《ルームメイトが幽霊で、座敷。》の思考と參考意見

「私は、城にそんな重要人は居ないと考えているのよ。普通に考えたら解る話よ、仮に私たちみたく新米の中にもちょっと変わった考えの持ち主だっているわけでしょ? ……例えばの話、ゲームにはそのルールに乗りれて、直ぐ側にルールを知している人間が著くでしょう? これを今回に結びつけることは……果たして可能かしら」

碧さんの意見は解る。言いたいことも……解る。

だが、果たしてそんな生溫い真実なのか? そうなら、どうだというんだ。間違いじゃない――だなんてことは誰にだって言えない。なくとも、それほどの確証をもった人間は居ないはずだ。

あり得ないことはあり得ない――かつて誰かが言っていた気がするが、果たしてそれは正しいといえるのか。それに近い、何かではないのか? と考えていくだけで頭の中が埋まっていった。

「……聞いているかな?」

――俺は碧さんのその言葉を聞いて、漸く現実へと帰還した。

「あぁ、勿論聞いている」

「……ったく、勝手に自分の世界に閉じ籠りやがって。引きこもるならせめてここを出してからにしなよ」

碧さんはそう獨りごちった。ふと時計を見ると、もうお晝を回っていた。

「もうこんな時間なのか。……信楽さん、ちょっと出てきます」

「構わないが……いったいどこへ?」

「……ちょっと城にまで」

そう言って俺は扉を開けて外に出た。

◇◇◇

外は真夏日のような暑さだった。

茹だるような暑さでもトロングラッシュの中心街は人がたくさんいた。別にここまで居なくてもいいだろうに、と俺は小さく呟いた。

「人ってのはそういうもんだからねぇ。特に安売りとかあったら暑いだの寒いだの関係なくいくから、さ」

そう言って碧さんは小さなポスターを取り出した。それを眺めると――こんな文面になっていた。

『トロングラッシュ市場にて、収穫祭を開催。會場ではオレンジジュースを無料配布します』

「……オレンジジュース目當てで行ってるわけじゃ……無いよな」

「果たしてどうかしらね? もしかしたらそういうのを目的として來ているのが大半だったりして」

そう言って碧さんは手際よくポスターをアイテム化した。

「……ところで、城に行ってどうするつもり? まさか、直接この世界がゲームであることをばらすとか?」

「正直それは懸けだよな……。とりあえず隙を狙って、ここがゲームだという証を探したい」

「探せればいいけれどね。ここまでリアルなゲームがポツンとゲームらしさを殘すとも思えないし」

「……裏を返せば、ゲームらしさが見られないほど自然な場所にそれはあるんだと思う。そして運がよけりゃ……それを見つけて、それをダシに渉するしかねーな」

「……あんた意外と黒いのね」

お前ほどじゃねぇよ、と呟いた俺は城への道をただただ前進した。

    人が読んでいる<ルームメイトが幽霊で、座敷童。>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください