---奧田おくだ　宗助そうすけ(32)。元夏目財閥の一員で過激派マフィアの『Crusherクラッシャー』の若頭としてここ最近派手に暴れまくっている男だ。

銀髪の刈上げで背は190を超えていてガッチリとしたをしている。顔もかなりの強面らしい。

どうやらこの奧田という男、マフィアになる前から々と問題を起こしていたらしく創次郎さんも手を焼いていて結局クビにしたそうだ。

しかしクビにされてから奧田の暴挙はさらにエスカレートしていき、Crusherにってからは夏目財閥の関係者に脅しをかけたりしまいには関係者という理由だけで殺されてしまった人も出てき始めた。

流石の事態に創次郎さんはFBIに協力を求めるまでになった。そのおかげか奧田も段々大人しくなっていた様だ。

だが、最近Crusherのメンバーがあちこちで抗爭を起こし始める様になった。それが、創次郎さんが病に倒れて間もない頃である。まるでこの時を待っていたかの様に。

---そして今から半年前、Crusherのメンバーが彼に喧嘩を売り始める様になった。それが何度かあってから創次郎さんから大事な話があると呼び出された。

「いいかい有紗、私の話をよく聞いておくれ。私はもう長くない。これ以上お前を守ってあげる事ができないんだ。ちょうどもう時期ジュニアハイスクールを卒業だ。そこで提案なんだが…」

かなり弱々しい聲になりながら彼にある提案を持ち掛けた。

「有紗、日本の高校に行ってみないかい？私のの知り合いに話をしていてねぇ、お前と同じ歳の息子と1つ下の娘が日本に住んでいるらしい。もし日本に行くんだったら3人で一緒に住んでみないかい？私も前に何度か會った事があるが2人ともいい子だったよ。まあ、同い年の男の子と一緒に暮らすのは恥ずかしいとは思うけど…」

聲は弱々しいままだが笑顔で彼に話している。だが彼には分かっていた。今この人は無理をしている事を、そして彼のことを心配してこの提案を持ち掛けている事を。

彼は別に奴らに喧嘩を売られている事を誰にも話した覚えは無い。だが、創次郎さんには見抜かれていたのだろう。

「私の事を思ってくれてるのは有り難いけど、私なら大丈夫よ！だから心配しないでおじいちゃん！！私がずっと傍にいてあげる！！ここは私が守ってあげる！！」

だが、彼は創次郎さんの傍にいる事を選ぼうとした。それはそうか、創次郎さんは彼にとって唯一の家族だ。

しかし、現実とは殘酷で彼のその願いは葉わぬものとなってしまうのである。