俺は暫く須川さんとオタクトークで盛り上がっていた。

 「あっ、もうこんな時間になっちゃいましたね」

 須川さんが時計を確認したのを見て俺もスマホで時間を確認して見た。時間はもう18時を超えていた。

 「ホントだ！なんか隨分話し込んじゃったね」

 「本當ですね。ふふっ、こんなに話し込んだのは初めてかもしれません」

 俺なんかの子と1対1で會話するなんて滅多にない。

 「そろそろ帰りましょうか？」

 「そ、そうだね！」

 そう言うと俺達は帰宅することにした。

 ---「まさか帰り道まで一緒なんて凄い偶然ですね！」

 神よ！こんな事があってよろしいのでしょうか？俺は今、學園のマドンナと一緒に同じ道を歩いている。しかも歩幅一歩分の距離に彼がいる。

 (もう心肺停止しそう。でもそれもイイかも)

 俺の心臓はバックバクしている。張で本當に心肺停止しそうだ。隣から薔薇のいい香りとかするし…

 「いつも歩いて帰ってるの？」

 「はい！いつも帰りに買いして帰るので…」

 これはまた意外な事実を知ってしまった。

 「ひょっとして須川さんって1人暮らし？」

 「ええ、高校にってからなんでまだ慣れないですけど」

 (高校からって中學は実家暮らしだったらなんで1人暮らし始めたんだろう？)

 地元の高校の筈なのに実家暮らしじゃない事に疑問が浮かんだがあまり気にしない事にした。

 「そう言えば、佐藤君は妹さんがいらっしゃるんですよね」

 「うん、そうだけど、どうかしたの？」

 「中學の時、見てましたけど、可い妹さんがいらっしゃて羨うらやましいな〜と思ってたんですよ」

 須川さんの顔には笑みというよりニヤケ顔が浮かんでいた。

 「須川さんは兄弟とかいないの？」

 「ええ、1人っ子なんです。だから佐藤君がとても羨ましいです」

 確かに梓は俺の誇れる最高の妹だ！自慢したい程だ！

 「あっ、ごめんなさい！買いして帰るのでココでお別れですね」

 話をしていたらいつの間にか家の近くのスーパーまで來ていた。

 「ああそっか！それじゃあまた明日！」

 し名殘惜しかったが俺は須川さんと別れの挨拶をした。

 「あっ、待って下さい！」

 すると須川さんに引き止められた。

 「よかったらですけど、連絡先換しませんか？」

 そう言って俺は學園のマドンナの連絡先をゲットしたのだった。