《俺の高校生活に平和な日常を》第11章 #23「部屋割り」

「シルヴィアさん! ちょっと待ってください!?」

「ん? どうかしたのかミノリ?」

おそらく俺と同じことに気づいたみのりはシルヴィアさんを呼び止めた。シルヴィアさんはなんのことかわからなそうな表を浮かべているが。

「あのー、そのー、2人部屋2部屋だとなんと言いますか、和彥君のことも考慮してもらった方がいいと言いますか…」

「?」

みのりは言いづらそうにしながらも伝えようとしているが、シルヴィアさんには全然伝わっていないようだ。

「男比が1:3だから2人部屋だとだれか1人が和彥と一緒になるってこと」

「…ああ」

しかし、有紗がみのりのフォローをれるようにはっきりと言った。そのおかげでシルヴィアさんはようやく理解したようだ。

2人部屋となると、だれかが俺と相部屋になってしまう。さすがに俺も異と同じ部屋で寢泊りするのはちょっと抵抗がある。イヤ、別にイヤというわけではなく、むしろラッキーなことなのだが。

「部屋割りの話か。なら、問題ないのではないか?」

「え?」

だがしかし、シルヴィアさんは平然とした表でそんなことを言い出してきたから思わず聲がれてしまった。今の話を聞いてどこが問題ないんだ?

「部屋割りならアリサとミノリ、カズヒコとアズサで良いんじゃないか? 君達2人は兄妹(きょうだい)なのだろう?」

「そ、そうですけど…」

どうやらシルヴィアさんは俺と梓が兄妹だからなにも問題ないだろうという考えらしいが、いくら兄妹でも相部屋はマズいと思うが。2人共小學生だったらまだ大丈夫なのかもしれないが、もういい年頃だしな。

「わ、私は大丈夫です!!」

と思ったが、梓はあっさりと了承した。そんなに大聲張り上げなくてもいいんだけどな。

「ま、まあ梓がいいって言うんだったら俺も…」

「よくありません!」 「よくないわよ!」

俺も仕方なく了承しようと思った途端、みのりと有紗が苦言を呈すように割ってってきた。

「あんた、あのときのこと忘れたわけじゃないわよね?」

「? あのときって…あっ」

有紗に言われて2人が割ってってきた理由がわかった。

有紗が言っているあのときとはおそらく俺の部屋で梓が発して俺に襲いかかってきたときのことだろう。

けど、あれは由香さんからもらったりジュースを梓が飲んだから起きてしまったことだ。さすがにあんなことは2度も起こりうるとは考えにくい。

そういえばそのことを有紗達には言ってなかったっけ。もうだいぶ前のことだし話しても大丈夫か。

「あれは由香さんが…」

「ならこうしませんか?」

そのことを話そうとしたが、思いっきり無視され、みのりがなにか提案を出そうとしていた。その前に俺の弁明を聞いてしいのだが。

「ここは平等にグーパーで決めませんか?」

みのりは平等に部屋割りを決める為、グーパーで決めようと提案してきた。グーパーなんて久しぶりに聞いたな。

「なによそれ?」

しかし、有紗はグーパーを知らないようで、みのりに問いかけていた。アメリカとかではそういうのなかったのか。まあ地域によって違うって聞いたことあるし、アメリカだとなおさら聞いたことないか。

「すまない。私もそのぐーぱー? というものを知らなくてな。にほんのことについてはまだまだ勉強不足で、良ければ教えてくれないだろうか?」

シルヴィアさんも知らないようで、みのりに教えてしいと頼んできた。異世界なら余計知らないか。

「ええ、いいですよ!? まず、ジャンケンってご存知ですか?」

「あ、ああ。3つの型で勝敗を決する遊びだろう?それなら私もやったことはあるが」

みのりはまずシルヴィアさんにも分かりやすいように説明を始めた。どうやらジャンケンぐらいはこの世界でも認知されているようで、シルヴィアさんはグーチョキパーを作ってみせた。たしかにジャンケンは理解できているようだ。

「それを応用した遊びと言ったらいいでしょうか。名前の通り使うのはグーとパーだけです。そして、同じものを出した人同士が仲間になります。今回の場合だと2・2になるまでそれを続ければいいですね」

「なるほど。確かにそれであれば部屋割りも簡単に決められるな。にほんの遊びというのは中々に面白い趣向をしているな」

みのりの説明をけたシルヴィアさんはふむふむと心していた。有紗の方から聞いてきたのにシルヴィアさんの方が興味津々だな。

「説明もしたことですし、さっそくやりましょうか!?」

説明を終えたみのりはさっそく始めようと俺達に促してきた。俺達は促されるかたちで手を構えた。

「それじゃあいきますよー!? グーとパーで分かれましょ!?」

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