俺の頭はショートを起こしていた。今彼はなんと言った？

「い、今なんて言った？」

思ったことがそのまま口に出ていた。

「とぼけないで！アンタ、アタシが殺し屋だってこと誰かに話したんでしょ！！」

やはり何度聞いても理解できなかった。え？こ、コロシヤ？

「ちょっ、ちょっと待って！！あ、あのは、話っていうのは？」

テンパりまくりながら彼に質問を投げかける。

「アンタがアタシのを誰かに話していないか確認したかっただけ。それに、アタシは『校舎裏に來て』と言っただけで別に話というほどのことではないわ！」

彼の話を聞いているうちに段々現実に引き戻されていく。それと同時に俺の頭は真っ白になっていった。

どうやら俺はとんでもない勘違いしていたらしい。まぁ、萬が一のときの準備はしていたつもりだった。だが、彼の発言は俺の想像を超えていた。

彼の！！夏目有紗は殺し屋だった？？冗談も大概にしてくれよ！！！

「ねぇ、聞いてんの！！」

彼はまだ俺のを揺らし続けていた。あまりにも揺らし過ぎたせいで頭にが登ってきた。

とりあえず何も喋っていないからそのことはちゃんと説明してあげないと。

「お、落ち著いて！誰にも何も喋ってないから！！ホントだから！！」

そう言うと彼は手を放し、ムスッとした顔でこちらを睨み付ける。こういうことを言ったら不謹慎だろうが怒った顔もマジで可い。俺も怪しまれない様に彼の顔を見つめる。まさかこんなことが1日に2回も起きるとは！

お互い見つめあって周りからどう見られているのだろうか？ドキドキしながら俺は彼の顔を見つめていた。するとまた彼のほうから視線を外した。そしてまたため息をつくと彼は話始めた。

「どうやら本當みたいね。話したんじゃないかと思ってし焦ったじゃない！」

し？俺からみたじかなり焦っていた様に見えたけど…

でもとりあえずまた誤解を解くことはできた様だ。だが、俺にはまだ気になることがある。

「あ、あのさ、夏目さん---」

そう言いかけたときだった。

「有紗でいいわよ」

「えっ？」

唐突に言われてビックリした。

「アメリカに居た時は下の名前で呼ばれてたからそっちの方が馴染みがあるから。それに同い年でさん付けはおかしくない？」

…ああ、そういこと？じゃあ…

「有紗ってさあ、その、あの…」

なかなかどう言ったらいいものだろうか？俺が戸っていると彼は察してくれたのだろうか、

「ああ、どうやらアンタにはちゃんと自己紹介しておいた方がいいかもしれないわね！」

っと、あきれた様な顔で話を続ける。

「アタシは夏目有紗。この間まではアメリカに住んでいて表向きは普通の學生でまかり通ってるけど、裏ではれっきとした---殺し屋よ！」

後にこのことを知ってしまった俺はとんでもないことに巻き込まれることになってしまう。勿論、そのことは俺はまだ知らない。