《俺の高校生活に平和な日常を》第11章 #6「笑顔の人は基本信用できん」

「そのリアクション、本當に気づいてなかったんですね? それはそれで傷つきましたよ。みんなして私のこと総無視するから」

「……」

俺達はどう反応していいのかわからず困していた。

黒髪のオカッパ頭、死んだような目、その目にできたクマ、青白いにげっそりとした顔の男がこの大草原で1人気味の悪い笑顔を浮かべながら立っていたのだ。しかも、その場に似つかわしくない白を著て。

「ねえ、和彥」

「ん?」

俺達が困していると、有紗が小聲で俺に話しかけてきた。

「あいつ、絶対怪しいわよね?」

「ええ。私もそー思ってたところです」

「っていうことは、あの人がゲート出した人なのかな?」

すると、梓とみのりも俺のところに近づきヒソヒソと小聲で會話に參加してきた。いつのまにか俺の近くで井戸端會議が始まってしまった。

「あいつ以外怪しいやついなさそうだし、ちょっと痛めつけてでも報吐かせた方がいいんじゃない?」

「痛めつけるのはどうかと思いますが、話ぐらいなら聞いてあげてもいいんじゃないですか?」

「そうですね。悪い人ではなさそうですし、話だけでも聞きましょう」

「あんた達、考えが甘すぎよ!? 私達をいきなりこんなところに連れて來たやつよ!? なにか企らんでるに決まってるじゃない!?それにあいつ、さっきからずっと笑ってるし」

「?」

俺が全く會話に參加できない中、どんどん話が進んでいく。なんで俺の近くでやってるのだろうか?

しかし、平和的な考えの梓とみのりに対し、有紗は好戦的な考えを持っており、あの男の人をどうするか意見がわかれてしまった。っていうか、さっきからヒソヒソ小聲で話しているが、あの人に普通に聞こえてると思うのだが。

「あのー、さっきから話が丸聞こえなんですけ…」

「あんたはちょっと黙ってなさい!?」

「…すいません」

そう思った矢先、男の人は俺の予想通り聞こえていたようなのだが、會話に割ってろうと歩み寄ると、有紗にものすごい剣幕で一喝された。理不盡に一喝された男の人は怖くなったのか、數歩下がってしまった。側から見るとめちゃくちゃかわいそうだ。

「和彥、あんたはどっちなの?」

「えっ?」

男の人を気の毒そうに見ていると、不意に有紗に話かけられた。てっきり忘れられているものだと思っていたのだが。

「ま、まあ、話を聞くだけ聞いてもいいんじゃないか? あの人がいい人か悪い人かは置いといて、今の狀況とか々知ってそうだし」

「…わかったわよ」

とりあえず俺は梓達の意見に賛同することにした。すると、さすがに自分のわがままを押し通すわけにはいかないと思ったのか、渋々俺達の意見に了承してくれた。

まあ有紗の考えもわからなくはない。多分、あの人が俺達をこの大草原に転移させた張本人だ。絶対なにか企らんでいるはずだ。あと、俺や有紗の経験上、笑顔の人は基本信用できん。

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