《俺の高校生活に平和な日常を》第10章 #24「だれと一緒に見るか」

「おおー!?」

夏祭りのときとは違い、市販で売られている打ち上げ花火だからさほど大きいものではなかったが、それでも花火が打ち上がると生徒達から歓聲が上がった。

「……」

一方で有紗の方は歓聲1つ上げないものの、見惚れるようにずっと打ち上がる花火を見つめていた。

「よかったな有紗。今度こそちゃんと見れて。って言っても市販のやつだけどな」

俺は花火を見ながらふと有紗に向かって冗談まじりにそう言った。

「そんなの関係ないわよ。大事なのはだれと一緒に見るかよ」

「…有紗、それって…」

すると有紗は花火を見ながらそう返してきたのだが、『だれと一緒に見るか』という一言に引っかかっていた。それってつまり…

「それってつまり、『3人』で見る方がいいってことですよね?」

「ッ!? みのり?!」

「ッ!? あんた、いつの間…」

俺がそのことについて問いかけようとしたそのとき、俺達の背後からみのりが話に割ってってきた。いつの間にそこにいたのかは知らないが、その前にみのりの笑顔に妙に殺気をじる気がするのだが、気のせいだろうか?

「それより、お2人にお聞きしたいことがあるのですが」

「あんた、なにしれっとってきて…」

みのりは俺達の話などガン無視でスマホを取り出しながら自分の話を進めていた。

「大したことではないんですけど、この寫真に寫っているの、お2人ですよね?」

「…えっ?!」

「ッ?!」

そんなみのりは俺達に1枚の寫真を見せてきた。

するとそこには俺と有紗がちょうどカップルジュースを飲んでいる瞬間が寫っていた。

撮られた位置からしておそらくあの喫茶店の店員さんだろう。俺達の様子をかなり見てたしな。

これは俺の推測だが、その寫真をSNSに上げ、それをみのりが偶然見つけてしまったといったところか。

「ずいぶんと仲が良さそうで。これだけ見るとお2人が『人同士』に見えますよね?!」

「み、みのり、さん?」

その寫真を見せつけてきたみのりはなぜか不機嫌そう、というか口調が若干苛立ってるようにじられる。それをじて思わず俺は敬語を使っていた。

「もちろん、お2人が人同士ではないことを私は知ってます。だから教えてくれませんか?『これは一どういうことですか?』、和彥君♡」

「ッッ!?」

さらに俺達に問いかけるみのりの笑顔とてもおそろしいもののように見えて背筋に寒気が走っていた。

結局、後半は問い詰めてくるみのりのおかげでほとんど見れずに終わってしまうのだった。

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