《俺の高校生活に平和な日常を》第10章 #22「ミス・菜々志乃コンテスト(子&結果発表編)」

---「は、はい! というわけで、夏目有紗さん、ありがとうございましたー!」

「と言っても本人はもういないんですけどねー」

しばらくしたあと、ようやく小川先輩がしゃべり始め、またひと笑起こしていた。

「さて、とうとうミス・菜々志乃コンテストも殘り1人となってしまいました」

「ちなみに、最後の方は今日、つまり本番當日にエントリーしてきたらしいですね」

「ほお? 飛びり參加ですか。いきなりエントリーしてきて大丈夫なんですかね?」

「さっきの2人を見て、余計に張しているでしょうが、がんばってもらいましょー!」

「へー。だれだろう?」

司會の2人の會話を聞いているとどうやら最後の人は飛びり參加でったらしい。運営側もよく參加を許したなと思うが、その人もその人でそれなりに自信があるのだろうか?

最後のうえ飛びり參加ということもあり、生徒達はだれが出るのか予想したりして盛り上がっていた。俺の知っている子は出たし、まったく想像がつかなかった。

「それでは最後の方、參りましょー! 2年3組・風見子さん、どーぞ!!」

「ッ!? 風見、先輩?!」

しかし小川先輩の口から出た名前を聞いて俺は驚愕させられた。俺以外にも驚いている生徒はけっこういた。

まさか大トリに風紀委員長が出てくるなんてだれが想像できただろうか?まあルックスはあの2人にも劣らないけど。

「……」

風紀委員長が出てくると知ってか、皆固唾を飲んで見守っていた。

「ッッッ!!!???」

すると、呼ばれてからしして風見先輩がおもむろに歩いて來た、のだが、

「……」

風見先輩が出てきた途端、皆馬鹿みたいに口を開け唖然としていた。

まるで神が現れたのかと思ってしまった。いや、ひょっとしたら風見先輩の皮を被った神かもしれない。そうと思ってしまうほどに風見先輩の姿が神々しかった。

風見先輩はなんとウェディングドレス姿で登場してきたのだ。ブーケを持ちながら歩いてくる様はまさに花嫁そのもの。しかし、花嫁ってこんなにも神々しかっただろうか?

「…わ、」

みんなが唖然とするなか、風見先輩は司會の合図を待たずにセリフを言おうとしていた。

よく見るとなぜか頬を赤く染め、若干涙目になっている。あれ?ひょっとして風見先輩も有紗と同様に恥ずかしがってる?

「私をし、しゅあわせにしてくれますか?」

「ッッッッ!!!!????」

涙目になりながら言った風見先輩のセリフにほぼ全員の生徒がハートを抜かれ、なかにはそのまま気を失う生徒まで出始めてしまった。

「ランコーちゃん、すっっごいかわいいよーー!!」

「ッ!?」

そんななか、1人の子生徒だけものすごくはしゃいでいた。

「ぅぅ…。花のばかぁー」

それを見た風見先輩は顔を真っ赤にし、小聲でなにか言い捨て泣きべそをかきながら舞臺袖に逃げて行った。

---「…えっ、えーっと、じゃあこれより投票を開始したいと思います! 生徒のみなさんは後ろにある投票箱に投票よろしくお願いします。投票は1人1回となっております。投票用紙に投票する人と自分の名前を書く欄があるので記れがないようにお願いします。記れや無記名投票は無効になります。それでは今から投票タイム開始です!」

風見先輩が舞臺を去ってしばらくしたあと、ようやく藤原先輩が投票についての説明を始めた。まさか2回も進行が止まるとは思わなかっただろうな。

藤原先輩の説明が終わるとみんな後ろに設置されていた投票箱に向かって行った。

---そして、約30分くらいで投票が終わりその結果、圧倒的な差で風見先輩が今年のミス菜々志乃に選ばれるのだった。當の本人は雲隠れして結果なんて聞いていないようだけどな。

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