《ルームメイトが幽霊で、座敷。》の班長の役職復帰

「ん……」

ありゃ、班長さんが目を覚ました。ってことは封印されたのか。案外あっさり終わってしまったもんだな……。

「まさか助けられるとは思いませんでしたよ」

「その割には私たちを頼っているような戦法でしたけど?」

祐希の言葉に班長さんは笑い、

「だってあの狀況じゃ私だけじゃ倒せませんからねえ。しは信じませんと」

し……ですか」

班長さんは立ち上がり、巫服の汚れを軽くはたくと正座に座り直し、

「さてと、ご飯が冷めてしまいますね。食べてしまいましょう」

「は、はい!」

……だが、俺は忘れていた。

班長さんの料理が超絶的なセンスによって作られたもの、だと……!

三日後。

俺は無事に宮庁神霊班の職場へと復帰した。なぜ三日かかったかって? それを言う必要はないだろ?

それも姉ちゃんは察していたようで(どうやら後で聞き出したところ、何回か食わされていたらしい。副班長ってのも大変だな)、「まあ、お疲れ様だったな……」と言ってくれた。あれは食いもんじゃない。化けもんだ。下手したら祟神とかよりも影響力やばいぞ?

「……で、どうだった? お前に何か助言でも言ってたか?」

「あれ……そういえば何も……」

「結局あれですよ。新りの格を試しただけ。私と同じですね」

どうでもいいのかもしれんが、祐希が平然とゴスロリ服で立っていることになんのも浮かばなくなってきた。これは進歩といっていいのだろうか?

「……副班長、久しぶりですね」

「えっ」

姉ちゃんは恐る恐る口の方を見た。……そこには、俺と祐希以外にひとりの人間がいた。

正確には、ひとりの巫さんといったほうがいいかもしれない。

そう、古屋恵梨香がそこにはいたのだった。

「……班長、どうして……?」

「職場復帰とやらです」

「いや……タイガノミコト様……は?」

「え? あんなテレビばっかり見てるサブカルまみれのカミサマなんて一人で生きていけるわよ?」

「冷たい……なんて外道……」

「……で、そういえばけ取ってた書類があったんだけど」

「はい?」

おい、それは初耳だ。そう言わせる隙もなく班長さんは書類(というよりかは封筒だ)を出して、読み始めた。

「えーと、めんどいからちゃっちゃと言うと……『本日をもって宮庁神霊班は神事警察へ復職することを命ずる』ってことです。どうぞよろしくー」

「はい!? すごいこと簡単に言いませんでした?!」

一応班長さんは姉ちゃんより年下なのだが、役職上敬語で話す。

「うん。だからこれからはまた神事警察でやることになるから。あ、でも神事警察は宮庁の直下になったから結局収は変わんない?」

「そんなダークな話しなくてもいいです!!」

「あ、それとも……まあ、いいわ。あなたの話だし、とっておくね。三年前僚と結婚したいがために宮庁神霊班に進んで行ったってこと……」

「もう言ってるじゃない!! あー!! だからやだだったのに!!」

「ま、よろしくね☆」

……どうやら、これからさらに騒がしくなるらしい。

俺はそれを考えて、頭を抱えるのだった。

第三話 完

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