《ルームメイトが幽霊で、座敷。》歴史と欺瞞の合要素

「……でだ、なんで姉ちゃんは急にそんな話をしたんだ?」

「まぁ、話は最後まで聞けよ。……これは神憑きの出來た可能を問う命題みたいなもんだ」

「……は?」

「つまりだな、神憑きがなぜ生まれたのか、それはイタコなどの分流とかが可能として浮上するが、あくまでもそれは“可能”だ。つまり、その依代になれなかった人間がその方法を用いて神憑きになったことだって充分に考えられる」

……なんだか徐々に話についていけなくなってきたんだが。

「そうか、でも単語の漢字とかは難しいかもしれんが容としてはそれほど変わりはないぞ?」

「……いやいや、そうだとしても難しい話には変わりねぇよ」

「そうか、……話を戻すか。まぁそういうわけで神憑きになった人間が居たわけだが、しかし、なぜバレなかったんだろうな?」

「そりゃ……自分がカミサマになったんだから都合悪いとこは書き直すっていうチートプレイを見せたんじゃないのか?」

「それだと今日この時でも現人神という存在自が都市伝説に數えられるわけだが」

神憑き自が都市伝説のこの世の中で姉ちゃんはなにを言ってるんだか。

「……答えは簡単だ」姉ちゃんはそう言って湯飲みの煎茶を飲み干す。「現人神という力を使ってヒトとカミサマを自由に分離出來るようにしたんだ」

「本當にチートじゃねぇか!」

「そりゃ人間とはいえカミサマだからなぁ?」

姉ちゃんはニヤニヤしながら話を続ける。

「……でも、仮にそれがそうだとして何で現人神の存在が今?」

「現人神の存在自は何もそんな最近のものではない。例えば古代ローマ帝國ではその強大な勢力を背に皇帝崇拝を命じた。カミサマの代わりに人間を崇めさせようとしたわけだ。これも現人神の一種だと言われている」

「皇帝崇拝……ねぇ」

「當時は各ポリスごとにオリンパス十二神などのカミサマを崇拝した。だが、ローマ帝國は侵略したポリスにそれに替わり皇帝をカミサマとして崇拝するよう命じた。これで強大な権力、帝國が出來たわけだ」

「……でもそう簡単にうまく行くのか……?」

「結論からして失敗だったよ。その時はただの人間だったからね。本の現人神が登場したのはキリスト教からだよ。キリストという神の子が生まれ、死しても復活した。まさに“人間がカミサマになった”最古の記録だ。まぁ、クレオパトラやツタンカーメンもそうだとは言われるがちゃんとした記録も殘っていないからな」

「現人神って簡単になれるものじゃないんだろ?」

「それは勿論、そうだ。日本では巫とかがいたが現人神の最初となるのは……天照大神からとなる」

「あぁ、それは聞いたことがある。今の天皇家の祖先だっけ?」

「そういう教育は昭和でもう終わったはずなんだがなぁ……」

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