《ルームメイトが幽霊で、座敷。》カミと異形の急會議(中編2)

それを聞いて百鬼夜行は面食らったように目を丸くした。

そして大きく笑い出したのだ。

百鬼夜行は暫くそのまま笑い聲をあげていたが、漸く笑いを抑えて、話をする。

「……いやぁ、すまない。面白かったものでね。まさかカミからそんな言葉を聞くなんて」

「お前のバックに何がついているのかも既にはっきりしている。誤魔化しは利かない」

それを聞いて百鬼夜行は溜め息を吐く。

首を振ってから、

「やれやれ。私は安全な話し合いをしよう……そう思っているのに」

ガクン、と。

空気が変わったような気がした。

「あちらからは、カミは殺さずに會議を終わらせろ……そう言われていたが、會議が終わらないのであれば、それも仕方ないことだ」

「我々を殺す。そう言うか」

「仕方がないだろう? この計畫は必ず行われなくてはならない。それはカミが決めたこと、私のバックが決めたことだよ。私はそれと契約を結んでいるだけに過ぎない。だから、それに逆らうことは出來ないし逆らうこともしない。それが契約の理由だ」

「契約の理由……ねえ」

タイガノミコトは小さく舌打ち。

「……ならば、我々も『本気』を出さねばならないだろうな……。なぁ、キガクレノミコトよ」

「確かに。致し方ありませんね。我々も、しは良識があると考えていましたが……どうやら百鬼夜行のバック、『オオヤシマ』は思ったより頑固な存在のようですね」

オオヤシマというワードを聞いてぴくりと反応する百鬼夜行。それを見てニヤリと笑みを浮かべるのはタイガノミコトだった。

キガクレノミコトはすっと立ち上がり、目を瞑ったまま――一歩前にき出した。

ただ、それだけだった。それだけのことだった。

だのに、キガクレノミコトは百鬼夜行の目の前に立っていた。キガクレノミコトは右手を百鬼夜行の前に手を當てる。

そして、百鬼夜行はそのまま後ろに吹き飛ばされた。百鬼夜行はずっと吹き飛ばされ、襖が壁になって勢いが徐々に抑えられていく。

だが、それでも。

百鬼夜行のが止まることはなく、そのが外へと飛ばされ、大きな巖にぶつかり、漸く停止した。

「……妖怪の王とは言うが他もないな。これが『妖怪の王』の実力か」

タイガノミコトは呟く。

だが、キガクレノミコトはそれに気付いていた。

だから、

「タイガノミコト、後ろだ!」

キガクレノミコトはんだ。タイガノミコトはその言葉を聞いて、後ろを振り返る。

遅すぎた。

ただ、その一言に盡きた。

剎那、タイガノミコトは背後に立っていた百鬼夜行の攻撃をモロに食らった。

◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇

オオヤシマではヤタガラスを介にして、その戦闘をモニター越しに眺めていた。

「……やはり渉は決裂だったか。いや、そもそもあの渉はあちらからの一方的なものだったが」

イザナギの言葉に他のカミは頷く。

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