《ルームメイトが幽霊で、座敷。》日本の食卓と井戸端會議(前編)

その頃、日本では何があったかって?

「局長、あれでいいの?」

私が巫服カタログを読んでいるとみずきが何かを言ってきた。

「……何が?」

「何が、って……。一つしかないでしょ。ほぼ主力メンバー引き抜いて何考えてるの?」

あぁそれか。何も言われなかったから特段言うことはないのかと思ったよ。

「……もうお晝ですか」

「話を聞きなさい」

「食事を食べながら歓談するのもなかなかに楽しいじゃないですか」

容は全然ハードだけどね」

冗談が通用しないんだもんなぁ。

とりあえず何を作ろうかな。

「また昨日の余りとかじゃないよね」

「カレーは一日寢かせた方が味しいのです」

「いや、だってここの晝飯週の半分がカレーライスだよ?」

「だったらライス定食でも食べれば? ごはんにおかずのごはん、味噌と思わせてごはん、漬と思わせてごはん……」

「ごめんなさい許してください」

あっという間にみずきはギブアップを宣言した。まぁ、前例があるからね、怖がる気持ちも解るんだな。

「……まぁそんなにカレーが嫌いならしアレンジするのもいいよね」

そう言って私が取り出したのはパルメザンチーズ。これを盛り付けたカレーに振り掛けて焦げ目が付くまでオーブンレンジで加熱して……。

「カレーグラタン風の出來上がり」

「おおーっ」

「あれ、大沢さんはー?」

「なんだか香ばしい匂いがすると思ったら……」

奧の階段から降りてきた、さては寢てたな? 目を眠たそうにってるから確実だろうけど。

「仕事もねーから暇なんだよ」

「瀬谷姉弟が居なくなってから、なんか暇になりましたね」

「あの一家は代々トラブルメーカーなのか?」

大沢さんそりゃ言い過ぎ。たしかにマリナさん來てから霊による事件が三倍近くに膨れ上がったけど。

そもそもここはちょっち問題がある人間しか來てないイメージがあるし、そう言ってるここにいる人間すべてが一般常識を普通に逸出來る人間ばかりってのは普遍な事実。

要はここに來れば一般世界で“異端”な存在がこの世界では“普通”の存在になるということ。異端が埋もれてしまうほどこの世界の澱は深い。

「さて、食うか食うか」

「いただきま〜す!」

……ってなに人がモノローグに浸ってる間に食事しようと! もう二年もこんなだから慣れてるけどこれはひどいよ!

味いから仕方ない」

「言うと思った」

大沢さんは困るとすぐ褒めるからね。嬉しいけど。

「……でさっきの話の続きだけどさ。どうして祐希も連れてったわけ? ぶっちゃけマリナだけで充分でしょ。あいつだって一応神憑きなんだし」

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