《俺の高校生活に平和な日常を》第11章 #8「異世界転移」

「い、異世界?!」

俺は最初、その言葉の意味が理解できなかった。

「はい! あなた達は俗に言う『異世界転移』させられたんですよ」

「……」

人は突如夢が葉ってしまうと思考が停止してしまうものなのだろうか? なくとも俺はそうなってしまっている。

ラノベに影響をけ、『異世界とか行ってみてーなー』とかバカみたいなことを現在進行形で夢見ていた俺。

異世界行ったらどんな能力がしいかとかアホみたいなことを丸岡と話し合ったりもした。まあ大自分で考えたチート能力とかが出てくるけどな。

それほどまでに行きたかった念願の異世界に來れた俺なのだが、正直言うと嬉しい気持ちにはなぜか全然ならなかった。

「…異世界、ですか。あんまり実が湧きませんね」

隣にいたみのりは渋い表を浮かべなが獨り言のようにボソリと呟いた。

たしかにみのりの言う通り、異世界に來たという実はまるでない。なにもない大草原だし、マルクスさんも普通の人間に見えるしな。

「そんなこと、どうでもいいわよ!?」

「ッ!?」

俺とみのりがそんな疑問をじていると、痺れを切らしたかのように有紗が立ち上がった。

「要するにアンタがあの変な空間作って私達をこんなところに飛ばしたってことでしょ?」

「え、ええ。そうですね。あなた達をここに転移させたゲートは私達が作ったものですけど」

有紗はマルクスさんに問い詰めてきた。マルクスさんは若干怖じしながらも有紗の質問に答えた。私『達』ということは、他にも協力者がいるということか?

「なら、元の場所に帰せることも出來るでしょ? とっとと帰してくれない? こんなところにいつまでも居たくないし」

有紗は答えを聞くと途端に強気な態度でマルクスさんに元の場所に帰せと命令し出した。まあ言いたいことはわからんでもないが。

「あー、それがですねー…」

すると、マルクスさんは言葉を詰まらせた。なにかしらの目的で俺達を呼び出したのに、いきなり帰すわけにもいかないのだろう。

マルクスさんの気持ちもわかるが、俺も正直そろそろ帰りたいと思い始めている。気になることは山ほどあるが、めんどうなことに巻き込まれそうだし、帰れることなら早く帰りたい気もしてきた。

「あなた達を呼び出すために使った転移裝置がこの度天壽を全うされまして…」

「天壽を全うされたって、それって…」

マルクスさんは若干口を濁すような言い方で説明するが、それってつまり…

「ぶっ壊れちゃいました☆(・ω

マルクスさんからまさかのてへぺろが出た。

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