《俺の高校生活に平和な日常を》第1章 #4「と銃」
「!?」
 彼の発した臺詞に思わず面を食らってしまった。
それもそのはずだ。俺はてっきりさっきの発言で不愉快な気分になってしまったのだとばかり思っていたからだ。
だが、今の彼の発言は明らかに別の事を言っているということだけは理解できている。
ただ、『奴らの仲間』という単語に疑問をじている。奴ら?仲間?
そんなことを考えていたら彼は続けざまにしゃべりだす。
「さっきから人の気配がしていたけど、まさか自ら顔を出してくるなんてアンタもなかなかのマヌケっぷりね!」
なんでだろう。話は理解できないが『マヌケ』という言葉にグサリときてしまった。生まれて初めて初対面の人にマヌケと言われたかもしれない。そもそも初対面の人にそんなことが言える人の気が知れないが…
とりあえず今の會話から察するに彼は勘違いをしているらしい。まずはその誤解をとかなくては。
「ちょ、ちょっと待って!何かご、誤解してるとお、思うんだけど!?」
いつものコミュ癥のせいで甘噛みしまくってしまった。余計、怪しまれてしまっただろうか?
「そうかしら。みたところその制服、同じ學校のみたいだけど、學校は正反対の道だし、今の時間帯からだと真っ直ぐに學校に向かわないと間に合わないはずだし、あながち先回りでもして隙を伺おうとしてたんでしょう。だけど、その作戦は失敗のようね」
 ますます疑われているようだ。だが、ここで食い下がる訳にはいかない。
「いや、ち、違うんだ!家にわ、忘れしたからと、取りに行こうとしただけなんだって!」
無意識に振り手振りも加えながら一生懸命説明した。もう冷や汗が止まらない。まだ四月上旬なのにこんなに汗をかくとは思ってもいなかった。
「………」
すると、急に彼は黙ってこちらをジッと見つめている。瞬き一つせずただ真っ直ぐに俺の目を見ていた。俺も思わず彼の目に吸い込まれる様に見つめる。大きくて綺麗な黒の瞳をしている。
2~3秒くらい見つめていると段々気恥ずかしくなってきた。それもそのはず。子との會話おろかまともに人の目を直視出來ない俺が數秒間目を合わすこと等生まれて初めてかもしれない。もう心臓が張り裂けそうだ。
 彼はそんな俺をしばらく見つめていると肩を落とす様にため息をつく。そして、彼はまた話を続ける。
「どうやらウソはついてないみたいね。ごめんなさい。私の勘違いだったようね」
どうやら誤解は解けたのかな?さっきの態度と打って変わってショボくれた顔をしている。まあ、気持ちは分からん訳でも無いが…
 その後、彼は軽く謝罪をしながら話しを続ける。
 「今回の件は私に非があるわ。だからこれで許して貰えないかしら?」
 そう言いつつ彼は鞄から茶の封筒を出し始めた。そしてそれを俺に向かってポンっと投げた。慌てて俺はそれをキャッチした。
 「これで今回の件を水に流してくれると助かるわ。それじゃ」
と言い殘し、彼は俺の橫を走り去っていった。去り際のときに微かに彼の匂いがした。ラベンダーの香りだろうか?とてもいい匂いがした。子ってなんでこんなにいい匂いがするのだろう?
その後の俺はしばらくの間その場にただただ時間を忘れて座りつくしていたのだった。
 
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