《ルームメイトが幽霊で、座敷。》酒とカミサマの因果関係(後編)
「ゾロアスター教ですかね? まあ、そのへんの歴史はなんとなく覚えてるんですよ。けどあんまり外國の宗教は詳しくないかなーと」
「まあ、あんまり日本の宗教も気にしないくらい多いからねえ。新興宗教とか含めたら百じゃ利かないからねえ」
 
ゾロアスター教、とは――。
善と悪の二元論を特徴とするが、善の勝利と優位が確定されている宗教である。一般に『世界最古の一神教』と言われることもあるが、これは正しくはない。ゾロアスター教の中では、アムシャ・スプンタなど多くの神々が登場する。開祖はゾロアスターである。その本教典より、アヴェスターの宗教であるともいえ、イラン古代の宗教的伝統の上に立って、ゾロアスターが合理化したものと考えられる。
 
「……かなり簡単なしくみなんで大好きなんですけどね。最終的に悪は裁かれる、っていうのもいい考えですし」
「それ今のヒーローもののパターンの元祖だよね」
 
碧さんがさりげなく介してくる。いや、別に構わないんだけど。
 
「でも、ゾロアスター教は今も日本の宗教に影響を與えたりしているんですよ。アフラ・マズダとアーリマンがそれぞれ世界に様々なものを創造するんですけど、その中に、北方の山の源泉から、二つの河を東西に流出させたというのがあり、しかもその河は一旦地下を潛ってから地表に現れるってのがあるんですよね。これが日本の宗教のやつに似ているとか。まあ、そういうのはほんと調べたらキリがないですけどねえ」
「アイス食べに行こうよー」
 
ええい、今は俺は話をしているんだ! 靜かにしてくれ!
 
「……話を戻すと、日本酒も大分宗教と関わっていましてね。例えば日本書紀に須佐之男命すさのおのみことが八岐大蛇やまたのおろちを退治するために八塩折之酒やしおおりのさけという八度にわたって醸す酒というものを造らせる記述があるんですよ。実際の酒質がどのようなものであったか、重複して醸すという點でのちの貴醸酒に通じるものがあるのか、そのへんは全然解りませんけどね」
「へえ」
「ビールの起源はパンを水に浸すものですが、日本酒の起源は口嚼ノ酒にあるんですね」
「聞いたことがあるね」
 
姉ちゃんまで會話に參加してきただと!?
 
「確か村中の男が水と米を用意して生米を噛んでは容に吐き戻し、一晩以上の時間をおいて酒の香りがし始めたら全員で飲む風習があるって大隅國風土記に書かれているんだっけね。実際に唾の中にっている澱を分解する酵素、アミラーゼとジアスターゼを利用して空気中にある酵母で発酵させるってしくみだったと思うけど、昔の人はアミラーゼなんて知らなかっただろうし。それを考えると昔の人間はすごいよね」
「そうですね。そしてよく日本酒は神社に供えるってのもあります。だからお酒とカミサマは切っても切れない関係にあるわけなんですよ♪」
 
なぜか楽しそうだな署長さん。
 
「……というわけで署長、酒が飲みたいっ!!」
「うふふ、いいですよ」
「いいのか?!」
 
ガタッ!! と機からを乗り出し、署長に近づいた。近い近い。
 
「……た・だ・し。ビールと宗教、歴史にかんするレポートをA4用紙五枚以上で執筆するなら」
「簡単、簡単!!」
「それとドイツに願いを葉える猿の手が見つかったという報告があったからそれもきちんと見つけてここまで持ち帰ってきてね」
「簡単、簡単……え?」
「じゃ、よろしくねっ」
 
そう言って署長さんは寢てしまった。恐るべき署長。
 
「なんで私獨りなんだよ!! ちくしょう、リトと祐希も付いてこい!!」
「えっ、でも僕は仕事が……」
「いいんだよ祐希!! 國の雑務はめぐみと署長に任せる!! 私たちは猿の手を見つけに行くぞ!! そしてさっさとビールを飲むのだ!!」
 
え、ちょっと待って?! まじですか!? まじで行くの!? というか……。
なんでいきなりドイツとか行く話になっちゃったわけ……?!
 
