《ルームメイトが幽霊で、座敷。》突然の結末と悪足掻き(前編)
冠天堂。
関東地方にチェーンを構える和菓子屋である。しかしながら最近はロールケーキを販売しているらしい。味しいのか。味しいんだろう。そこまで言うんなら。
「……ここで待ち合わせかよ?」
冠天堂、その店。
そこがカミサマとの待ち合わせ場所だった。
ほんとうに來るのか……とかそんなことを想っていたが――。
「やあやあ、久しぶりだね」
夜音さんが突如として聲を出した。何を言っているんだ、そこには誰も――。
――いや、それは間違いだった。
「久しぶりだね……。なぜ、俺たちを呼びつけた? まったく、あいつに説明を付けるのが大変だったよ」
「クシナダヒメは、なあ……。よく、あいつとくっついていられるよね? クシナダヒメ、若干ヤンデレの気質があるんじゃない?」
そう言って現れたのは――普通に見ても、カミサマとは思えない二人、正確には二柱だった。
「久しぶりね、タケミカヅチにスサノオ。……早速だけど報提供をお願いするわ」
「早いな」
「早いね」
「さっさと語にケリをつけたいからね」
「何たるメタ設定!」
「とにかく、話すぞ」
夜音さんは、言った。
「……ああ、知っているよ」
夜音さんが凡てを言う前に、タケミカヅチとスサノオは言った。
「――初代アマテラスは『神界』のとある神社に封印されている」
「神社? 神界に神社があるというのか?」
「ああ、そしてその神社は――こう呼ばれている」
――神界神社、と。
……いくらなんでも、もうしネーミングセンスを輝かせようとは思わなかったのだろうか。
「神界神社、か」
夜音さんは頷く。
「ああ、その神社に『眠らされている』。裁きの時を待っているのかもしれない」
「裁き、って!」
俺は思わずんでいた。聲の大きさに驚いて辺りを見わたすが、誰かがそれに反応を示している――という風には見えない。まるで、『俺の聲なんて聞こえない』ように。
「何かあったら困るからね。シールドをらせてもらった。まさかこんなところで役立つとはね」
「……シールド?」
「シールド。又の名を『天巖戸』という。……面白いくらいに音を遮斷する。ただし、外からの聲は聞こえる。私たちの聲は聞こえないことは無いが、世間話をしているのだろうというくらいしか認識されない。それが、天巖戸だ」
「天巖戸……」
話を戻そう。
神界神社。そこへはどうやって向かえばいいのか――そんなことを考えた。
ちょうど、その時だった。
≪――へえ、やっぱり向かう予定だったのか。そして、君たちもグルだったわけか。まったく、人間というのは侮り難い≫
聲が聞こえた。
その聲は――しっかりと俺の耳に屆いた。
タケミカヅチは顔を真っ青にして、言った。
「イザナギ。まさかここまで到達しているとはね……」
≪君たちのきは常に監視していた。そして、君たちが下界に降りたときも、ね。まったく……どうして君たちはそこまで人間の肩を持つ? まったく理解しがたい≫
「そりゃ、人間と居ると楽しいからだし……。もっというなら、僕たちは人間に信じてもらって、崇めてもらって生きているわけだよ。存在しているわけだよ。ならばその人間を軽視してしまえばそこまでだとは思わないかい?」
≪下らない。人間は確かに信仰することでその対象であるカミが生存していられる。だが、今はどうだ? 人間はカミを信じなくなった。いや、信じる人間がなくなった、とも言えばいいだろうか。ならば、この世界を変えるのも一興。そうは思わないか?≫
「そんなこと――!」
俺には會話の凡てを理解することは出來なかった。
≪――ああ、もううるさい≫
ただ、その一言で、怒っていることは理解できた。
そして。
≪――いっそ、お前ら『黙ってもらう』か?≫
その言葉の直後、床にが開いた。無限にも広がる、そのは底が見えない。
「……おい、貴様!!」
スサノオがイザナギに激昂するが、イザナギは涼しい様子で言った。
≪それでは、君たちはこの世界を――この世界が崩壊していくのを、ゆっくりと眺めていくといい≫
そして俺たちは――そのに吸い込まれた。
ルームメイトが幽霊で、座敷。
完
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