《俺の高校生活に平和な日常を》第10章番外編 #4「それぞれの學園祭(子編〜後編〜」

「それでは、最後にもう一つ聞いてもよろしいでしょうか?」

「まだあるの?」

私が一言コメントすると、小川さんは次の質問をしてきた。気のせいか、いつもより目が輝いているように見える。

「ずばり、どなたに告白するつもりなのでしょうか?」

「…えっ?」

しかし、期待の眼差しを向ける小川さんの質問に私は一瞬、目を丸くした。

「…って、ええっー?!」

目を丸くしたあと、ようやく言葉の意味を理解した私は驚愕していた。私がだれかに告白する? 一どこからそんな話になったのだろうか?

「こここ告白って、私そんなこと…」

「またまたー、照れちゃってー♡」

無論、私は慌てて否定しようとしたのだが、小川さんは私が照れていると勘違いしてしまっている。

「風見さんも『あの噂』信じて大會に出たんでしょ?」

「『あの噂』?」

そんな小川さんから妙な発言が出てきて思わず私は小首を傾げた。『あの噂』ってなんの話なの?

「…アレ? その反応、ホントに知らないの?」

小首を傾げる私を見て、小川さんはようやく私がなにも知らないことに気づいてくれた。

「…じゃあ、私が特別に教えて差し上げよー!?」

「えっ?!」

すると小川さんは自慢気に話し始めようとしていた。正直、そこまで興味はないのだが。

「実はこの大會で優勝すると好きな人と必ず結ばれるという噂があるの!?」

「ッ!?」

だがしかし、小川さんの発言を聞いて私は驚愕させられた。それが事実かどうかは別として、この大會にそんな噂が流れていたなんてまったく知らなかった。

「まあミスコンで優勝するぐらいだし、そんなの子から告白されたら振っちゃう男の子なんてなかなかいないだろうし、あながちその噂本當かもしんないよ?」

「な、なるほど」

最初は驚いたものの小川さんの説明で納得した。たしかにそういう理屈ならその噂はなのかもしれない。

「で、その噂を聞かせた上で聞くけど、風見さんはだれに告白するの?」

「ええっ?!」

私が納得した表を見せると小川さんは最初の質問を再び私に投げかけてきた。

「べ、別に私はそういうのはちょっと…」

「風見さんってルックスもスタイルもいいし、けっこうかわいいところとかもあるし、風見さんに告白されてうれしくない男の子なんて絶対いないと思うけど」

「そ、そんなこと言われても…」

---それからしばらくの間、小川さんからその手の質問を何度も何度も聞かれた。

しかし、その後花火のカウントダウンがあるとかなんとかで小川さんはグラウンドの方に向かって行った。そこでようやく私は解放された。

「…ハア…」

解放された私はまず最初にため息を吐いていた。質問攻めされて疲れてしまっていたようだ。

「…告白、かぁ」

ため息を吐いたあと、私はふと呟いていた。

『大會で優勝すると好きな人と必ず結ばれる』。まさかこの學校にそんな噂があったとは思いもしなかった。

「……」

ということは、大會に優勝した私にはだれかと結ばれる権利が與えられているということだ。

そう思ったとき、私の脳裏に彼の姿がよぎった。

もし本當にその噂通りのことが起こりうるのなら、私は彼に…

「はっ!? 私ってば、なにを考えてるの?! そんなのムリに決まってるじゃない!?」

という考えはすぐに消えていった。だって、彼の側にはあの吸がいる。告白どころか彼に近づこうもんならなにをされるかわかったもんじゃない。

そもそも彼のことは気になってはいるが、はっきり好きかどうかと言われるとよくわからない。

「…ハア…」

そんなことを人気のないところでひとり悶々と考えているとまたため息を吐いていた。

そんななか、グラウンドの方からカウントダウンする聲が聞こえてきた。もうすぐ花火が始まるのだろう。

「…そろそろ著替えなきゃ」

々と悶々としながらもとりあえずみんなのところに戻ろうと私はその場から立ち上がり著替えをしに教室へと向かって行くのだった。

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