【書籍化】勝手に勇者パーティの暗部を擔っていたけど不要だと追放されたので、本當に不要だったのか見極めます
勇者パーティの斥候職ヒドゥンは、パーティ內の暗部を勝手に擔っていたことを理由に、そんな行いは不要だと追放され、戀人にも見放されることとなった。 失意のまま王都に戻った彼は、かつて世話になった恩人と再會し、彼女のもとに身を寄せる。 復讐や報復をするつもりはない、けれどあの旅に、あのパーティに自分は本當に不要だったのか。 彼らの旅路の行く末とともに、その事実を見極めようと考えるヒドゥン。 一方で、勇者たちを送りだした女王の思惑、旅の目的である魔王の思惑、周囲の人間の悪意など、多くの事情が絡み合い、勇者たちの旅は思わぬ方向へ。 その結末を見屆けたヒドゥンは、新たな道を、彼女とともに歩みだす――。
8 56スキルリッチ・ワールド・オンライン~レアというよりマイナーなスキルに振り回される僕~
友人に誘われてVRMMOを始めた主人公だが、キャラクタークリエイトの場面でいきなり妙な――確かにチートっぽくはあるのだが、行動する上で大きな制約を課せられる――スキルを押し付けられてしまう。これも一興とばかりにそのままゲームを楽しむ事に決めた主人公だが、このユニークスキル「スキルコレクター」は微妙なスキルばかり集める傾向があって……。 ユニークスキルの呪い(?)でポピュラーなスキルの入手がほぼ絶望的となった主人公は、否応なく道を外れたプレイを強いられる。清々しいまでに開き直った主人公の行動に振り回される運営スタッフ。そしてゲームの進み方は、運営スタッフの予想から徐々に外れ始める……。 殘酷描寫とR15は保険です……多分。 少し短めの話が多いです。 書籍版(全一巻)とコミカライズ版が幻冬舎コミックス様から、それぞれ11月29日と24日に発売になりました。コミカライズ版2巻は7月24日発売の予定です。電子版も同時発売です。
8 149【電子書籍化】殿下、婚約破棄は分かりましたが、それより來賓の「皇太子」の橫で地味眼鏡のふりをしている本物に気づいてくださいっ!
「アイリーン・セラーズ公爵令嬢! 私は、お前との婚約を破棄し、このエリザと婚約する!」 「はいわかりました! すみません退出してよろしいですか!?」 ある夜會で、アイリーンは突然の婚約破棄を突きつけられる。けれど彼女にとって最も重要な問題は、それではなかった。 視察に來ていた帝國の「皇太子」の後ろに控える、地味で眼鏡な下級役人。その人こそが、本物の皇太子こと、ヴィクター殿下だと気づいてしまったのだ。 更には正體を明かすことを本人から禁じられ、とはいえそのまま黙っているわけにもいかない。加えて、周囲は地味眼鏡だと侮って不敬を連発。 「私、詰んでない?」 何がなんでも不敬を回避したいアイリーンが思いついた作戦は、 「素晴らしい方でしたよ? まるで、皇太子のヴィクター様のような」 不敬を防ぎつつ、それとなく正體を伝えること。地味眼鏡を褒めたたえ、陰口を訂正してまわることに躍起になるアイリーンの姿を見た周囲は思った。 ……もしかしてこの公爵令嬢、地味眼鏡のことが好きすぎる? 一方で、その正體に気づかず不敬を繰り返した平民の令嬢は……? 笑いあり涙あり。悪戯俺様系皇太子×強気研究者令嬢による、テンション高めのラブコメディです。 ◇ 同タイトルの短編からの連載版です。 一章は短編版に5〜8話を加筆したもの、二章からは完全書き下ろしです。こちらもどうぞよろしくお願いいたします! 電子書籍化が決定しました!ありがとうございます!
8 176NPC勇者〇〇はどうしても世界をDeBugしたい。みたい!?
作品名:NPC勇者○○はどうしても世界をDeBugしたい。みたい!? *最新話隨時更新中* 最新の超期待作ゲーム。その世界限定先行テストプレイに見事當選した主人公。 しかし、開始からバグのオンパレードでキャラエディットが出來ずに強制開始ときたから不満はもう大爆発! スキルも能力も全く設定されていない、開発者専用アカウント「勇者〇〇(まるまる)」としてログインした主人公は本來のプレイヤー名を名乗る事はおろか、バグの影響でログアウトも出來ず、更に運営にまでNPCだと勘違いされてしまいただ1人ゲーム世界に取り殘される。 ここで生き殘る為に使えるのは、自らが今まで培ってきたゲーム知識と…まさかの公式チート『デバッグメニュー』!? 資金無限、即時復活、限定解除にステータス変更不能からウィンクひとつでコミュランク強制MAX!・・・これ、現実に戻らなくてもいいんじゃね!? 現実とゲームの世界を越えた、絆で結ばれたNPC達との大冒険が、今ここに始まる。 はたして勇者○○は本來の自分を取り戻し、ログアウトする事が出來るのか?それともこのままNPCとしてゲーム世界に取り殘されてしまうのか。 ゲーム発売まで殘りあとわずか…それまでにNPC勇者○○はどうしても世界をDeBugしたい。みたい!? イラスト提供:ナス(転載禁止) 作者、激しく補助席希望をTwitterで検索! @999_RC_att なお、同名にてSPOONによるLIVE配信も行っております。気になる方は要チェック!!いつでも気軽に遊びに來て下さい。 また、隨時質問や感想等もコメント大募集しております。あなたのコメントが作者のヤル気とモチベを爆上げさせますので、是非お願いします!
8 170「最強」に育てられたせいで、勇者より強くなってしまいました。
ある日大學中退ニートが異世界に転生! 「最強」に育てられたせいで破格の強さを手に入れた主人公――スマルが、強者たちの思惑に振り回されながら世界の問題に首を突っ込んでいく話。
8 183創造神で破壊神な俺がケモミミを救う
ケモミミ大好きなプログラマー大地が、ひょんなことから異世界に転移!? 転移先はなんとケモミミが存在するファンタジー世界。しかしケモミミ達は異世界では差別され,忌み嫌われていた。 人間至上主義を掲げ、獣人達を蔑ろにするガドール帝國。自分達の欲の為にしか動かず、獣人達を奴隷にしか考えていないトーム共和國の領主達。 大地はそんな世界からケモミミ達を守るため、異世界転移で手に入れたプログラマーというスキルを使いケモミミの為の王國を作る事を決めた! ケモミミの王國を作ろうとする中、そんな大地に賛同する者が現れ始め、世界は少しずつその形を変えていく。 ハーレム要素はあまりありませんのであしからず。 不定期での更新になりますが、出來る限り間隔が空かないように頑張ります。 感想または評価頂けたらモチベーション上がります(笑) 小説投稿サイトマグネット様にて先行掲載しています。
8 156