《ルームメイトが幽霊で、座敷。》カミと異形の急會議(中編3)
「まぁ、これはあくまでも予想の範疇だったでしょう。タイガノミコトとキガクレノミコトがそうなるのは充分考えられていたことです」
言ったのはイザナミだ。イザナミの聲はどこか凜としたじがあり、聞いていて心地良いのだ。
「さて、ツクヨミがアマテラスの回収を完了し、現在こちらに向かっているとのことです」
言ったのはコノハナサクヤヒメだ。コノハナサクヤヒメは非常にしい存在として知られている。そしてその存在はカミの世界『神界』でも同様の効果を発揮する。
コノハナサクヤヒメの話は続く。
「アマテラスもスサノオも裏切ってしまいましたが、アマテラスが我らの手に落ちたことを知ればスサノオだって戻ってくることでしょう」
「それもそうだ。そして、そもそもそれを狙っているのだから當然と言ってもいい」
イザナギはそう言って酒を呑む。
「……日本神話最大でかつ最強の『裏切り者』アマテラスは我々の手に落ちた。もうここから抜け出すことなど不可能と言ってもいいだろう。……さて、果たして人間はその狀況からどうく?」
◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇
タイガノミコトとキガクレノミコトは壁にめり込んでいた。そのには細かな傷がついている。
対して百鬼夜行は無傷。狀況は完全に最悪だった。
笑みを浮かべながら百鬼夜行は気を失っているのかけなくなっているのか解らないが、壁にめり込んでいる二柱へと近付いていく。二柱はをかそうとしても、思うようにかなかった。
「……なぁ、百鬼夜行よ」
タイガノミコトを完全に破壊しようとしたその時、タイガノミコトは百鬼夜行に向けて、そう言った。
「なんだ、まだ生きていたのか」
対して百鬼夜行は小さく溜め息を吐く。
タイガノミコトは言った。
「お前さんが強いのは解った。このままでは私たち二柱じゃ倒すことが出來ず、逆にやられてしまうだろうということも……口惜しいが解った」
一息。
「だが……せめてここにいるキガクレノミコトだけでも助けてはくれないか」
「まさか貴様からそんな提案をされるとはな。長く妖怪はしておくものだ」
タイガノミコトの提案を、百鬼夜行は鼻で笑った。
だが、それにも気にせずタイガノミコトは話を続ける。
「何もただでとは言わない。日本神話で隠されたカミ……アマテラスよりも強いという史実も、お前たちは知っているだろう。だからなかなかオオヤシマも手を出せなかった。この場所が神聖であり続けた。……それはほかでもない私の力だ」
「つまりあれか」
百鬼夜行は目を瞑り、力を籠める。
「タイガノミコトの首を渡す代わりに、そこにいるキガクレノミコトを見過ごせ、と」
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