《俺の高校生活に平和な日常を》第11章 #42「ベオウルフマンの反撃」

「ゔっ!?」

けたたましく放った咆哮は草木を暴風並の勢いで揺らし、その場にいた俺達が吹き飛ばされそうになるほどの威力だった。

吹き飛ばされないようになんとか踏みとどまった俺達だったが、耳を塞いでも鼓がつんざきそうなほどの威力を誇るベオウルフマンの咆哮で麻痺攻撃をけたようにきが取れなくなっていた。

「フシュゥゥゥゥゥ」

一方のベオウルフマンはスッキリしたかのような表勢を立て直した。

マズい。あの一撃で形勢が逆転されてしまった。このままだと反撃を…

「ウルアァァァ!!」

「ッ!? ウー、ちゃん、逃げ…」

と思った矢先、ベオウルフマンはウーちゃんの方に振り向いた。ちょこまかと逃げながら攻撃をしていたウーちゃんだったが、俺達とは違い耳を塞げない。

その上、1番近い位置にいたからものすごい音で聞かされているものだからたまったもんじゃない。その証拠にウーちゃんの耳の中が流している。おそらく鼓をやられてしまったのだろう。

みのりが懸命にウーちゃんに逃げるように呼びかけようとするが、咆哮の余韻がまだ殘っているせいか、言葉が詰まってうまく喋れていない。

「キャンッ!?」

そんな中、ベオウルフマンはウーちゃんの腹に蹴りを放った。

咆哮で大ダメージをけたウーちゃんはきが取れず、ベオウルフマンの蹴りを思いっきりくらい、サッカーボールのように勢いよく飛んでいき、木に向かって背中を強打した。背中を強打したウーちゃんは小さくき聲を上げ蹲(うずくま)った。

「ゥゥゥゥン」

そして、ウーちゃんはき聲を上げながらりを放ち、ボールの姿に戻っていった。HPがなくなって元の姿に戻ってしまったのか。

元の姿に戻ったウーちゃんのボールだが、戻った瞬間半分に割れてしまった。

「ウー、ちゃん…」

それを見たみのりは悲痛の聲をらした。召喚獣は1度死ぬと2度と召喚できなくなるわけではないのだが、みのりにとってウーちゃんはそれ以上の存在だからウーちゃんが苦しんで消えていく姿が辛かったのだろう。ボールも割れてしまったから再び召喚することもできないしな。

「グルルルルル」

「ッ!?」

ウーちゃんが消える姿を見屆けたベオウルフマンはこっちに鋭い視線を移した。マズい。まだかないっていうのに。

パァン

「ッ!?」

そのとき、銃聲と共にベオウルフマンの頭がし橫斜めに傾いた。今の銃聲、まさか…

「あんたの、相手は、こっちよ!」

「有紗!?」 「有紗さん!?」 「有紗ちゃん!?」

ベオウルフマンは銃聲がした方を向くと、俺達もそこに視線を移した。

そこにはベオウルフマンに銃口を向けた有紗の姿があった。

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