《俺の高校生活に平和な日常を》第10章 #20「ミス・菜々志乃コンテスト(みのり編)」

---「はーい、ありがとうございましたー!」

「いやー、どの子も可いかったですねー! やっぱうちの學校のの子はレベルが高いですよ」

7人中4人が終わったあと、藤原先輩はふとそんなことを口にした。

だが、たしかに今まで出てきたの子達はどの子も可いかったし、ドキドキさせられた。ブルマにセーラー服、ビキニやスク水なんて子もいた。そろそろ寒くなってきてるこの時期にそんなものを著るとは、相當張り切ってたんだろうな。

「さてさてー、ミス・菜々志乃コンテストも後半戦! 殘り3人となりました!」

「どの出場者もすばらしくて、これは本當にだれがミス・菜々志乃に選ばれるのかわからなくなってきましたね!」

「うおーー!!」

藤原先輩と小川先輩はさらに盛り上げようとすると、観ている生徒達もそれに応えるかのようにさらに盛り上がりをみせていた。

殘るは3人。有紗とみのりはまだ出ていないからそろそろ2人のうちどちらかが出てきてもおかしくない。

しかし、どっちを応援してあげるべきか正直悩む。2人とも応援したいのだが、ミス・菜々志乃は1人だけだからなー。

顔『だけ』ならあの2人は學校でもトップクラスだ。そう。顔『だけ』なら。

「それでは參りましょう! エントリーナンバー5番! 1年2組、須川みのりさんです! どーぞ!!」

「おっ、とうとうみのりの番か」

余計なことを考えていると、今度はみのりの番がやってきた。

「…ぉおーー」

藤原先輩の紹介のあと、舞臺袖から歩いて來るみのりに男子生徒達は思わず聲をらしていた。

みのりはコスプレ喫茶で著ていたチアガールの格好でやって來たのだが、舞臺上にいるからスカートの中がギリギリ見えそうになっている。

それ見逃しに舞臺にじわりじわりと近づいていく男子生徒がチラチラと見えた。

「それでは、一言どーぞ!」

舞臺に登場したあと、みのりは藤原先輩にセリフを促された。

すると、みのりは小さく深呼吸をした。みのりの深呼吸する音がヘッドセットマイク越しに微かに聞こえてきた。

そして、

「私、あなただけのために応援するから、あなたは私だけのためにがんばってね♡」

「ッ!?」

その一言で會場全に靜寂の空気が流れた。覗き込むような視線、優しい口調、セリフの最後に『約束だよ♡』というメッセージを含んだウインク。

完璧だった。もしこれが人の関係ではなく、友達までの関係だったとしたら、間違いなく落ちるだろう。

しかし男子だけではなく同子でさえも心を奪われていた。その結果、靜寂の空気が流れたのだ。

「は、はい! 須川みのりさん、ありがとうございましたー!」

しばらく靜寂の空気が流れたあと、ようやく司會の小川先輩が進行を続けた。みのりはそれを聞いて満面の笑みを浮かべて舞臺袖に消えて行った。

「いやー、すごい破壊力でしたねー。まだドキドキが止まりませんよ!」

「そりゃああんなこと言われたらだれだってドキドキしちゃいますよ! 子の私も思わずドキッとしちゃいましたし!」

「これはぜひ夜の応援もぶっ!?」

「はい。これ以上言ったらぶっ殺しますよー」

しかし、さすが放送部。1度しゃべり始めるときっちりひと笑い起こしていた。まあ藤原先輩がただ下ネタを言おうとして、それを小川がボディーブローで制止しただけなのだが。

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