《俺の高校生活に平和な日常を》第11章 #15「魔王軍」

「魔王?! この國に魔王なんているんですか?!」

シルヴィアさんの発言に俺は驚愕させられた。この國、魔王なんているのか?異世界ものの定番といえばド定番だが。

「ああ。奴等が現れたのは、ちょうど彼がその2つの未來を見た後だった。どこからともなく大量の魔達を引き連れ、ここから正反対の山の奧に城を築いてしまったのだ」

俺の問いかけに答える國王の話し方は昔話でも聞かせるかのようだった。

「うむ。無論、先代國王、私の父は討伐隊を編し、討伐に向かわせた。だが、200人いた編隊はほぼ壊滅。命からがら逃げて來た兵士も心共に兵士として復帰出來ないほどのダメージを負ってしまった。それは私がまだ若かった頃の話だ」

「……」

どれだけ悲慘だったかは國王の表を見てなんとなく理解した。當時のことを思い出し、悲しくなってきたのだろう。

「私も聖騎士長に著任して間もない頃に魔王軍の討伐任務に向かったのだが、恥ずかしい話、城どころか山の手前で撤退を余儀なくされてしまった」

そんななか、シルヴィアさんは話を付け加えてきた。魔王軍ってそんなに強いのか。

「私達の力では魔王軍に対抗出來ない。もし仮に奴等が攻めてきてしまったら…」

「……」

シルヴィアさんの話を聞いていると、再び周りの空気が重くなっていた。だが、シルヴィアさんの話を聞く限り、もし魔王軍が攻めてきたら、この國は簡単に支配されてしまう。

「うむ。だからこそ、彼が言っていた『異世界から呼ばれし者』の力が必要なのだ。その為に私達は転移裝置を作り、あらゆる世界からあらゆる種族の者達を呼び出し、魔王軍の討伐を依頼しているのだ」

「なるほど。それが私達を呼び出した理由なんですね」

そこでようやく俺達はこの世界に呼ばれた理由がわかった。本當にリサさんが言った2つの未來のどちらかが當たるのだとしたら、それに賭けるしかないのか。

「けど、數十年もそのこと繰り返しても倒せてないんでしょ?」

「う、うむ…」

だが、有紗のキツい一言にさすがの國王もなにも言い返せなかった。まあたしかに、何十年も異世界人を転移させても未だに魔王がいるっていうことは、そーゆーことなんだよな。

「だ、だが、私達にはそれ以外の方法が思い浮かばない。勝手な話なのは承知しているつもりだ」

「うむ。若き有者達よ、どうか、どうか頼む! この國に住む魔王ミリアを討ち取ってしい!!」

しかし、有紗にキツい一言を言われながらもシルヴィアさんと國王は懇願するように深く頭を下げた。

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