んでください! ---- 『何を望む?』 超常の存在の問いに男はバカ正直な欲望を答えてしまう。 あまりの色欲から、男は競走馬にされてしまった。 それは人間以上の厳しい競爭社會。速くなければ生き殘れない。 生き殘るためにもがき、やがて摑んだ栄光と破滅。 だが、まだ彼の畜生道は終わっていなかった。 これは、競走馬にされてしまった男と、そんなでたらめな馬に出會ってしまった男達の熱い競馬物語。 ※この物語はフィクションです。 実在の人物・団體・國などと一切関係がありません。 2018/7/15 番外編開始につき連載中へ狀態を変更しました。 2018/10/9 番外編完結につき狀態を完結に変更しました。 2019/11/04 今更ながらフィクションです表記を追加。 2021/07/05 書籍化決定しました。詳細は追ってご報告いたします。 2021/12/12 書籍化情報を追記
8 63俺のハクスラ異世界冒険記は、ドタバタなのにスローライフ過ぎてストーリーに脈略が乏しいです。
ハクスラ異世界×ソロ冒険×ハーレム禁止×変態パラダイス×脫線大暴走ストーリー=前代未聞の地味な中毒性。 ⬛前書き⬛ この作品は、以前エブリスタのファンタジーカテゴリーで一年間ベスト10以內をうろちょろしていた完結作品を再投稿した作品です。 當時は一日一話以上を投稿するのが目標だったがために、ストーリーや設定に矛盾點が多かったので、それらを改変や改編して書き直した作品です。 完結した後に読者の方々から編集し直して新しく書き直してくれって聲や、続編を希望される聲が多かったので、もう一度新たに取り組もうと考えたわけです。 また、修整だけでは一度お読みになられた方々には詰まらないだろうからと思いまして、改変的な追加シナリオも入れています。 前作では完結するまで合計約166萬文字で601話ありましたが、今回は切りが良いところで區切り直して、単行本サイズの約10萬文字前後で第1章分と區切って編成しております。 そうなりますと、すべてを書き直しまして第17章分の改変改編となりますね。 まあ、それらの関係でだいぶ追筆が増えると考えられます。 おそらく改変改編が終わるころには166萬文字を遙かに越える更に長い作品になることでしょう。 あと、前作の完結部も改編を考えておりますし、もしかしたら更にアスランの冒険を続行させるかも知れません。 前回だとアスランのレベルが50で物語が終わりましたが、當初の目標であるレベル100まで私も目指して見たいと思っております。 とりあえず何故急に完結したかと言いますと、ご存知の方々も居ると思いますが、私が目を病んでしまったのが原因だったのです。 とりあえずは両目の手術も終わって、一年ぐらいの治療の末にだいぶ落ち著いたので、今回の企畫に取り掛かろうと思った次第です。 まあ、治療している間も、【ゴレてん】とか【箱庭の魔王様】などの作品をスローペースで書いては居たのですがねw なので、まだハクスラ異世界を読まれていない読者から、既に一度お読みになられた読者にも楽しんで頂けるように書き直して行きたいと思っております。 ですので是非にほど、再びハクスラ異世界をよろしくお願いいたします。 by、ヒィッツカラルド。
8 105久遠
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