---「うわー、味しそー！？」

「ふふっ、そうだろ。さっ、遠慮せずにどんどん食べてくれ」

中にると、外かられていた匂いと聲がより一層増していた。

酒場の中は俺が思っていたよりはるかに広く、あちこちのテーブルで酒を飲みわし談笑する人達がいた。アニメで見るより迫力がすごかった。

俺達が空いている席に著くと、シルヴィアさんは店員さんを呼んでなにか注文し始めた。

それから數分後、店員さんが大皿に盛られた料理達を俺達のテーブルに次々と運んできた。骨付きにピラフっぽいやつ、魚の煮付けや野菜炒め、からあげにポテトフライもあった。

俺達のいた世界とほとんど変わらない料理が次々と並べられていく。俺の想像だともうちょいゲテモノ料理とか出てくるかと思ったが、割と普通に味そうな料理達だ。並べられた料理達を見ると、さらに腹が減ってきた。

「皆、ジョッキは行き渡ったかな？」

料理達が並び終わると、俺達の目の前に木製のジョッキが置かれていく。中には赤紫のが並々注がれていた。酒場だからてっきりぶどう酒かワインとか酒の類かと思ったが、アルコールの匂いはしなかった。多分、これはグレープジュースみたいなじの飲みなんだろう。

俺の想像だが、シルヴィアさんは『君達はまだ子供だから酒はまだ早い』と思われたんだと思う。まあ事実なのだが、なんかちょっとだけ悔しいと思ったし、せっかくの機會だしちょっとだけ飲んでみたいという気もあったしな。

「ウフン。それでは改めてようこそ我が國アルディーンへ！君達を心から歓迎する！乾杯！」

「乾ぱーい！！」

そんなことを思いながらもシルヴィアさんの乾杯の音頭と共にお互いのジョッキをぶつけ合った。

「このお、すごく味しいですー！？」

「このお魚の煮付けもしっかり味が染みてて味しいー！？」

「…うま♡」

「ふふっ、そうか。君達の口に合ってなによりだ。さあ、今日は私の奢りだ。遠慮せずに沢山食べていってくれ。おかわりもしいならどんどん言ってくれ」

俺達が舌鼓を打つ姿を見てシルヴィアさんは微笑ましく見ている。

それにしても普段あまり食べる方ではないのだが、不思議なことに食がかなり進んでいる。みんなも年頃のの子なのに『カロリーなんて気にするものか！』と言わんばかりに普段以上に食べている気がする。テーブルいっぱいに置かれた料理達を見てけっこうな量だと思ったが、気がつくとどんどんなくなっていく。

---それからしばらくは目の前の料理達を黙々と食べまくる俺達だった。