夏休みがもうしで始まる7月初旬。

俺達は使われていない教室を占拠して、自分達のアジトにした。そこで放課後、皆で集まって雑談やゲームなどをしたりするのが日課になっていた。

「あぁー彼しいぜぇー」

「それわかるわかる」

「俺もしい……」

最初に誰がそんなことを言ったのかは分からない。でも高校二年生。ましてや青春真っ只中の俺達にとって『彼』という存在は夢のまた夢だった。

「おいおい、A？　お前には無理だって」

そう言ったのは、B。

容姿はイケメンだけど中は変人。

しかし子にはモテまくり。

勉強は下から數えた方が早いぐらい。バスケをしていたが先輩と喧嘩して退部したという経歴を持つ。

「無理とか言うなよ。ただの願だろ？　いいじゃんかよ」

Aはゲラゲラと笑いながら言う。

小麥に焼けたはセクシーで筋馬鹿という言葉が似合う。髪型が特徴的でアフロ。地では無く、パーマをかけているらしい。

子からは変態と罵倒されており、人気は無い。見た目はリア充なのに俺達とつるんでいるのは本當に謎だ。

「まぁーそうだけどよ。お前はどう思うんだ、C？」

Cに話を振られ、Cは読んでいた漫畫を閉じ、黒眼鏡をクイッと上げて答える。

「まぁー俺もしいけどさ。々と考えたらめんどくさいじゃん？」

Cの家は金持ちだ。ヒョロヒョロの眼鏡。

機械いじりが得意で々と変なを作る。

眼鏡を外したらイケメンなのだが、本人はそれに気づいてない。

そして人のお姉さんがいる。

俺達は何回もCの家に上がり込んで、お姉さんの部屋で下著などを見たりしている。

「例えば、なんだよ？」

「際費とか？」

「お前の家、金持ちじゃん！」

「そうか？　普通だと思うんだけど……って、それよりNはどうなんだよ？」

ちなみにNというのがこの語の語り部である、俺なわけだ。

さっきから馬鹿なことを言っているこいつらを機に頬づえを付き、ぼっーとしていた人でもある。

「あぁ……そうだな。俺もしいよ。彼……」

「Nの場合は彼じゃなくて、Yちゃんがしいだろ？」

顔が一気に熱くなる。

Yちゃんっていうのは俺等のクラスにいる正統派だ。

「ちょっ……！？　お前らなんだよ？　別に折れは……」

「お前、分かりすぎ」

「NはYちゃんが好きなんだな」

「お金貸してやるから今度デートえよ」

散々に言われちまった。

ちくしょー！？

「ご、ごめん！？　お、遅れちゃった……」

そう言って、俺等のアジトにってきたDは空いていたソファーに座る。

Dは可い系の男子だ。

皆からされており、優しい。

白いが特徴的で料理が好きな男子だ。

何故、こんな俺達五人がつるみはじめたのかは分からない。でもどこかで俺達は引かれ合っていたんだと思う。青春を求めて。

殘念系イケメン、アフロ筋、メガネ、男の娘、そしてこの俺、片想いボーイ。

本當に謎メンだ。

「あ、あのさ……俺思うんだけど……合コン行かないか？」

この言葉が俺等の人生を変えることになろうとはまだ知る由もなかった。