《俺の高校生活に平和な日常を》第2章 #20「彼が吸鬼?」

 「ふふふ…」

 不適に笑う須川さんを見てると何だか寒気がしてきた。

 「どうやらこれ以上隠せそうにありませんね。なら本當の事を教えてあげます」

 須川さんがそう言うと彼の口元から鋭い牙が生えてきた。俺はただただその景を唖然と見ていた。すると須川さんから衝撃の一言を聞かされた。

 「…実は私、吸鬼なんです!」

 「…は?」

 今なんと言ったのだろうか?聞き間違いでなければ『吸鬼』と聞こえたのだが…

 「正確には吸鬼と人間のハーフなんですけどね」

 俺が唖然としている間須川さんは話を続けていた。っというか吸鬼と人間のハーフって言った?

 「あんた、今吸鬼って言ったけど、吸鬼っていうのは太に弱いって聞いたことがあるんだけど?」

 俺を余所目よそめに有紗は須川さんに疑問を問いかけた。吸鬼っていう程ていはもう肯定するのね。

 「確かに吸鬼は太に弱いですけど、きが鈍くなるだけで、死ぬワケではありません。それに対策ならバッチリです!」

 そう言うと須川さんは鞄から何かを取り出した。アレはなんだろう?

 「この日焼け止めがあれば太けず、なおかつUVカットによりを紫外線から守れますから」

 「は、はあ…」

 なんだろう?吸鬼ってそんな緩い設定の種族なの?もう話がサッパリついていけなくなってきた。

 「因みにニンニクや十字架が弱いっていう説もありますけど、アレはまったくのデタラメです。そもそもなんでその2つがあがってきたのか私達には理解出來ませんよ」

 ペラペラと饒舌じょうぜつに話す須川さん。ここまで話せる人なのかと思ってしまった程だ!

 「それにしても、殘念です。もうしで上手くいくとこだったのに…」

 須川さんは俺の方に向かってそう言った。俺はふと大事な事を聞き忘れていた。

 「そう言えば、このタイミングで言うのもあれなんだけど…」

 「なんですか、佐藤君?」

 どうやら、話を聞いてくれる様だ。

 「俺を呼んだ理由って結局なんなの?」

 俺は最も気になる質問をぶつけた。明らかにこの狀況で『好きです』っていう流れはなくなっているだろう。そう思うとそっちの方が俺にとっては重要な事だ!ようやく俺に本當の春が來たと思ったのに、何だよ!吸鬼って…

 「…それはですねー…」

 須川さんは急に恥ずかしそうな素ぶりを見せてきた。顔も赤くなってるし、モジモジしている。

 「…好きなんです!」

 「………え?」

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