《俺の高校生活に平和な日常を》第10章番外編 #2「それぞれの學園祭(子編 〜前編〜」

---「…うぅ…」

育館を飛び出した私は校舎裏にひっそりとを隠すように涙を拭きながら座り込んでいた。

勢いよく逃げてしまったもののみんなのところに戻りづらくなってしまった結果、人気のないところにを隠すことになってしまったのだ。この格好で家に帰る勇気もなかったし。

「……」

1人を隠していた私はふとこれまでの経緯を思い返していた。

私がミスコンに出た理由は花のむちゃぶりからだった。

---「ねーねー、ランコーちゃん。ミスコン出てみない?」

「えっ?!」

學園祭當日、花から急にそんな話を持ち出されていた。最初、急すぎてなにを言ってるのかわからなかった。

「い、今さらー?! そ、そんなのムリに決まってるでしょー!?」

ようやく言っていることの意味を理解した私はすぐに斷った。

「えー!? そんなー!?」

話を斷られた花は驚愕しているが、そもそも私がこういうの苦手だって知っているはずだ。

「…だいたい、エントリーももう締め切っちゃってるでしょ?」

私は花に諦めてもらおうと思い軽い気持ちで問い詰めてみることにしたのだが、それがかえって花を後押ししてしまった。

「うん! でも、話聞いてみたらもう1人ぐらいなら大丈夫なんだってー!?」

「ええっ?!」

花は待ってましたと言わんばかりに私の問いかけに答えた。どうやら先に運営委員の方に話を通していたみたい。

「け、けど、裝はどうするのよ? さすがに學校の制服で出ても味気ないでしょ?」

劣勢に立たされた私は負けじと問い返してみた。さすがに裝までは準備していないだろう。

「ランコーちゃん、今日學園祭だよ? コスプレ喫茶とかファッションショーやるところもあるみたいだし、他のクラスの子にお願いすれば貸してくれると思うよ?」

「ッ?!」

しかし、花はあっさりと言い返してきた。まさかその手があったとは思わなかった。

---そして、隣のクラスが『偶然』にもファッションショーをしていたので、花がお願いしに行った。

すると、なぜか『偶然』私の型に合う裝を見つけてきた。その上、『偶然』その裝を著る予定だった生徒が當日休んでしまったらしい。

せっかく作ったのにだれにも著られないのはもったいないということでお願いしてみるとすんなり貸してくれたようだ。

まあそれはいいとして、こんなにも『偶然』が重なるものなのだろうか? ひょっとしたら花がなにか仕組んでいるのではないかと思えてきたのだが。

こうして私はミスコンに出場することになったのだった。

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