《ルームメイトが幽霊で、座敷。》依代と神憑きの因果関係

「何もする事ないわねぇ……」

晝飯のカップラーメン七十八円を食べていたら姉ちゃんがそんなことを言い出した。それでいいのか。

「仕事がないのは事実だもの」

「……自然霊をしらみ潰しに鎮めていくのはどうだ?」

「あんたカミサマに呪われたい系?」

冗談だ、流石に彼経験が無しで死にたくはない……!

「まぁ冗談は置いといて。ちょっと昔話にでも付き合え」

「なんで?」

「暇だから。あっ、ちなみにやだとか言うなよ?」

なんて理不盡。

「まぁ、そんなつまらない話ではないさ。聞かないと何かに不調が起きる以外何の問題もない」

「なにさらっと怖いこと言ってんの?!」

いや、きっと噓だろうけどさ!

「話を始めるぞ?」

「……強制じゃねぇか」

話を始めよう。

その一言から始まった話は大分長くなるのだろうなと思った。

「依り代と神憑きってのはある関係によって……ってのは聞いたことあるか?」

「アバウト過ぎてよくわかんねぇよ」

「……依り代は憑きやすい質をさし、神憑きはカミサマの憑いた人間をさすんだ」

「へぇ」

「神憑きと依り代は切っても切れない関係にありそうだが……、過去に數人だけ依り代ではないのに神憑きに為り得た人間がいるんだよ」

その言葉を俺は聞き逃すところだった。待てよ、依り代にならないで神憑きになるだと?

神憑きは名前の通りにカミサマが憑く。仮に善神が憑いたとしても、人間にかかるエネルギーは計り知れない。だから神憑きってのは代々きつい修行をして、なおかつそれを一生続けなくてはならない。

だから神憑きになれるのは依り代と呼ばれる憑きやすい質が一番なのだ。なんというか、楽に儀式が済ませるらしい。

「どうやら慌てているが、話はまだ終わってないんだがね」

「……依り代じゃなくて神憑きになった人間はどうやって神憑きになったんだ?」

「質問を質問で返すのは一番駄目だと……まぁいいか、答えてやろう。話は簡単だ、人間自がカミサマになったんだよ」

「……は?」

「現人神あらひとかみっていう言葉は聞いたことがあるかな。まぁ、リトはあまり知らないだろうから話すが……、簡単に言えば人間がカミサマになった存在のことだ。第二次世界大戦が終わるまで、日本の天皇陛下がそう呼ばれていたのは大分有名な事実だと思うのだが」

「……つまり、神憑きになったんじゃなくて……自らをカミサマにして……」

「あぁ。“見かけ上カミサマが憑いている”かのように見せた。そりゃ、當時こそ人間がカミサマになるなんて誰も思わなかっただろうからな」

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