《俺の高校生活に平和な日常を》第11章 #46「有紗を守るため」
「グオォォォ!!」
「くっっそぉ!?」
目の前に立ちはだかったベオウルフマンは鋭い爪で俺達に襲い掛かった。
俺はそれを転がって回避した。有紗にも多痛い思いはするだろうが、爪で背中貫かれるよりかはマシだろう。
「くっ!?」
ベオウルフマンの攻撃を紙一重で躱したものの、攻撃の際に発生したわずかな風圧で俺と有紗はさらに転がっていき、近くの木に背中を強打した。
「ッ!?」
不幸中の幸いというべきか、転がっている途中で位置が変わって俺が背中を強打したが、有紗は俺がクッション代わりになったおかげで大したダメージはなさそうだ。まあ俺にとっては不幸中の不幸だけどな。ただの2次被害だ。
それにしても背中を強打しただけで瀕死になるとかどんだけ弱なステータスだよ。
「和彥君、大丈夫ですか?!」
「お兄ちゃん!? 有紗ちゃん!?」
俺が背中に強烈な痛みをじていると、みのりと梓が俺達の方に向かってきていた。
「ヴゥゥゥゥゥゥ」
「ッ!?」
だがしかし、それよりも早くベオウルフマンが俺達のところにやってきた。
みのり達とはまだ距離が離れていて間に合いそうにない。
「グオォォォ!!」
「くっ!?」
再びベオウルフマンの爪が俺達を襲おうとしていた。背中を強打したせいでさっきみたいに避けることができない。くそっ、ここまでか。
グシャッ
そう思った俺は観念するように目を瞑った。
だがしかし、切り裂く音が響くだけで痛みは全くじられなかった。
一なにが起こったのか。気になった俺は恐る恐る目を開けた。
「ッ!!??」
すると、俺の目の前に有紗の姿が映った。
有紗は俺を庇うようにベオウルフマンの前に立ちはだかっていたが、ベオウルフマンの爪でを切り裂かれ、次の瞬間、有紗のから飛沫が飛び散った。
「ありさーーー!!」
後ろに倒れそうになる有紗を俺は絶しながらけ止めた。
有紗の容態を見ると、腹から大量に出していた。
そんな有紗を見て、俺はあのときの景を思い出した。
「ハア…ハア…」
あのときの景を思い出し、呼吸がだんだん荒くなってきた。
もうこんな景2度と見たくなかったのになにやってんだ俺!? 1人で勝手に諦めて仲間に庇われて、その上瀕死にまで追いやって。
これこそ不幸中の幸いというべきか、有紗のHPを見ると、まだわずかに殘っている。ステータスが高かったからか。梓に見せればまだ助かるはずだ。
「…なら、まだ諦めるわけにはいかねーだろ!?」
今度は俺が守らねーと。
そう思った俺は有紗を抱き寄せ近くにあった木の枝を手にした。まともにはかせねーし、みのり達もまだ助けにれそうにない。狀況は圧倒的にこっちの方が不利だ。
それでも俺は有紗を守るため、戦うことを決意した。
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